第82話 挟むか?
市の次の日。
山裾の小屋。
昨日の疲れはある。
だが。
空気は悪くない。
焼き見世。
思ったより。
かなり流れた。
そのため。
万吉は。
流れ商人と。
売上を見ていた。
帳簿。
銭。
残った数。
流れ商人。
頷く。
「焼き物、
けっこうはけてました」
「続けた方がいいですね」
万吉。
頷く。
すると。
流れ商人。
さらに続ける。
「それに」
「見てくれる人、
増えたので」
「物の方も、
なかなかいいです」
焼き物へ寄った客。
そのまま:
・飴
・草鞋
・紐
見て行く。
つまり。
流れが出来ている。
万吉。
少し考える。
「匂いか」
「人止まるな」
流れ商人。
笑う。
「止まりますね」
さらに。
女衆達の話になる。
「女達も、
頑張ってました」
「結構、
声出してましたし」
万吉。
少し頷く。
最初は。
売り子など。
やりたがらなかった。
だが。
やってみれば。
案外。
悪くない。
そして。
女まとめ役。
ふと思い出したように言う。
「あの焼き物」
「なんか挟んだら、
うまそうですよね」
周囲。
止まる。
万吉。
即座に反応。
「何挟む」
女。
少し考える。
「なんか塗るか?」
万吉。
ぽつり。
「飴か」
すると。
別の女。
口を開く。
「それなら」
「飴と、
豆煮たのがいいかもです」
小豆。
甘く煮る。
それを挟む。
周囲。
少し想像する。
井上。
ぽつり。
「……いいな」
万吉。
頷く。
「いいな」
また。
始まろうとしていた。




