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最終話 最後に笑うのは

 ママからお隣の噂話はいつも聞いていたけど、お兄ちゃんの話と同じくらい、実はりんちゃんパパの話も聞いていた。



 私はあまり興味がなかったから聞き流していたけど、大企業の重役で高年収、誕生日や記念日には花束を贈ってくれ夫婦で食事、週末は料理もしてくれて……と、りんちゃんママは惚気まくっていたらしい。


 でも実は10年以上、職場の女性と不倫関係にいたらしかった。


 それを知ったりんちゃんママは衝動的に自殺を図ったのだ。



 その後、弁護士を交えて慰謝料を請求し、不倫相手とは別れると言う話になったらしい。


 さすがに自分の不倫で妻が自殺未遂というのは衝撃だろうし、職場で不倫してたから周りにも知れ渡ったと思う。


 とりあえず夫婦はやり直すというかたちを取ったらしく、すっかり憔悴したりんちゃんママを家族で支えていくことになったらしかった。





 ……と思っていたんだけど。



 りんちゃんパパの不倫は終わっていなかった。


 まだ関係が続いていたと知ったりんちゃんママは、また自殺を図った。


 そしてりんちゃんママは、帰らぬ人になってしまった。



─────────────────────



 不倫が明らかになった時点で、りんちゃんのお兄ちゃんは父親に激しい嫌悪感を持ったらしい。


 窓を閉めていても怒鳴り合う声が聞こえてきていた。



 そしてりんちゃんママが亡くなった後、お兄ちゃんは家を出ていった。


 もうこんな家には住めない、と判断したようだった。



 私はりんちゃんはどうするんだろう?と疑問に思っていた。


 もうりんちゃんも大学生だったし、家を出ようと思えば出られる。


 でも相変わらず、りんちゃんは家に住み続けていた。



 ……そしてその後、近所をざわつかせることが起きた。


 りんちゃんちに見慣れない女性が出入りし始めたのだ。



 その女性はりんちゃんの家に頻繁に出入りし、買い物袋を下げて家に入ったり、洗濯物を干してるのをうちのママが見たりしていた。


 ……明らかにその女性は、りんちゃんパパの不倫相手だった。


 自分達の不倫のせいで人が亡くなったのに、関係を続けた挙げ句、その自殺現場で住み続けられると言う感覚が私には理解できなかった。


 そして更に理解できなかったのは……



 りんちゃんもその家に住み続けているということだった。



─────────────────────



 りんちゃんとは顔を合わせても相変わらず変化は見られなかった。


 りんちゃんが何を考えてるのかは分からない。


 けど、うちのママがある時ボソッと言っていた。



「この間、凛ちゃんがあの女性と仲良さそうに買い物してるの見かけたのよね。……久しぶりに凛ちゃんが笑ってるのを見たわ」





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