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第91話 どうにかしてくれ



 市の次の日。


 山裾の小屋。


 焼き見世。


 かなり流れた。


 そのため。


 女衆。


 機嫌が良い。


「昨日、

 結構売れましたねぇ」


「豆増やしたの、

 良かったかも」


 そんな話。


 その中。


 万吉。


 少し疲れた顔。


 周囲。


 気付く。


「若、

 どうしました?」


 万吉。


 少し考える。


 そして。


 真面目に言った。


「焼き物だが」


「数食べると、

 腹に来る」


 周囲。


 静か。


 さらに。


 万吉。


 続ける。


「甘いの、

 食べ続けると」


「甘さが、

 くどく感じる」


 女衆。


 少し頷く。


 確かに。


 さらに。


 万吉。


 かなり真面目。


「あと」


「口の中の水分、

 持ってかれて辛い」


 少し止まる。


 そして。


「茶」


「うん、

 欲しい」


 さらに。


 真顔で。


「どうにかしてくれ」


 周囲。


 止まる。


 そして。


 笑い始める。


「若様、

 完全に客側ですね」


 護衛も。


 笑いを堪えている。


 だが。


 女衆。


 少し考え始める。


「茶かぁ……」


「市で売ってるな」


「安い葉、

 あるかも」


「煮出せばいい?」


 すると。


 万吉。


 少し顔を上げる。


「焼き物と一緒なら」


「もっと流れるか?」


 周囲。


 また静かになる。


 そして。


 井上之正。


 小さく呟く。


「始まったな……」


 結局。


 また。


 新しい流れの話になっていく。


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