表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/145

第76話 帳簿



 それから。


 若い家臣は。


 たびたび。


 山裾の小屋へ通うようになっていた。


 目的。


「報告」


 黒田職隆へ。


 万吉が。


 何をしているか伝えるため。


 だが。


 相変わらず。


 梅干し。


 飴。


 紫蘇。


 草鞋。


 水路。


 備蓄。


 色々あり過ぎる。


 しかも。


 最近では。


「全部、

 何か意味がある気がする」


 余計に困る。


 その日も。


 小屋へ来ていた。


 すると。


 帳簿を見ていた万吉が。


 ふと顔を上げる。


 そして。


 当然のように聞いた。


「お前」


「たびたび来るが、

 何してるんだ?」


 若い家臣。


 止まる。


 少し迷った後。


 正直に答えた。


「殿に」


「見た物を、

 報告しております」


 沈黙。


 万吉。


「ふーん」


 それだけ。


 若い家臣。


 少し拍子抜けする。


 すると次の瞬間。


「じゃ」


「お前、

 帳簿手伝え」


「……え?」


 止まる。


 周囲。


 普通。


 女衆。


「そこ座って」


 子供。


「これ運んで」


 流れ商人。


「去年の分こっちです」


 気付けば。


「私、

 なんか使われ始めてる……」


 若い家臣。


 混乱。


 だが。


 数日後。


 職隆への報告。


 少し変わった。


「飴の売れ行きですが」


「普通の方が数は出ます」


「ショウガ入りは、

 喉使う者が買っております」


「草鞋は、

 一定数残す方針です」


「理由は、

 春先不足したため」


「梅干しは、

 保存食として試しております」


 職隆。


 止まる。


 前より。


 かなり分かりやすい。


「……何故、

 急に詳しくなった」


 若い家臣。


 少し遠い目。


「帳簿を、

 見せてもらえるので……」


 職隆。


 黙る。


 そして。


 少し頭を抱えた。


 報告役として送ったはずなのに。


「向こう側の流れ」


へ。


 少しずつ。


 巻き込まれ始めていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ