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ロックンロールレジスタンス 2069  作者: 浜乃海人


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第3話 未来 ロックしつづけろ

アンドロイド製造工場では、完成間近の躯体が静かに並んでいた。

一人の男が、電子検査器具のようなものを片手に、一体ずつボディを開け何やらチェックしている。


「A6939、ロックなミク、、か。

お前に娘、未来の夢を託そう。」


男は作業グローブに隠していた何かを取り出すと、ボディの内部、外からは見えない場所に貼り付けた。

そして、ほんの一瞬だけ祈るように目を閉じた後、何事も無かったかのようにボディを閉じ、検査済と書かれたシールで優しく封印した。



全ての躯体の検査を終えた男は、白く無機質な休憩室で自動販売機の珈琲を飲んでいた。


「全く、自動販売機とはいえ、ひどいもんだ。

ガソリンで作ったような嫌な匂いと薬品の味しかしない。

あれから何もかもそうだ。

酷い世の中になったもんだ。」



男は、暮れ始めた窓の外を眺めながらあの日を思い出していた。



最愛の娘、未来の車椅子を押して行った薄暗いライブハウス。

汚い見かけによらず優しい男達が、未来を左の一番前に連れて行ってくれた。

そこは、未来の永遠のアイドル、革ジャンベースの定位置だ。



帰り道、未来が言った。


「お父さん、ほんとにほんとにありがとう。

ずっと耳がピーって言ってるよ。

頑張って生きてきて良かった。


あの人にこれもらった。

時々使うんだって。

未来の宝物。」


ベースの厚くて大きめの赤いピックには、汚い字で何か書いてあった。


ミク ロックしつづけろ



男は、窓から、梱包され出荷されるアンドロイド達を見つめながらつぶやいた。



「全く、スピーカーの真ん前って、、。

あいつら、どうかしてるぜ。

どこかで、元気でやっていてくれたらいいが。


A6939 、、、頼んだぜ。

未来 ロックしつづけろ!」









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