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29 休日の終わりに

楽しかった休日も終わり皆で帰宅です。

成長あり波乱あり……

話を聞く普通の人のジロさんは驚くばかりです。

なんだかんだで楽しくも得るものが多かった休日も終わりです。


「では帰りますか。」

そう言ってライア様は『木の扉』を、まずは王城に開きました。


「紅炎殿、今日はありがとうございました。喉につかえていたものが取れた気分です。」

ノルディカさんは紅炎様に、サソリの魔獣を倒せた御礼を述べました。


「いえいえ。力になれて良かったですぞ。」


「スコット君、今日は申し訳なかった。でもまたの戦いを楽しみにしているよ。今度は剣技での戦いだ。いつか私に勝利しプロポーズしてくれる事を楽しみにしているよ。」


そう言ってウインクするノルディカさんに、スコット君は顔を赤くしながらも、

「僕もまだまだ実力が足りない事が分かりました。是非また相手をしてください。プロポーズは大人になるまで……」

そう言って更に顔を赤くしました。


「じゃあね、スコット。今度はフラックスちゃんを賭けて勝負だ。じゃあ明日また学校でね。」


アトミック王子の敵なのか友達なのか分からない挨拶にスコット君も、

「フラックスを簡単には渡さないぞ。じゃあまた明日ね。」

と同じような事を言って別れました。


再びライア様は『木の扉』を、今度は王都の家に開きました。


「おかえり。」

笑顔で迎えるのはジロさんとフリッチさん。


「夕ご飯は出来てるよ。」

とてもいい匂いが漂っています。


「でもあんた達汚れてるねぇ。これは先にお風呂だね。」


お風呂でさっぱりした後は夕食です。

「いただきます。」


スコット君は食事をしながら今日あった事を話しました。

「今日はユキ先生に教えてもらって炎の剣が上達したよ。褒めてもらえたよ。」


「それは凄いね……いやほんとに凄いね。」

ジロさん驚いています。


「そしたらその様子をみたノルディカさんが戦ってみようって言うから戦ったんだけど、思いっきり負けちゃったよ。」


「ははは、さすがはノルディカさんだね。スコットが強くなったと言っても、やはり上には上がいるんだね。」

ジロさん。ちょっとホッとしてます。


「ほんとだよ。ノルディカさんはやっぱり強かったよ。でもね、ノルディカさんも僕を褒めてくれたんだよ。それでいつか僕が勝つことが出来たら結婚しようって言われちゃったよ。」


「ゲホゲホ!」


「大丈夫かい、あんた。」

むせるジロさんに水を差し出すフリッチさん。


「ノルディカさんと結婚!?スコットが!?」


「お父さん、僕はまだ子供だよ。」


スコット君に当たり前のことを言われるジロさん。


「でも、いつかあなたを乗り越えてみせますって約束したんだ!」

そう言ってスコット君は拳を握りしめます。


フリッチさんは、

「いいじゃないか。ノルディカさんとても綺麗な女性じゃないか。私は応援するよ。」

と言い出しました。


ジロさんは思わず、

「いや、そうだけどいくら何でも歳が離れすぎていないかい?」

と言いますが、フリッチさんは、

「何を言ってるんだい、あんた。エルフは長寿で若い姿の時期がとても長いんだよ。私の母も見た目はかなり若いよ。スコットが大人になってもノルディカさんは今の姿と何も変わらないよ。」

と、当たり前のように言いました。


「そうなのかい?」


「ああ、そうだよ。そうだねぇ……子供達も成長したし、学校が長い休みの時に久しぶりにエルフの森に里帰りしてみようかい。どうですか?ライア様?」


「そうですね。人族がエルフの村に近づかけないよう魔法をかけてはいますが、ジロさん達なら問題ありませんわ。どうせならノルディカさんも誘ってみるのもいいかもしれませんね。」


忘れているかもしれませんが、ライア様は森の管理者です。

森に害意ある者の侵入を許しません。

人族にとっては恐れ敬う存在なのです。


「おじいちゃんとおばあちゃんに会ってみたい!」

大喜びのスコット君とフラックスちゃん。


対して顔面蒼白の、普通の人代表ジロさん。

「人族を寄せ付けないエルフの村……」


「大丈夫ですよ、ジロさん。僕は何度か行ってますし皆良い人たちですよ。」

そう言うのはタイヨー君。


「私も是非行ってみたいですわ。」

そう言うのはロキシー王女。


「じゃあ私はフィアンセを連れて行く!」

そう言うのはフラックスちゃん。


「ふぃあんせ??」

ポカンとするジロさん。


「うん。私ね、アトミックお兄ちゃんに『お嫁さんになって』って言われたの。でもね、スコットお兄ちゃんは『フラックスが欲しければ僕を倒してみろ!』って言ったんだよ。私をめぐってお兄ちゃん達はいつか決闘するの。」

そう言うフラックスちゃんの目は恋するお姫様。


それを聞いて卒倒しそうになるジロさん。


「スコット、それは本当かい?」

肝っ玉母ちゃんのフリッチさんも、さすがにこれには驚きました。


スコット君は、

「アトミックはすぐに悪ノリするんだよ。」

と、笑いながらちょっと困ったように言います。


「弟がすみません。ちゃんと叱っておいたので。」

と言うのはロキシー王女。


「やだねぇ驚いちゃったよ。」

と笑うフリッチさん。


「でもアトミックがフラックスを大好きなのは本当だよ。もちろん僕も。なんたって僕達は信頼できる仲間だからね。」


「そうだよ。私もお兄ちゃん達が大好き!」


ニコニコの子供達を見て、顔が引きつるジロさんでした。


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