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11 魔法の修練

よく遊びに来るようになったアトミック王子。

先生が豊富な環境で魔法を勉強しています。

今日は森で実技も行うようです。

タイヨー君達が王都の家に越してきてからと言うもの、毎日のようにアトミック王子が遊びに来るようになりました。

もちろんノルディカさんも護衛として一緒に来ています。


今日も子供達3人は魔法を使って遊んでいます。

アトミック王子も、この世界の住人です。

火魔法と水魔法ぐらいは使えるのです。


最初はコップに水を貯える程度の魔法でしたが、ここには魔法の先生がたくさんいます。

今では水球を飛ばす程度の攻撃魔法が使えるようになりました。


「良いですね。水球にスピードも威力も出てきました。」

水魔法の先生はウンディーネのディーネ様。


「ありがとうございます!」


「子供のうちから積極的に魔法を使うと、潜在的な魔力量が格段に増えます。日々の鍛錬が大事ですのよ。」


「はい!わかりました!」

アトミック王子自身にも魔力が強くなってきていることが自覚できているのでしょう。

魔法がとても楽しいようです。


するとライアが声を掛けてきました。

「ディーネ、どうでしょう。そろそろ森で次の段階に進んでみては?」


「そうですね。学校が始まる前に魔獣相手に実戦も行ってみましょうか。ノルディカさん、いかがでしょう。」


ノルディカさんも賛成なようです。

「そうですね。私もいますし問題はないでしょう。森へはどうやって行きますか?」


「もちろん『木の扉』ですわ。」

ライアがすぐに扉を出現させました。


今回の参加者は、子供達三人にライア様、ディーネ様、ゲイル様、紅炎様、ノルディカさんです。


気配が強すぎるのに、それを隠すことが下手な神さま二人と、気配を隠す気のないユキ様が森に行くと、魔獣は隠れて出てこなくなってしまうのです。


子供達の訓練には邪魔なだけの存在なので、三人はロキシー王女の案内で王都観光です。


森に到着した御一行様。

少し開けた場所でアトミック王子とディーネ様が訓練を始めました。


「ではまずは水球を木にめがけて放ってください。もう木を倒すくらいの勢いでお願いします。」


「わかりました。いけ!『水球』!」

すると、サッカーボールくらいの大きさの水球が、勢いよく飛んでいき木に命中しました。

木は大きく揺れましたが、倒れるまでには至りませんでした。


「大きな水球の攻撃はそれなりに威力はありますが、大きな魔獣には効果がありません。」

ディーネが説明します。


「そこでより攻撃力を高めるために水の出口を細くするイメージで、細くて勢いのある水流をぶつけるのです。やってみますね。『水流』」

ディーネの指先からとても細く、とても高速の水流が飛んでいきました。

それは正確に木に当たると、一瞬で穴を開け貫通してしまいました。


「そしてこの水流は、こんなこともできるのです。『水の刃』」

今度は指先を水平に、空を切り裂くように動かします。

すると水の刃が飛んでいき木を切り倒しました。


「ディーネ先生!凄いです!」

驚き、歓声を上げるアトミック王子。


「魔法はイメージすることが重要です。そして水は変幻自在。自分のイメージする形で具現化することが出来るのですよ。」

そう言ってディーネは微笑みました。


「わかりました!やってみます!」

アトミック王子は元気に答えます。

そしてイメージしました。


「さっきは水の球をイメージして水球を出した。今度は水の刃だ。水で作る……そう、ブーメランのような水の刃だ。行け!『水の刃』」

アトミック王子が腕を水平に勢い良く動かしました。

そこからブーメランの形をした水の刃が飛んでいきました。

その水の刃は弧を描きながら三本の木をスパッと切り倒しました。


「凄いわ!やはり子供は森の魔力を吸収しやすいのね。そして特にアトミック王子は柔軟な発想力をお持ちのようですわね。イメージを具現化する能力に長けてますわ。」

ディーネが喜び褒め称えます。


アトミック王子は照れながらも、

「いえ、ディーネ先生の説明がとても解り易かったのです。」

と答えました。


するとゲイルが、

「ではそろそろ実戦を経験してみましょうか。」

と言いました。


「そうですね。これだけの護衛がそろっている環境です。経験を積むのにはちょうどいいでしょう。」

ディーネ様も賛成しました。


「スコット君とフラックスちゃんにもいい経験になりますね。何気にふたりともまだ魔獣と戦ったことがありませんからね。」


「ドラゴンとは戦っていますが。」

紅炎が笑いながら言いました。


「では早速作戦を立てましょうか。」



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