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11.冒険者ギルドの興亡(後)

こいでたく先生をご存知でしょうか?


現在もホビージャパン関連の雑誌で活躍されている漫画家さんです


この方は初期のRPGブームの頃からプレイされているガチのゲーマーでもあり、当時のゲーム雑誌等でも漫画を描かれていました


その、こいで先生が描かれた漫画に「ギルド見聞録」というものがあります

その内容を掻い摘んで説明すると



冒険者ギルドを運営していた両親がクエスト中に失踪してしまった少女が、両親の残した冒険者ギルドを切り盛りしながら両親の帰りを待つという様なものでした



そう、この漫画には"冒険者ギルド"が出て来るのです

しかもこの冒険者ギルドの形態は、現在なろうで言われている冒険者ギルドの形態に近いのです


もちろん完全に一致している訳ではありませんし、ソシャゲのクラン等に近い部分もありますし色々異なる部分もあるのですが、ギルドメンバーが異職種混在な点やクエストの受注等現在見られる冒険者ギルドの基本的な部分は網羅されており、この冒険者ギルドがなろう小説の中に出てきたとしても受け入れられるレベルです



この漫画の単行本の発売が1994年です



この単行本が月刊ゲームコミック誌の連載の収録である事を考えるなら、だいたい1993年頃には冒険者ギルドというものがゲームコミック誌の漫画のテーマになるレベル程度には認知されていた証左位にはなるのではないでしょうか



じつはこの漫画以前にも冒険者ギルドが出て来る作品はったのですが、それらの冒険者ギルドは基本クラスギルドの様なものでした



まぁコレらの事は私の記憶との時系列的な整合性もあるので、現在見られる様な冒険者ギルドの発生時期はだいたい1991-1992年頃であると考えて問題無いでしょう


さて、冒険者ギルドの発生はコレで良いとして、ではゲームシーンに於ける冒険者ギルドの衰退はいつ頃から始まったのでしょうか?



コレも結論から言えば

だいたい1990年代半ば、1995年頃には始まっていたと思われます










「はえーよ!!!!!」










わかりますそのきもち


でも、此れにも理由があるんです




ーーー




理由の一つ目は

ブームの終了です


この頃既に第三次ブームは終息しつつありました

こう書くと


「この頃は全盛期じゃねーか!」


という方もいるでしょう


ですが実際には終息が始まっていたのです

それは市場を形成するファン層の変化に見られます

この頃ブームが全盛期であった理由は市場に購買層が定着していたからです

つまり市場の大半が既存客で占められていたのです

一方で新規の数は減少傾向にありました

要するにロードス島から既に5年以上が経過して市場が飽和していたのです


コレはゲームシーンにも大きな影響を与えました

ゲームシーンへ流入してくる層の大半が小説やアニメを通したものであったからです



理由の二つ目は

成長です


ゲームのキャラクターが経験値を得てレベルアップする様に、人もまた経験を積んで成長するのです




する筈です






します…よね?





ま、まあそれはそれとして


初めは偏ったhow to本の知識でオラついていたニワカも、流石に5年もゲームをプレイしていればそれなりにゲーマーと呼べる位には成長するのです




する筈です






します…よね?





ま、まあそれはそれとして


このプレイヤーの成長によってオープンコンベのゲームシーンを構成するプレイヤー層が変わったんです


こんな感じで



ロールプレイヤー>>>>>>>>>>超えられない壁>>>>>>>>>>RPGゲーマー

ロールプレイヤー>>>>>>>>>RPGゲーマー

ロールプレイヤー≧RPGゲーマー

RPGゲーマー>ロールプレイヤー

RPGゲーマー>>>>>ロールプレイヤー





この変化には新規のニワカ勢の減少も影響していると思われます


こうしてオープンコンベでのプレイヤー層が変化した事により、ゲームシーンが正常化したのです

正常なゲームシーンでは冒険者ギルドの存在意義がありません

何故ならゲームの導入でしかないパーティ編成とゲームの主体であるシナリオのプレイとでは、その重要度が考えるまでもなく明確だからです



そして三つ目が

メーカー側の認識の変化です


RPGのゲームシステムというのは、基本的にキャンペーンゲームを前提にデザインされています

経験値を獲得し、段階的に成長するシステムはその典型でしょう


実際欧米のゲームシーンに於いて、ゲームコンベの様なイベントで行われる単発シナリオ等ではプレロールドが主流であったようです

欧米ではキャンペーンゲームとの線引きが明確だったのでしょう


しかし日本では状況が異なりました

日本のゲームシーンではオープンコンベが量的に主流だったのです

しかし、オープンコンベを活動の中心に置くプレイヤーも自分のPCでゲームを行い成長させたいと思う気持ちは同じだった様で、結果産まれたのが"渡り"と呼ばれるプレイヤー達です


"渡り"はその名の通り、同一のPCで異なるコンベンションの単発シナリオを"渡り"歩いて、キャンペーンゲームの様にPCを育成するプレイヤーの事です


その出現はおそらく1990年前後で、ロードス組の大量流入やオープンコンベの急成長とタイミングが一致します

この"渡り"は当初、直ぐに消えると思われていましたが、実際にはその後の国内RPGゲーム市場の主流を占める程にまでなります


この事態はデザイナー側にも想定外だったらしく対応は遅れました

それでも2000年前後には"渡り"対応型のRPGシステムが出現し始めます


"渡り"に対応するルールは徐々に導入された為、どのシステムが最初かは明確ではないのですが、共通点としては連続性の無い"単発シナリオ"に配慮したルールが盛り込まれている点です

この中には当然シナリオへの導入がスムーズに行われる様に配慮したモノもあり、まるで演劇か何かの様にPCのシナリオ中での役割をルールで規定するモノまでありました


(以前、久しぶりにオープンコンベにプレイヤーで参加したら


「彼が今回の主役で君達サポーターだから」


と前説も無く言われて絶句した

まあ、碌にルールも読まずに"初心者でーす"みたいな感じで行った私も私だが、なんかもう私の知ってるRPGじゃ無かった)




そもそも冒険者ギルドの存在意義は、ゲーム導入時のパーティ編成を簡略化する事にありました

その部分がゲームシステムによって公式にサポートされ、ルールによって明文化されてしまったのです

この時点で冒険者ギルドの存在理由が無くなりました



元々、冒険者ギルドは設定的に破綻しており、極一部以外では殆ど支持されていないギミックでした

この為、一度その必要性が薄れると急速に縮小してしまったのです


結果、2000年を待たずして"冒険者ギルド"はゲームシーンからその姿を消す事になったのです

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