↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】男女比が壊れた世界で、チョロインを弄びながら高嶺の花を狂わせる  作者: 歩く魚
現実だった京都メスガキ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

71/94

71.なぜか清々しい気持ち

「九重か————うおっ!?」


 振り返り様に勢いよく突進され、俺は体勢を崩した。

 ぶつかってきた犯人——九重は俺を強く抱きしめたまま、二人で脇道の芝生に突っ込む。


「い、いてぇ……」


 背中に衝撃が走るが、芝生のおかげで軽傷だ。

 予想もしていなかった出来事に、思わず本音というか、本来の言葉遣いが出てしまった。


 と、その時。九重がガバッと顔を上げた。

 彼女の端正な顔を大粒の涙が伝い、鼻から僅かに赤くなっている。


「う、ううううう……いっぐん…………。ごめん、ごめんね…………アタシがこんなことしたから、焦っちやったがらぁ……」


 もはや自分を見失っているのか、彼女は俺に謝りながら思考を垂れ流す機械と化してしまってある。


「このままだと、みんなに勝てないんじゃないかって、いっくんを取られちゃうんじゃないかってぇ……ぐすっ」


 彼女は完全に俺を押し倒す形になっていて、その気になれば俺を犯すこともできるだろう。

 本気を出せば、女子といえど凄まじい力を発揮する。


 とはいえ、今のところは会話の余地がありそうだ。

 ここから上手い具合に慰めてやれば——


「……………………もう遅いなら、いっくんを逃しちゃダメだよね?」


 おっと、話が変わって来たな。

 思考が高速回転を始め、よろしくない結論に達してしまったようだ。


 でもなぁ、ここで童貞を失うわけにもいかないだろう。

 とりあえずは助けを呼ぶとしよう。


 脇道といっても、大通りから目を凝らせば見える位置だし、大声を出せば助けてもらえる。


 九重を取り押さえてもらった後に、適当に人々を言いくるめて持って帰ればいい。


 自分のシャツのボタンを外し始める九重を横目に、俺は周囲を探る——が、不自然なほどに誰も歩いていない。

 人っこ一人と表現してもいいくらいに誰もいないのだ。


(ど、どういうことだ……?)


 ここは天下のみなとみらいだぞ。誰もいないなんてことは……。


 ——ふいに、パァンという気持ちのいい音が響いた。


 その音の出所は近いようで近くない。

 見上げてみれば、金色の花火が破裂している。


(……嘘だろ? こんな、なんでもない日に花火があがるなんて……)


 何一つ情報が入ってきていなかったが、もし仮に、有名なイベントなのだとしたら。

 人々は花火を観に流れてしまっているのかもしれない。


(つ、次の作戦を考えるんだ……!)


 九重は既にシャツのボタンを外し終え、かなり気合の入った黒い下着が見えてしまっている。


 うん、彼女のスタイルもあって、花火にも負けない華々しさ——じゃなく、対策を……。


(なにかないか!? なにか…………)


 俺のズボンのベルトに手がかけられたタイミングで、天啓が舞い降りた。

 そうだ、いくら芝生といっても身体が傷んでしまう。


「ま、待って九重さん! ここじゃ痛いよ!」


 言い終えた瞬間、街の景観を良くするために植えられている木々が強く揺れた。


 花火の音にも負けないほどの勢いを見せ、同時に、俺の横に何かが降ってくる。


(これは——レジャーシート!?)


 花火の観覧客が持ってきたものか、青くて分厚いシートが着地する。

 九重は俺を回転させてシートの上に乗せ、再度跨った。


(こ、これも解決されちまった……! なんだ!? 何が起こってる!?)


 俺の反撃を全て潰すかのように世界が動いている。

 しかも、九重の思考によるものではない。

 明らかに、もっと大きな存在が関与している。


「はぁ……はぁ……いっくん……いま気持ち良くしてあげるから……」


 彼女が俺のズボンを優しく下ろし、俺たちを隔てる布は一枚だけになってしまう。

 

 俺は身体を動かそうにも、何故か金縛りにあったように固まってしまう。股間ではなく、身体全体が。


(フッ…………盛者必衰か)


 意味が分からないが、運命は俺のチェリーを奪い去りたいらしい。

 もう打つ手がない。俺としたことが、こんなところで負けるとはな。


 俺の下着がずり下ろされ、その後、九重のものも露わになった。


 彼女の裸体は全てが美しかった。

 色々な意味で傷一つない身体に、これから俺という存在が刻み込まれる。


(……まぁ、悪くないな……)


 いよいよの熱さを感じながら、俺は自嘲気味に笑う。


 ——頭上で、真っ赤な花火が咲いた。

たとえ樹だとしても、選択肢をミスれば終わるということですね。多分。


とはいえこれは「もしも」の話です。

どんな次回になるんでしょう。


評価ポイントをいただけるととても嬉しいので、お手数ですがよろしくお願いいたします!

作品作りにご協力いただけると幸いです!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。