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第11話.戦場へ

「メル、4つの門で一番動きが激しいのはどこかわかる?」


メルは耳をピンッと立てて、赤い瞳で4つの方向をじっと見つめた。

敵味方が入り乱れてるんだ。細かい状況を知るのはきっと難しい。

今回は味方もアンドロイドだからな…。

反応だらけで、ぐちゃぐちゃだろう。


すると、メルがピクンと1つの方向を見た。


「アッチャ!!ソトカラ、アンドロド、イパイ!!イパイハイッテキテマシャ!!」

『はい?』

「あ、あっち。外からアンドロイドがたくさん中に入って来てるって!!」


俺の声を聞いた世良さんの顔が真っ青になった。


「馬鹿な……!?青龍門が落ちたと……!?ありえない!!」


さっき世良さんは、青龍門にはナンバー3が向かったと言っていた。

間に合わなかった…?

いや、それは多分ない。

あの3人はエアバイクで飛ばして行ったんだ。

エアバイクは俺達が今乗ってるこの大型の車よりも遥かに速かった。

それに、俺達は交渉や話し合いなどを行いながら進んでいる。


ナンバーの3を持つ者が、門に辿りついていないはずがない。


「負けた……ってこと?3番の人が…」


俺が呟くと、それを聞いた じゅんとリーヴが眉間にシワを寄せた。


『あいつが負ける姿ってのはちょーっと想像つかねーなー。』

「…そうだな。例え相手にナンバーがいたとしても、奴がそう簡単にやられるとは思えない。」

「リーヴも3番の人知ってるの?」


「俺の右腕を切り落とした男だ。」

「え!?」


そんな強い人が負けたの!?


「…タブレット!!メル、これに探知を念写して下さい!!」

「アイサ!!」


ギンが出したタブレットに、メルが探知したアンドロイドが赤い点となって写し出された。


『こ……こんな細かいマップを一体どうやって…』

「すみません。盗みました。」

『んなっ!?』


すみません。うちの子が優秀すぎて、すみません。


「やっぱり青龍門からアンドロイドがどんどん入ってきてる…」

「外にも、随分といるな。これほとんど総力戦じゃないのか?」


『とにかく、一刻も速く青龍門の元へ行き、青龍門を閉めます!!そうしなければ入って来る敵の数が増える一方です!!』


世良さんは叫びながら、運転席に座り、アクセルを全開に踏んだ。


「世良さん!!屋根!!屋根閉めてください!!色んなものが飛んでいきますー!!!」

『少し待ってください。信号弾を撃ちますから!!』


世良さんはそう言うと、運転しながら足元のガラスケースを思いっきり踏み割った。

すると割れたケースの中から、とてつもない勢いで赤い煙が空へと舞い上がっていった。


「あれが……信号弾?」

『電波障害で他の味方と連絡が付きませんからね。』

「敵を発見した…っていう信号ですか?」

『いえ。敵の発見時は黄色の信号弾です。』

「じゃ、じゃあ、今の赤は!?」


『敵の侵入を確認。全員第一戦闘配備。

敵を見つけ次第全力で排除すること。と、いう意味Death。

戦争中にしか使わない信号弾Death。』


あ、怒ってる。

世良さんは今怒っている。


それほどまでに、青龍門陥落が衝撃的だったのだろう。


ウィィィン……という機械音と共に、上から屋根が降りて来る。


『屋根が閉まったら、フルスピードで走ります。

しっかり掴まってて下さいね。

あと、舌を噛まないように気をつけ………』


それは、いきなりだった。

フッと、車に影がかかったのだ。

一瞬で太陽が隠れたかの様に。


「上に何かいるぞ!!…鳥か!?」


上を見上げると、車の真上を鳥が飛んでいる。

鳥が……。


「ねぇ…、あれ…なんて鳥?」

「スズメだ。」

「違うと思う。」

「いち、しっかり掴まれ!!羽ばたきで 吹っ飛ばされるぞ!!」

「スズメの羽ばたきで吹っ飛ぶ訳ないでしょ!!ねぇ、あれ ほんとはなんて鳥!?」

「スズメだって!!」

「でかすぎだろ!!!!」


車よりデカイんだけど!!

俺が知ってる手のひらサイズの可愛いスズメはどこ行った!?


『『ジョンッ』』


「はぁああああ!?ジョンッてなんだよ!?スズメはチュンッだろ!?チュンッと言えよ ふざけんな!!!」


『……ちょっと。なんなんですかこの人?頭でも打ちましたか?なぜスズメに怒っているのです?』

「いつも通りです。お気になさらず。」


『『ジョンッ』』


「てめっまた…ちょっと降りてこいやぁあああああ!!!」


スズメに俺が叫んだ、その瞬間だった。

4人と思われる人影がスズメの上から車に向かって飛び降りて来たのだ。

スズメがでかすぎた為か、人が乗っている事に全く気付かなかった。


飛び降りてきた4人が、閉まりかけている屋根の上にダンッと着地した。


「皆!!来るよ!!」


俺は慌ててホルスターからレールガンを抜き出し、屋根の上にいる4人に構えた。


構えた、はずだった。


「………あれ?」


俺の間抜けな声が車の中で響く。


だって屋根がなくなっていた。


4人が屋根に飛び乗った瞬間に、世良さんが屋根を分離して捨てたのだ。

4人は分離された屋根ごと吹っ飛んでいったご様子。


上には、取り残されたスズメが どうしたら良いのかわからずに ただただパタパタと飛んでいた。


『さて。屋根がなくなってしまったので、しっかり掴まってないと危険Deathからね。ではフルスピードで飛ばします。』


屋根ないのにフルスピードで飛ばすんだ。


つーか、4人襲ってきた事に触れもしない。

この人…ちょっと闘い慣れしすぎじゃないか!?


そしてフルスピードで走り出した車は、予想以上に速く


「ちょ、ちょっ、世良さ……速…すぎゃん!!!」



俺はお約束のごとく、思いっきり舌を噛んだ。



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