02 学校について教えてもらう
成長著しい我が子に溜息のジロさん。
そこに現れたのは二人の神さま。
神さまは子供達の進学について話を聞きます。
たくましく成長する我が子達、スコット君とフラックスちゃん。
その闘い……遊ぶ様子を眺めていると、神話の世界の大本命、タイヨー君とロキシー王女がやってきました。
「久しぶりだね、タイヨー君。東の森の村は順調かい?」
「お久しぶりです、ジロさん。畑の収穫も順調、以前は生きる屍のようだった村人達も、とっても元気に生活していますよ。きっとロキシーの作った森の恩恵だろうね。」
「そんな事ないです。ちゃんとした食事と働く生きがいを得たからだと思いますよ。」
この二人。
何気なく普通に話していますが、ロキシー王女の治療の際にジロさんは真実を知ってしまいました。
創造神のタイヨー君
生命神のロキシー王女
そうなのです。
このお二人、神さまなのです。
本当に、この神さまの拠点はとんでもないところなんです。
そんな事を考えているとロキシー王女が聞いてきました。
「スコット君は何時から学校に行くのですか?」
「学校ってなに?」
タイヨー君は知らないようです。
このバートン王国の子供達は、10歳になる春に事情がない限り、ほとんどの子供が学校に通い始めます。
10歳から12歳までの3年間は文字の読み書きや計算、地理や歴史等の一般的な教養を基礎科で習得。
地方の農家や家業を継ぐものなどは、大体がこの3年間の学習を受け卒業します。
更に専門知識を習得したいものは、それぞれ自分の目指す職業に向けて専門科を受講します。
こちらは基礎科を受けた後、そのまま勉強を続ける者や、転職して今までと違う道に挑む者など、13歳以上なら年齢はまばらです。
そして卒業後は騎士団、王城努め、医師、商人等を目指します。
スコット君は行商人を継ぐと言ってるようですが、フラックスちゃんはどうするのでしょうか?
「なるほど、同じ年頃の子供達が集まって勉強するんだね。でも、ふたりともあれだけの実力だからね〜あの人が既に目をつけているんじゃないかなぁ〜」
「あの人?と言うと?」
「ノルディカ副騎士団長。」
ノルディカ副騎士団長
バートン王国で最強の騎士と言われている、とても美しいエルフの女性。
そう言えば以前この拠点で模擬戦風景を見ていたような……
「後継者候補に誘われるかもよ〜」
「いやいや、それは無いでしょ。行商人の子供が騎士団なんて。」
「そうなの?」
「うん。騎士団所属の騎士は多くが騎士の家系出身者のようだよ。あ、でもノルディカさんは違うようだね。」
「ジロさんの希望はどうなの?」
「う〜ん……まだ幼いからイメージ出来ないなぁ。一般教養の課程が終わる頃には本人達にも目標が出来ているかもしれないし、まずは本人達の希望通りにさせるつもりだよ。」
そう言ってジロさんは子供達を温かい目で見るのでした。
スコット君は今8歳。
2年後には学校に行く事になります。
「ん?ところで学校ってどこにあるの?」
「基礎教育の場ならそこそこ大きな街になら大体あるよ。専門科まで進むなら王都の学校かな。王都の学校は基礎科から各種専門科まで揃っているからね。」
「良いなぁ〜僕も行ってみたいな。」
「タイヨー君は見た目が15歳位に見えるから、行くとすれば王都の専門科かな?でも基礎知識に不安要素が……」
ジロさんが笑いながら言います。
「酷い!僕もここに来てからはライアやディーネに教えてもらいましたよ。」
そうなのです。
ふたりは博識なのでタイヨー君に基礎的な学習を行ってきたのでした。
何しろタイヨー君は常識知らずですから。
「ちなみにロキシーは学校はどうしていたの?」
「私ですか?私も王都の学校に通っていましたよ。13歳からは内政科と貴族科を受けていましたわ。」
さすが王女様です。
「でもタイヨー君が学校に行くのなら私も、もう一度学校に行きます。」
「え?なんで?」
「タイヨー君をひとりで学校になど行かせません!周囲の女の子達が群がってきます。私が守ってみせますわ!」
意気込むロキシー王女を、ジロさんは生暖かい目で見てます。
「それにタイヨー君がこれからも行商人として世界を巡るのでしたら、私も商業科を勉強しておきたいですわ。」
それにはジロさんも同意見のようです。
「そうだね。商業科は商店経営や行商の他にも、商業組合やハンターを目指す者もいるからね。取引の勉強の為にも受けておくのは良いことだね。実際、僕も商業科を卒業しているよ。」
「そうなんですね。ところでハンターって狩人とかですか?彼らも商業科を勉強するの?」
「小型の動物を食肉として食べたり売ったりするのが狩人。大型の魔獣を倒し、素材を取って商業組合に売るのがハンターかな?呼び名に明確な決まりは無いけどね。素材を取るには専門的な知識が必要なんだよ。何が必要か?値段の相場は?毒への対策は?とかね。適当に魔獣を倒して素材を傷めたら意味ないからね。」
「なるほどね。そうしたらスコット君が学校に行く時に僕も一緒に行こうかな。その頃には森の村も落ち着いているだろうし。」
「ははは、まだ先の話だね。」




