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38 課外授業を終えて

「どちらが本物の薬草ですか!?」

タイヨー君とロキシー王女は回答を求めます。

でもこの課外授業の目的は正解以外にもあるようで……

「どちらが本物の薬草ですか!?」


タイヨー君とロキシー王女に迫られるスワニーさんとスーリーさん。

ふたりはその薬草を見ると、顔を見合わせて申し訳なさそうな表情をして言いました。

「まことに申し上げにくいのですが、両方とも薬草ではありません。」


スワニーさんのジャッジに愕然とするタイヨー君とロキシー王女。

「な!なんですと!」


スワニーさんが説明してくれます。

「タイヨーさんの持つそれは毒草ですね。罠や毒矢などに使われます。ロキシー王女の持つそれは痺れ草ですね。やはり用途は同じです。」


タイヨー君とロキシー王女はへたり込みました。

「そんなぁ〜」


そんなふたりを見て、スワニーさんとスーリーさんは笑いながら、

「見分けるのは難しいですよね。でも私達はパーティですよ。薬草の見分け方をお教えいたしますね。」

と言ってくれました。


「本当に!ありがとう!」

タイヨー君とロキシー王女は手を取り合って喜びました。


そして始まるスワニーさんの授業。

「じつは薬草と毒草と痺れ草は同じ植物なんですよ。」


「え!?」

驚くタイヨー君。


「授業で先生が言ってましたね。」

と頷くロキシー王女。


「さすがロキシー王女、よく覚えてましたね。この植物は、その生息している場所の環境によって、その効能が変わってきます。土壌と水による影響が大きいようですね。そして効能だけでなく、見た目にも違いがあります。」

そう言って、スワニーさんは3種類の草を並べて違いを説明しました。


スワニーさんの説明はとても解り易く、並べてみれば違いがはっきりと分かります。

葉や茎の色が違うのです。

薬草は鮮やかな緑色をしているのです。


「なるほど、よくわかりました。でも単独で生えている物を見分けるには経験が要りそうですわ。」

ロキシー王女は薬草を眺めながら言いました。


「そうですね。こればかりは経験が必要ですね。簡単な採取の課題のようで、じつはなかなか難しいですよ。」

そう言って笑うスーリーさん。


「ありがとう。本当に勉強になったよ。」

笑顔のタイヨー君。


「……本当に分かりましたか?タイヨー君。」

疑うロキシー王女。


「ごめんなさい。経験を積みます。」

謝るタイヨー君をみて、皆で笑い合いました。


「じゃあ、集合場所に戻りましょう。」

4人の即席パーティーは先生の待つ集合場所に帰りました。




無事に集合場所に戻ったタイヨー君たち。

既に多くの生徒が戻ってきていました。


「みんな見つけるのが早いね。」

感心するタイヨー君。


「ただし、ちゃんと指定した品を集めてきたものは半数くらいですよ。」

そう話すのは担任のキャピタ先生。


先生はタイヨー君たちが持ってきた素材を確認しました。

「うん、4人とも正解です。無事依頼は達成です。とはいえ、今回の課外授業の目的は、正解を持ってくる事だけではないんですけどね。」


「え?そうなんですか?」

驚くタイヨー君をみて先生は微笑みながら、

「話の続きは教室に戻ってからにしましょう。」

と言いました。


ちょうどその時に最後の生徒が帰ってきました。

それは先程スワニーさん達を脅していた三人組でした。

「先生、持ってきました。」


「どれどれ……ん~残念ながらこれは薬草ではありませんね。」


「そんなぁ~」


「まぁ心配なさらずに。ちゃんと両方持ってこれたのは半数ほどでしたから。」

そう言うと先生は指示を出しました。

「これで全員揃いました。では学校に帰りましょう。」




学校に着くと一同は教室に戻りました。

全員が席に着いたのを確認すると、キャピタ先生は話し始めました。

「皆さん、今日はお疲れさまでした。今回の課外授業の目的は依頼の品を採取してくることです。正しく採取できた者は半数ほどでした。」


それを聞いて喜ぶ生徒と悔しがる生徒。


「とはいえ今回の課題は、じつは生徒のあなた達には意外と難易度が高いものだったのですよ。」


驚く生徒達。


それを見てキャピタ先生は話し始めました。

「それはそうです。ちょっと勉強しただけで誰でも採取できるのなら、誰も仕事として依頼しません。今回の薬草の場合は、よく似た毒草や痺れ草とちゃんと見分ける事が出来なくてはなりません。角兎の場合は、弓や罠などの狩猟の経験が無いと難しいものです。どちらもそれなりの経験が必要だという事です。単独で集めた人は既にハンターの経験がある方たちでしょう。しかし経験者でも得意な仕事、不得意な仕事があります。そしてそれを補うのがパーティーです。自分の得意な事と苦手な事を正しく理解し、依頼に沿ったパーティーを組むことも必要だという事を理解してください。そして苦手な事は経験し、学んでいきましょう。ここは学校なのですからね。」




授業が終わった後、タイヨー君達はスワニーさんとスーリーさんに話しかけました。


「今日はありがとう。戦力の増強だけがパーティーの目的でないことがよくわかったよ。」

「本当ですね。知識と経験を持ち合うことも必要なんですね。」


そこに課外授業中に脅してきた三人組がやってきました。

そして彼らはスワニーさん達に謝罪しました。

「昼間は申し訳ないことをした。すまなかった。自分たちの苦手な薬草採取の課題に焦ってしまったんだ。」


「いや、こちらも同じだよ。私達は狩りが苦手だから初めから手を取り合えば良かったんだ。」


「そうだな。また機会があったら今度は協力して取り組もう。」


そしてスワニーさん達と三人組は握手をしました。


「良い光景ですね。」

ロキシー王女が言います。


「そうだね。手を取り合うことは良い事だね。」

タイヨー君もロキシーに答えました。


その光景を離れたところから見ていたキャピタ先生は、満足そうに微笑みました。




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