第115話 与吉
年が明け。
新年の挨拶も。
少し落ち着き始めていた。
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姫路。
黒田屋敷。
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昼。
万吉は。
呼ばれていた。
「若様」
「殿がお呼びです」
「ああ」
万吉。
そのまま立つ。
最近。
呼ばれる理由。
大体:
市。
小屋。
普請。
その辺。
なので。
特に気にしていない。
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そのまま。
職隆の部屋へ向かう。
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障子の向こう。
話し声。
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「失礼します」
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そのまま入る。
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中。
火。
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黒田職隆。
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叔父。
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そして。
同い年くらいの子供。
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万吉。
少し止まる。
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「……?」
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その子供。
少し緊張していた。
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職隆。
普通に言う。
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「与吉だ」
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「お前の側へ置く」
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子供。
すぐ頭を下げる。
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「与吉にございます」
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万吉。
少し考える。
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「あー……」
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「会った事あるな」
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「まぁ」
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かなり普通。
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与吉。
少し拍子抜けした。
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最近。
家中。
万吉の話。
かなり聞く。
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* 市
* 焼き見世
* 普請
* 小屋
* 商人
* 人流れ
。
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だから。
もっと:
変わった若
を想像していた。
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だが。
目の前。
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自分と同じくらいの子供。
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しかも。
普通。
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そして。
万吉。
少し止まり。
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「え」
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「私は、
# これ終わったら」
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「冬の間、
# 小屋おるつもりなんですが」
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与吉。
少し固まる。
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万吉。
普通に続ける。
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「与吉も、
# 連れて行くんですか?」
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「狭いんですけど」
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叔父。
少し顔を伏せる。
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笑いを堪えている。
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だが。
万吉。
本気。
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さらに。
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「あと」
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「冬越えの飯、
# 新たに入れるとなると」
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かなり真顔。
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与吉。
完全に止まる。
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普通。
側へ付ける者の話で:
* 部屋
* 飯
* 冬越し
。
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そこから考える子供。
なかなか居ない。
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職隆。
普通。
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「ああ、大丈夫だ」
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「とりあえず冬の間は、
# 通いのつもりだ」
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「春からは、
# そちらへやる」
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万吉。
すぐ頷く。
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「ならいいです」
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かなり自然。
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だが。
与吉。
少し困惑していた。
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この若。
まず考えるのが:
* 部屋
* 飯
* 保存
* 人数
。
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しかも。
かなり真面目。
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すると。
職隆。
与吉を見る。
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「しばらくは」
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「万吉の動きを見て覚えろ」
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「市も」
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「小屋も」
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「普請もだ」
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与吉。
すぐ頭を下げる。
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「はっ」
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だが内心。
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(何を覚えるんだ……?)
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まだ。
よく分かっていなかった。
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一方。
万吉。
普通に考えている。
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(春から増えるなら)
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(寝る場所、
# 少し広げるか……?)
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完全に。
そっちだった。




