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ロックンロールレジスタンス 2069  作者: 浜乃海人


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第8話 二人の絆

「あら、寝ちまったかい。

かわいそうに、泣き疲れたのかね。」


ビッグパティは、ベッドに横たわるミクに抱きつき寝息を立て始めたムクを、優しく抱き上げミクの横に寝かせた。


そして、二人の頬に軽くキスをしてつぶやいた。


「全くこの子、少しだけ無理して笑ってるよ。

あいつが、笑って待ってろって言ったからか。


私にも娘がいたらこんな感じだったのかね。

こんな時代じゃなけりゃ、楽しいことがたくさんあったろうに。


ムクは、本当にミク姉ちゃんが好き、大切なんだね。

あいつ、私にこの子達にロックを教えてくれとか言ってたけど。

ロックとは愛することさ。

二人とも、もうとっくにそんなこと分かってるよ。」



4人を乗せたグレーの商用車は、本部に向かってひた走っていた。


「それで、どうしてA6939があんたの所にいるんだ。」

「それは、、簡単に言うと、ファームから逃げてる所を俺達が助けたんだ。」

「それで、そもそもどういう状況で逃げ出したんだ。

あそこは、警備システムは極めて厳重な筈だが。」


「それ聞くの忘れてたわ。」

「確かに、兄貴それ聞いて無いっすね。」

「で、どうしてそういうことになったんだ。

トミー、それと、何でお前一緒に逃げてたんだ。」


若い男は、いつの間にか当たり前のようにトミーと呼ばれていた。


「すいません。

あれ、聞かれないな、とは思ってたんですが。」


「それで?」

「始まりは、P1169の出荷が決まったことからなんです。」

「出荷って、人間だろ。」


「そうです。

あそこは、人体パーツを培養して製造する医療パーツファーム、なんて言われてますが、そんな所じゃ全然無いんです。

普通の人間を生まれてすぐ母親から引き離し、薬物等を使って考える力を奪い人間らしさを排除し、ただ食べて寝る、それだけの人間を作る。

奴らの為の、交換用臓器製造施設です。

エリート連中への善意の提供者として育て、奴らの永遠の命とかの目的に使うために。


僕も最近になって知ったんです。

そこが、悪魔の施設だって。


そして、あの日、ファームの先輩二人が、P1169を明日出荷するって言ったんです。

それが、全ての始まりです。


ところが、予想外のことが起きたんです。

P1169とA6939は、極めてイレギュラーな存在でした。

人間とアンドロイド、相容れない筈の二人は、絶対に断ち切れない、強固な絆で結ばれていたんです。


そしてその時、僕は二人を何としても助けようって思ったんです。

二人を助けないと、僕も奴らと同じになってしまうって。」


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