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苦い臭い
一羽の兎が見た夢のお話。最近、本当にろくなものを見ない。
友だちと空を飛んでいた。鈍色の空だった。
猛スピードを出しながら、時折友だちと手を繋いだりなんかして、全身に当たる風はとても気持ちが良かった。
街は自分たちの真下の遥か彼方で、まるで模型のように見える。
このままどこまでも飛んで行けるだろうと思った。それからどうやって帰路につくか、そんなことはもちろん考えもせず。ただ、夢中に空を飛んだ。
異変は唐突にやってきた。
「にがいにおい……」
下を見下ろすと、街が燃えていた。ところどころ黒い煙りが立ち上り、炎も見える。隣街で有名なお店のコックさんが、全身黒タイツの何かと激しく戦闘しているのが見えた。
「大変だよ! 僕たちの街でも戦っているかもしれない」
そのうち、空への攻撃も始まるかもしれない。すぐ帰らないといけない。けど、今から帰って間に合うだろうか。自分の家は、家族は無事だろうか。
「お母さん……」
不安に駆られながら、視界の隅に映る曇天を恨めしく感じた。
やっぱりファンタジー書くの苦手だ(泣)
※同人誌『うさぎの短編集』にも収録されています。
詳細は活動報告を読んでください。




