第3話 崩れていく家族
りんちゃんのお兄ちゃんは救急車で運ばれたあと、ますます勉強が手につかなくなったらしい。
久しぶりにりんちゃんのお兄ちゃんの話題がママの口から出たけど、その内容は「第一志望の国立大学に落ちた」とのことだった。
一応滑り止めで受けていた私立は受かってたらしいけど、本人は国立にこだわったらしく浪人することに決めたらしい。
りんちゃんママもそんなお兄ちゃんを励まして、来年こそは受かるからと更にベッタリとお世話するようになっていったみたいだった。
……でも、翌年も国立は落ちた。
さすがに二年浪人は厳しいとのことで、受かっていた私立に行く事になったらしい。
その私立も世間では一流と言われてるので十分賢いと思うんだけど、本人はなかなか受け入れられなかったみたいだった。
そしてその私立大学に通うために、お兄ちゃんは家を出ることになった。
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あれだけ一生懸命お世話をしていた息子がいなくなってしまい、りんちゃんママは次にりんちゃんに意識が向くようになったらしい。
私から見たらりんちゃんも十分賢くて、地元でも偏差値の高い高校に通っていた。
それでも優秀だったお兄ちゃんと比べると見劣りするらしく、りんちゃんママの口からはりんちゃんの愚痴が出るようになったらしい。
うちのママも呆れていたけど、たまに顔を合わせるりんちゃんは一見元気そうに見えたので、私はあまり気にしていなかった。
りんちゃんママによるとりんちゃんもかなり口答えをして、りんちゃんママとやりあってるようだったから。
それもまたりんちゃんママの愚痴に拍車をかけてるようだった。
でも、またある日、お隣に救急車がやってきた。
運ばれたのはりんちゃんのママだった。
りんちゃんのママは自宅で、自殺を図ったのだ。
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幸いなことにりんちゃんママは一命を取り留めた。
そしてしばらく精神病院に入院することになった。
りんちゃんももう高校生だったし、家事もこなしてたみたいだったけど、りんちゃんの気持ちを考えるとどう接したらいいのか分からなかった。
自分の親が自殺を図るなんてどんなにショックだろう。
……でもたまに顔を合わせるりんちゃんはあまり変わった様子を見せなかった。
いつもあまり変化を見せないりんちゃんだけど、今回はちょっと不思議だった。
りんちゃんは何を考えてるんだろう?
そしてりんちゃんのお兄ちゃんも家に帰ってきた。
大学は家から通えなくもないので、自宅通学に切り替えたらしい。
今から思うと母親の過干渉が鬱陶しくて家を出たのかもしれないけど、さすがに自分の親が自殺未遂を引き起こしたことがショックだったんだと思う。
たまに外で会うようになったけど、以前感じてた不気味な威圧感はなくなり、軽く会釈をするようになっていた。
さすがに大人になって丸くなったのか、母親の自殺未遂がきっかけなのかは分からないけど。
その後、りんちゃんママは自宅に戻ってきた。
りんちゃんママはほとんど外に出ないので、顔を合わせることはなかったけど、一度だけ見かけたときはその変わりように驚いた。
以前のニコニコした雰囲気は完全に消え、痩せて一気に老けたように見えたからだ。
そして、なぜりんちゃんママは自殺を図ったのか。
その理由はあっという間に噂話として広がった。
それは、りんちゃんパパが長い間不倫をしていたからだった。




