15. 冒険者ギルドの拡散の考察3
前回、冒険者ギルドの役割は異世界転生した主人公の生活基盤の確保と書きましたが、最初期の目的は、やはりパーティ編成の簡略化にあったと思われます
ウイザードリィを題材にした小説"隣り合わせの灰と青春"のギルガメッシュの酒場の様なイメージと言えば解り易いでしょうか
しかし、そこには常に信頼と云う問題が存在します
命を預ける相手をどの様に見分けるのか?
それが現代一般人の主人公の行えるのか?
等の問題が常に介在するのです
又、この問題は異世界転生で無い場合でも存在するでしょう
コレは、このエッセイでも書かれロールプレイヤーがパーティ編成時に起こした問題と酷似しています
もしこの問題をまともに解決しようとすると、プロ並みのストーリープロット能力かゲームシーンで発生した様なキャラクター同士がお互いを信頼出来る様になるまでのストーリー(ロールプレイヤーはコレをゲームの導入中にやろうとした)が必要になります
コレが只のファンタジー小説であれば設定の説明で省略(ゲームシーンでいえばプレロールドキャラクター)出来るかもしれませんが、主人公がその世界と無縁の異世界転生モノでは不可能でしょう
結果、採用されたのが"冒険者ギルド"である可能性は高いと思われます
何故なら"冒険者ギルド"は、当にその様な状況を簡略化する為に生まれたギミックだからです
では、"どの"冒険者ギルドが基になっているかですが、それは私にも判りません
おそらく、ゲームから分岐したマンガか小説の可能性が高いとは思いますが、当時たまたまゲームをやっていて冒険者ギルドを知っていた人が居たのかもしれません
何れにせよ冒険者ギルドは、パーティ編成の簡略化という利便性から広まり
その後、その利便性が作者の都合で拡張されて、最終的に異世界転生主人公の異世界での生活基盤の確立に最適化され、現在に至っているのではないでしょうか
実際、冒険者ギルドが登場する多くの作品では、その作品から冒険者ギルドを他のクラスギルドの様なモノに代替えしようとすると、主人公に関わらなけばならない組織やそれに伴うキャラクターが一気に増えてしまう場合が殆どで、作中の主人公を中心とした相関図も複雑化してしまいます
この状況は作者だけでなく、読者の負担も増大させます
何れにせよ"冒険者ギルド"は、作者だけでなく読者にとってもとても利便性の高いギミックであり、その利便性故に今後も便利に使われて行くのではないかと思われます




