50 感動の再会は笑顔で
エルフの村に到着した面々。
村に来た者達も村に迎える者達も興味津々。
そして感動の再会……
皆が各々にエルフの村を見て思いを馳せていると、エルフの村長さんがやってきました。
「久しぶりだな、ノルディカ。元気にしていたかな?」
「……村長。何か……さらに若返ったか?」
「なに、気のせいだろ。もっとも森の活性化の影響を受け続けているのは確かじゃがな。」
そう言って笑う村長さん。
世界樹の影響は健在のようです。
「精霊様様、ようこそいらっしゃいました。タイヨー君も久しぶりだね。」
そう言った村長さんが、ライア様とタイヨー君に小声で聞きます。
「タイヨー君の秘密はノルディカは知ってるのですか?」
そうです。
以前この場所を伺った時に、タイヨー君の存在はできるだけ秘密にしてもらうようお願いしたのでした。
「ああ……そうだな。またあとで追々詳しく話すつもりだが……以前あった、空を埋め尽くすような流星群の事は知っているかな?」
「もちろんですとも。あの時はこの世の終わりを感じ、皆で最後を共にしようと天に祈りを捧げました。まさか……タイヨー君が何とかしてくれていたのか?」
「まぁそうなのだが……今回一緒に来た者たちには、その時に尽力してくれた者たちがいる。是非紹介したいので皆を集めてもらえるだろうか。」
ライア様の言葉に一同を見回し、驚愕の表情になった村長。
主にユニコーンに跨がる少女に。
「何やらとんでもない方々のようですね。わかりました。すぐに皆を集めましょう。」
そう言って皆を村の中に案内し、門番の若者に村人達を広場に集めるよう指示を出しました。
村の中に入った皆は、目新しい村の風景に目を奪われていました。
逆に、エルフの村人達も珍しい来客に興味津々です。
「ライア様が人族の客人を連れてくるとは言っていたが……」
「タイヨー君と親しげに話をしているあの少女は何者だ?」
「ああ、ユニコーンに騎乗しているのにも驚きだが……人間なのか?」
「ああ、それだ。見ているだけで活力がみなぎると言うか……」
「あとの人も……人間に見えるのだが……」
「お、おい、あの子供と一緒にいるのはフラッチじゃないか?」
「え?あの十数年前に村を出ていったあのフラッチか!?」
フラッチさんが村人に手を振りました。
「おお!フラッチだ!久しぶり!」
「誰かスーリーさんとフェノムさんを呼んでこい!」
フラッチさんに気が付いた村人達が一気に騒がしくなりました。
そして広場に集まったタイヨー君達と村人達。
珍しい来訪者に、興味を示す者もいれば嫌悪感を見せる者もいます。
しかし精霊様のお連れ様と言うことで敵意などを見せる者はいません。
何よりユニコーンに乗った少女が気になります。
人が集まったところでゲイル様が皆に顔が見えるように土魔法で、ちょっとしたステージを作りました。
その上にライア様が立ちました。
「今日は訪問の受け入れを感謝する。まずは紹介したいと思う。最初は皆も気になっているだろう御方、ロキシー様だ。」
ユニコーンから降りたロキシー王女は、ステージの上に立つと挨拶を始めました。
「始めまして、皆様。私はバートン王国第2王女ロキシーです。そして……」
ロキシー王女が金色の光を帯びました。
そして背には、白い翼を出現させました。
エルフ達は息を呑みます
。
「生命神ロキシーです。」
ロキシーは白い翼を大きく広げました。
閉じた目を開くと金色に輝いています。
そして浮かび上がりました。
「あ、あれば、隕石から王都を守ったと言う女神様……」
「ああ……なんという癒しの力……」
「まさしく女神だ……」
エルフ達は手を合わせ、ロキシーに頭を下げます。
「皆様、顔を上げてください。私は生命神ですが、普段はロキシー王女として生活しています。出来れば皆さんもそのように接していただければ何よりです。」
そう言うと、ロキシー王女は元の少女の姿に戻りました。
「わかりました!女神様……いや、ロキシー王女!」
エルフ達の言葉にロキシー王女は、
「ありがとうございます。」
と笑顔で答えました。
「そして私の隣にいるのは弟になります。」
そう言って紹介されたのはアトミック王子。
「皆様始めまして。私はバートン王国第1王子アトミックと言います。よろしくお願いします。こちらはこの村の出身者であるフリッチさんです。」
「何だか高い所から照れるねぇ。皆さん、お久しぶりです。フリッチです。」
「……フリッチなのか?」
ステージの下にいる、若い女性に支えられた年老いたひとりの男性が呟きました。
「……お久しぶりです。お父さん。」
フリッチさんから、いつもの豪快な肝っ玉母さんの雰囲気が消え、涙をポロポロ零しながら、お父さんと呼ぶ男性のもとに向かいました。
「ごめんなさい、お父さん、お母さん、何年も顔を見せずに……」
「いいのよ、フリッチ……元気そうで何よりです。」
「私の生きているうちに顔を見せてくれただけで嬉しいよ。」
「お父さん!お母さん!」
3人は抱き合い涙を流しました。
エルフ達も、その光景を見て涙ぐみながら祝福しました。
「3人とも泣いちゃダメ!」
そこに割って入ったのはフラックスちゃん。
「そうです。せっかくの再会は笑顔が良いです。」
スコット君もやってきました。
「君達は?」
年老いた男性が少年に聞きます。
「始めまして。僕はフリッチの長男、スコットです。」
「はーい!私は娘のフラックスです!」
ふたりの子供を見て、男性と若い女性は目を丸くして驚き、そして笑顔になりました。
「そうか、そうか、私は君たちのおじいちゃんのスーリーだよ。」
「そうなのね。私はあなた達のおばあちゃんのフェノムよ。」
「おばあちゃん、わかーい!美人!かわいい!」
ニコニコ叫ぶフラックスちゃんを見て、
「まぁまぁなんてかわいい孫かしら。よろしくね、スコット君にフラックスちゃん。」
さて。
感動の次に出番を待つのはジロさんです。
さあ!がんばれ!




