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第14話.戦闘開始

朱雀門の前は、まさに地獄絵図だった。


落とされた青龍門からどんどん敵が朱雀門へと流れ込んで来ているからだ。


このままでは、いずれ押されて朱雀門も開けられてしまい、門の外にいる敵が朱雀門からも入って来てしまう。


『大和はどこだぁあああ!!探してここに連れて来い!!俺がぶち殺す!!死ぬまでぶち殺す!!死んでもぶち殺す!!』


大和ってのが、多分3番の人…だよな。


大量に押し寄せて来ている敵を次々となぎ倒しながら、世良さんが物騒なセリフを大声で叫びまくっている。


何あの化け物。


「ちょっと…あの人、素手で色んな物 ひきちぎってるんだけど……」

「さすがは、1番所持者ですね…。まさに鬼の所業…」

「さぁて、じゅん!!好きに暴れていいぞー!!」

『うひょ♪待ってましたぁ!!』

「くれぐれも第1区の兵に攻撃はすんなよ?」

『へいへい。へぇーい♪♪あっそぼうぜぇーー♪♪』


じゅんは、高らかに笑いながらエアバイクごと敵の集団に突っ込んで行った。

ヒラリと飛び降りたじゅんを置いたまま走って行ったエアバイクは、朱雀門に激突して爆発。炎上した。


「……全然人の話聞いてねーぞあの馬鹿!!!」

「いちさんが好きに暴れていいとか言うから…」

「え、俺のせい!?」

「それはともかく、僕達はどうしますか?天馬から降りて闘います?」

「んー…、味方がいなくて、敵が固まってる所ってある?」

「青龍門ですね。味方はほとんど朱雀門に押し込まれてますから、入って来てるのは敵だらけの集団。

もっと言えば、青龍門の外と朱雀門の外 この二つは敵しかいませんね。」


俺はゴソゴソとリュックからある物を取り出し、ギンに見せた。


「これやるとしたら、やっぱり門の外の敵に…かな?」


それを見たギンが笑いながら頷いた。


「……ですね。」


「世良さーん!!俺達、ちょっと青龍門から入って来てる敵一掃して来ますねー!!そしたら朱雀門少し楽になると思うんで、頼みます!」

『え?いや、先にまだぎりぎり落ちてない朱雀門を…』


「味方巻き込んじゃう事しちゃうんで。」

『……わかりました。お願いします。』


俺達は、天馬に乗って青龍門に飛んだ。

敵が次から次へと、引っ切り無しに入って来る入って来る。


「まるでタイムセールやってるスーパーの入口みたいな事になってんな。」

「タイムセールとは?」

「狙い目に向けてただひたすら猪の様に突き進むイベントだよ。」

「わかりません。」

「俺もわからなくなってきた。」


喋りながら、リュックから俺は1房のぶど…豚を手に取った。

手袋を外し、その手で豚を持つ。


「天馬のスピードなら、爆発に巻き込まれることもないだろうし、あとは、ギン。俺から出た電気には触るなよ??なるべく投げる瞬間だけ出すように気をつけるけど。」

「はいっ。」


さぁて。天馬で青龍門の真上にまで来た俺は、門から入って来る敵の部隊に向かって豚を構えた。

手袋を外し、パリッ…と少しの電気が出たことを確認すると、思いっきり豚の一番下の房をちぎって、敵の集団のど真ん中に投げ込んだ。


「天馬!!上昇!!フルスピードで離れて!」


俺の言葉に弾かれるように、天馬は猛スピードで空高く舞い上がった。


青龍門の近くでは、電流をプラスされた豚が大爆発を引き起こし、青龍門から入ろうと群がっていた敵は、一瞬で吹っ飛んだ。


「っしゃ!!成功した!!これで、朱雀門が楽になるかな?」

「戻りましょう。」

「うん……あ…れ?」


青龍門の上に、誰かが座っている。

その男はただ黙って座ったまま、混沌とした戦場を眺めている。


何してるんだ……?


「いちさん?どうかしましたか?」

「え、あ。あそこに……」


指差したその先に、その男はいなかった。


「あれ?どこに…」

「いちさん!!上!!!」


ギンの声にハッとして上を向くと、先程の男は門から飛び上がってこちらに向かって降りて来ていた。

そして、そのまま天馬に飛びついて来たのだ。


「ナンバー3っ…大和!!」


ギンが叫んだ。

ナンバー3の大和……!?こいつが!?


そんな時、大和が叫んだギンに目線を向けた。



ー…マズイ!!!


とっさに俺は大和に思いっきり体当たりし、大和と一緒に天馬から転がり落ちた。

すぐに起き上がってありったけの声を振り絞る。


「天馬!!!ギンを乗せてそのまま逃げろ!!」


天馬は俺の声に即座に反応し、力強く空を蹴り上げながら俺達から離れて行く。


「いちさん!!!!」


かすかに、ギンの叫び声が聞こえた。


共に転がり落ちた大和が、ゆっくりと起き上がる。

とっさとはいえ、ナンバー3とタイマンを選んでしまった俺はアホなのだろうか。

でも、あの時…こいつの目線がギンに向いた。

ギンがやられるかもしれない…

そう思った瞬間に、思わずタックルしてしまった…。


大和は、まだ地面にケツをつけたままの俺に向かって、ゆっくりと歩いて来た。


ヤバイ…。

冷や汗が滝のように流れ出てる気がする。

心臓がバクバクいってる。


だって相手はナンバー3だ。


でも…

ただでやられる訳にはいかない。

俺は手袋を外し、すぐ立ち上がれる体勢になって 大和が近付いてくるのを待った。



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