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第6話.第1区の男は

男はノアを乗せた車が去るのを確認した後、ゆっくりと振り返って俺に視線を向けた。


『貴方達が行くのは、別の場所です。』

「……監獄ですか?敵ではないと言ったでしょ?」

『ええ。貴方達は第2区の脱走者ですね?彼女は、ノア=エイルだ。

そうですね?』

「………。」

『第2区のナンバー5 じゅんと、第4区のナンバー3 シュカ…貴方達が脱走者や人間と共にいるとは驚きました。』

『俺達をどーすんだぁ?』

「…第2区との交渉に使うのでは?

特にノアさんを。

第5区、6区、7区が組んだ以上…

ここの第1区が第2区と組めば万事解決ですから。」

『あぁー。なるほど。

ノアちゃんを手土産にすりゃー、ネオ様も話に飛びつくかもなぁ。』


シュカさんと じゅんの会話を聞いた男は、少し笑ってギンを見た。


『ブレイカーのギンさんは、どうお考えで?』


「……組まないでしょう?貴方達第1区は、第2区とは。」


「え。」

『え。』


目を丸くするシュカさんと じゅん。

男はクスクスと笑いながら、パンッと一回手を叩いた。


『ご名答。では、行きましょうか。』


…は?


「行くって…どこに?病院?ノアが治療を受ける病院?」


俺の質問に、ギンが呆れた顔をした。


「そんな訳ないでしょう?

いちさん、簡単に言えば僕達はノアさんを人質に取られたんですよ。」

「…人質?」

「僕達、言う事聞くしか道はないじゃないですか。ノアさん取られたし、治療も してもらわないといけないし。」

「……ふぅん。」

「…ふぅん。じゃ、ないですよ!?どうするんですか!?」

「どうするも何も、行こうよ。」

「ふぇ!?」

「治療してくれるんならいいじゃん。任せようよ。

で?俺達はどこに行くんです?」


『…………変わったリーダーですね?』


目を丸くして俺を見る男。


「別に。ただのワガママ男です。

治療してくれるんでしょう?ノア。」

『…それは、そうですが…』

「第2区にも、勝手に渡さないんでしょう?」

『え、ああ…。まぁ。』

「なら俺は文句ないですよ?

この2つに、嘘がないなら。」


俺は、ね。


男は少しの間ポカンとしていたが、クスリと笑うと 俺を静止していた3人に支持を出した。


「3、4、5。お前達は先に行け。陸路の境界へ。」


その言葉を聞いた3人は、すぐに手元のボタンを押す。

そして、ペコリと頭を下げると 一斉に飛び上がった。


俺の目が飛び出すかと思ったのは、この瞬間だった。


3人が飛び上がったかと思ったら、何処からともなく飛んできたバイクが3人に交差するかの様に俺達の頭上を駆け抜けた。


後はもう、そのバイクにまたがって飛んで行く3人の後ろ姿しか見えなかった。


「なんっじゃありゃああああああ!!!?」


俺の叫び声が響き渡る。


「…バイクですよ?いちさん、バイク見た事ないんですか?」

「バイクは空なんか飛ばない。」

「第1区のバイクは飛ぶんですよ。」

「ストレッチャーも、車も飛んでたじゃねーか!?飛びすぎだろ!?

しまいにはアンドロイド自体…………

…もしかして、あんたも飛ぶの!?飛べるの!?」


『…………は?』


あれ?

そいえば、さっきこいつ…

あの3人を 3、4、5って言ってたな…


え?


「……あの3人……変わった名前なんですね?

番号って…

あ、製造番号かなんかですか?」

『はい?』

「……え、じゃあやっぱり名前?」

『……いいえ?』


あれ?


嘘……。


「………まさか、あの3人………ナンバーの3、4、5とか……じゃ、ないですよね?」

『そうですけど?』

「ははははは。あー……、はは…

はぁああああああああ!?あれ、ナンバーなの!?」


え?あれ?

じゃあ、あの3人に命令してたこいつって……

まさか…


「…に…2番さん……ですか?」


『えっ?

知らないんですか?僕を。』


知りません。

記憶にございませんから。

というか、記憶がございませんから。



ひきつりながら、ギンを見てみたら

目が合った瞬間に、目を逸らされた。


それだけで もう嫌な予感しかしなかったのに、俺は事もあろうか じゅんを見てしまったのだ。

じゅんは、笑っていた。

ニヤリニヤリと。

もう、嬉しくて仕方ないとばかりに。


そして、笑いながら男を指差して言ったのだ。



『そいつ、1番だぜ?』



俺の叫び声が、静かな砂浜に響き渡った。



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