17 初登校
無事に合格できたタイヨー君とロキシー王女。
スコット君を含め仲良く登校です。
しかしスコット君の教室は波乱の予感です。
1週間後、ロキシー王女とタイヨー君は試験結果を確認に行きました。
結果は無事合格。
タイヨー君だけ不合格などと言う悲劇にならなくて良かったです。
そして数日後、いよいよ入学の日です。
学校まではそれ程遠くないので、ロキシー王女とタイヨー君、そしてスコット君は歩いて学校に向かいました。
「タイヨー兄さん、学校楽しみですね。」
「ほんとだよね。どんな事をやるのかな~」
呑気な会話をしていると学校が見えてきました。
そして学校に入っていく豪華な馬車も。
「あれは王家の馬車ですね。」
と言うロキシー王女。
「と言うことはアトミック君かな?」
タイヨー君がそう言うと、
「タイヨー兄さん、駄目ですよ。皆が見ている前ではアトミック王子って言わないと。」
と、スコット君に指摘されました。
「あはは。そうだね、気を付けないとね。」
スコット君には頭が上がりません。
学校内に入ると、馬車を遠巻きに囲むように学生や教師が集まっていました。
そして馬車の扉が開き、アトミック王子がにこやかに手を振りながら馬車を降りてきました。
「さすが王子さまだね〜所作が綺麗だよ。」
「うん。さすがアトミック!たくさんの人の前でも緊張してないよ。凄いなぁ!」
「あれ?呼び捨て?」
「僕は親友だから良いんです。」
「生まれた時から人前に立つのが当たり前に育ちますからね。慣れですよ。」
3人は遠巻きに紛れながら話していると、アトミック王子はこちらに気がついたようで、微笑みながら小さく手を振りました。
直接声をかけてロキシー王女が皆に気が付かれ、騒ぎが大きくなるのを避けたのでしょう。
本当に出来た子です。
アトミック王子は人混みと共に基礎科の校舎の方に向かっていきます。
「では僕もここで。」
「うん、頑張ってね。」
「タイヨー兄さんは頑張り過ぎて学校を壊さないようにして下さいね。」
「ははは……手厳しいなぁ。」
「スコット君、いってらっしゃい。」
「ロキシー姉さん、行ってきます。」
スコット君も人混みに紛れて校舎に向かいました。
「さて、僕達も商業科の校舎に向かおうか。」
「そうですね。」
こうして、それぞれの校舎に分かれていきました。
スコット君は、人集りの後を追うようなかたちで基礎科の校舎に入りました。
教室は1組から10組までありました。
教室の入り口に名簿が貼られています。
クラス名簿なのでしょう。
30人くらいの名前が書かれています。
(10組もあるなら余程の事が無いとアトミックとは同じクラスにならないだろうなぁ〜)
などとボンヤリ考えながら自分の名前を探していると、
「おーい!スコット!こっちだよ!」
と、アトミック王子の声が1組から聞こえてきました。
スコット君は呼ばれるままに教室に向かい名簿を確認すると、アトミック王子とスコット君の名前が並んでいました。
「偶然にも同じクラスだったな。良かったよ。」
とニッコリ微笑むアトミック王子。
「そうだね。」
と答えながら、
(余程の事があったんだろうなぁ)
と、スミス王の顔を思い浮かべて頬を緩ませました。
「と言うわけで3年間よろしく頼むよ。」
「そうだね。よろしくね。」
そう言ってハイタッチをする2人。
その様子を妬ましく見ている取り巻きたち。
「なんだ?お前は王子に対して失礼な態度を!」
「まったくですわ。見たことない顔ですし庶民でしょう。」
「王子、こんな奴と仲良くしてはいけませんよ。つけ上がります。」
(散々な言われようだなぁ〜)
と思いつつも、まぁ予想通りかなと、スコット君。
「あぁ、これは失礼しました。アトミック王子とは幼馴染なんですよ。僕はスコットと言います。よろしくね。」
やんわりと挨拶して微笑むスコット君。
その笑顔に頬を赤らめる女子達。
「そういう事だ。スコットとは幼馴染で親友なんだよ。皆も仲良くしてくれると嬉しいよ。」
そう言って肩を組んでくるアトミック王子。
「アトミック王子がそう言うなら……」
取り巻き達は渋々納得したようです。
納得の様子に男女で大きく差があったようですが。
「これから大変そうだな。」
と、笑うアトミック王子。
「まぁ予想通りの展開だよ。」
と、笑いながら返すスコット君。
「皆さん。席に着くように。」
どうやら担任の先生が来たようです。
生徒達は皆、慌てて席に着きました。
「賑やかで元気があるのは良いことですが、ここは学びの場です。静かにするべき時は気持ちを落ち着かせて、静かに席に着くように。」
入ってきた先生はとても美しい女性でした。
男子生徒達は頬を赤らめました。
女子生徒達は憧れの眼差しです。
「はい!」
と元気に答える生徒たち。
椅子からズレ落ちているアトミック王子とスコット君。
「そこのふたり。どうかしましたか。もう学校は始まっています。落ち着いて席に着いてください。」
「……わかりました。」
返事をするふたり。
先生は黒板に名前を書くと、自己紹介をしました。
「私がこのクラスを受け持つことになりました担任のユキと言います。よろしくお願いしますね。」
スコット君、予想外の事が起こりました。




