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52 スコット君とノルディカママ

ノルディカさんの驚きの報告。

ノルディカさんの豹変に驚く人たち。

そしてスコット君とノルディカママの戦いが始まる……

村長さん、顎が外れそうなほど驚いています。


ノルディカさんのご両親は、

「それは本当か!?」

と、喜びながらドカドカと部屋に入ってきました。


「あ!パパ!ママ!」

少女のような笑顔で両親に抱きつくノルディカさん。

ノルディカさんの豹変に、こちらも顎が外れそうな程に驚くタイヨー君やロキシー王女達面々。

タイヨー君は外れそうな顎から太陽フレアが出てきています。


「タイヨー様!口から!口から!」

ライア様絶叫。


『氷の棺』

ユキ様の魔法で、タイヨー君は氷に閉じ込められました。


ロキシー王女は翼が出現、全身が金色に輝き、回復魔法が暴走し始めました。


『氷の棺』

こちらもユキ様に氷に閉じ込められました。


ふたつの氷の棺を左右に置き、微笑むユキ様を見て、その場の全員が静かになりました。


「コホン。さて、ノルディカよ。詳しく説明してくれないか?」

村長さんが、落ち着いたフリをしてノルディカさんに聞きました。


ノルディカさんの両親も、落ち着いたフリをして聞いています。


ノルディカさんは、落ち着いたフリをして話し始めました。

「じつは私とスコット君は、ふたりでよく模擬戦を行っているのです。」


「え?王国最強と言われるノルディカ副騎士団長とかい?」

ノルディカさんのパパは、静かに驚きました。


「ええ。正直なところ木剣での勝負では、何とか私が勝てている状態なんですよ。」


「それは凄いな。」


「そして私は言ったのです。スコット君が私に勝ったら結婚しようと。」


「ノルディカは、昔から自分よりも強い男が現れなければ結婚しないって言っていたものね。」

ノルディカさんのママが笑いながら言います。


「もう!ママったら恥ずかしいです。でもその通りで、ドラゴン様達ならいざ知らず人間……しかも人族の少年にここまで剣で追いつかれるのは始めてでした。」


そこでスコット君が話しました。

「ちょっと待ってください。確かに僕の目標はノルディカさんに剣の腕で勝つことです。そして美しいノルディカさんの申し出はとても嬉しいのですが……僕はまだこんな子供です。まだまだ結婚なんて……」


「そうなのかい?ノルディカ。スコット君が子供のうちに負けちゃいそうかい?」


「どうでしょう。でも私もさらに強くなって、あと10年は負けたくありませんわ。」


「10年なんてあっという間だねぇ。そんなにすごいんだね、スコット君は。」

そう微笑むノルディカさんのパパ。

長寿のエルフにとっては10年は大したことのない年月のようです。


「私もその腕前を見せてもらいたいわ。」

何やら不穏な事を言い出すノルディカさんのママ。


「それは良いわ。さっそく相手をしてあげて。」

そう言ってスコット君を小脇に抱え、ノルディカさんとノルディカさんのママは外に出ていきました。


「ちょ、ちょっと待って!待ってください!ちょっとー………」

スコット君の叫びが小さくなっていきます。


「ヤレヤレ。相変わらずだね。君のところの母娘は。」


「まったくです。お恥ずかしい。」

笑い合う村長さんとノルディカさんのパパ。


「相変わらずだなぁ〜」

と言って懐かしむフリッチさん。


「では我々も見にいきますか。」

ゲイル様が立ち上がると皆も立ち上がり、外に向かいます。

ふたつの氷の棺はユキ様が両肩に抱えました。

「さすが白氷竜様……」

村長さんが呟いていました。


外に出て氷の棺を解除するユキ様。


「ノルディカさんがパパって!?」

「ノルディカさんがママって!?」

動き出したタイヨー君とロキシー王女は、一瞬アタフタしたあと、周りが外だと気が付きました。


「いったい何が……」


スパーン!スパーン!


ふたりの頭にライア様のハリセン炸裂。


「おふたりとも驚き過ぎです。それよりも今からノルディカさんのママとスコット君が模擬戦を行いますよ。」


見ると、広場の中央にノルディカママとスコット君が、木剣を持って対峙しています。

真ん中にいるゲイル様が、ふたりに確認を取ります。


「これは模擬戦である事をお忘れなく。補助魔法と防御魔法は認めますが攻撃魔法は駄目です。わかってますね、スコット君。森で火を使えば火事になりますからね。」


「なるほどね。君は火も自在に使えるのね。これは楽しみだわ。」


スコット君は思いました。

あぁ……この人はすごく若く見えるけど、ノルディカさんのお母さんなんだな……と。

とても獰猛な笑みを浮かべています。

気を引き締めよう……


(うん。私を見ても恐れない集中したいい顔だね。ノルディカが惚れるのもわかるわ。)

ノルディカママも気を引き締めました。


「それでは……始め!」


ふたりは一瞬で間合いを詰めます。

そこから激しい打ち合い。

一瞬で距離をとったスコット君は、今度は横から攻め入ります。

そこにノルディカママの隙がありました。


疾風の如き突き……

を繰り出す寸前に、スコット君は転んでしまいました。

見ると、足元には複数の草のツルの輪が。

ノルディカママは精霊魔法で草のツルを使い、罠を張っていたようです。

転んだスコット君の首に木剣をつけるノルディカママ。


「私の勝ちですね。」


「もう一度お願いします!」


「いいね、君。かかっておいで。」


それから何度も行われる模擬戦。

それは、スコット君が動けなくなるまで続きました。


「うん。凄いね、あの少年は。あの戦姫とあそこまで戦えるなんて。」

ノルディカパパが感心してます。


「でしょ?パパ。私の目は確かでしょ?」


「うん。さすがパパとママの子だ。」




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