65.カスの品定め part3
「…………ふぅ」
君たちはどうシコるか、という話である。
エロ漫画だと、ゴミ箱に大量のティッシュが捨てられている場面があるだろう?
あれはまぁ、正しいと言えるし、正しくないとも言える。
人には人のセッティングがあるからな。
十人十色。みんな違ってなんとやらだ。
ただ、この世界に来てから俺のセッティングはレベルアップした。
どこか分かるかな?
——ティッシュの質が上がったのだ。
こちらでの俺の資産は無限に等しく、前世では買うのを控えていた、フワッフワのティッシュもカートンで買うことができる。
ティッシュが柔らかくなったところで、日々の体験に変化が生まれるかと問われれば否だが。
凪によってもたらされた興奮を発散し切って三十分が経ち、俺はようやく起き上がることにした。
正常な思考が戻ってきたのだ。
今から久々に、今後の作戦を考えなければならない。
まずはおさらいだ。
この章での俺の目的は、町出凪をボコボコにすること。
今は、お互いにお互いを意識していると理解した段階だ。
あと二、三回ほどデートを重ねて彼女の人間性を明らかにし、俺のことを好きにさせてみせる。これがメインミッション。
サブミッションとしては二つある。
一つ目は、吉崎を彼女にして汗を舐め回すことだ。
現段階でも王手というか、いつでも試合を決められる自信がある。
二つ目は、九重を限界まで追い込むこと。
彼女の持ち得るポテンシャルを最大限まで引き出して、彼女にしてくださいと懇願させてから刈り取る。
こちらに関しても、今の段階で望む状況を作り出すことはできるものの、時間と焦りというスパイスを最大限に引き出したい、
では、次の一手はどうするべきなのか?
優先順位的に言えば、凪、吉崎、九重の順になり、タスクの多さで言っても……凪、吉崎、九重だな。
しかし、凪とはデートしたばかりだし、そういう意味では順位は下がるな。次に会うのは吉崎か九重だ。
やや迷った末に、俺はMINEを開いてメッセージを送る。
「明日の放課後って空いてる?」
既読まで二秒。返事まで一秒。
『あいてる!』
『もしかして二人でデート!?』
「うん」
「嫌じゃなければだけど」
『嫌なわけ!』
『今日は高いパック使っちゃおーっと!』
もちろん九重だ。曇らせるだけじゃなく、同じくらいのご褒美も与える必要があるし、心が折れてしまったら元も子もない。
問題はどこに行くか、だ。
俺の記憶が正しければ、実は吉崎と二人で出かけたことはほとんどない。
ラフトに行ったぐらいか?
だったらデートプランにも困らないはずだが……あまり思いつかない。
デートなんて、それこそ全員同じルートでもいいと思ってしまう。
何回も同じ場所に行くことで俺自身の反応が薄くなってしまうと言われれば、それまでではある。
今回は九重に知恵を借りるとしよう。
「誘っておいて悪いんだけど、特に行きたいところとかはないんだよね」
「ただ九重さんに会いたいだけで」
すぐに返事は来ない。
『ぜんぜんおっけー!』
『そもそもデートプランって女子が考えるものだし!』
『それじゃあ今回はー』
『カフェとかどう?』
立て続けに送られてきた。
カフェか。シンプルイズベストという奴だ。
最近はエロすぎる脚だったり、デカい乳だったり、しなやかな手だったり、刺激的なイベントが続いていた。
刺激が強すぎると障害に陥ってしまうし、ここらで一発、健全デートと洒落込もう。
「カフェいいね」
「おすすめのところとかあるの?」
『アタシがよく行くのは新宿かなー』
『あ、みなとみらい散歩しながらもアリかも!』
みなとみらい……横浜の桜木町周辺か。
転生してから行ったことがなかったし、ちょっとアリだな。
「じゃあみなとみらいにしよう」
『わかった!』
『あ、明日は二人でダッシュするから!』
『うかうかしてるとみんなに捕まっちゃう!』
『よろしくね!』
デフォルメキャラが瞳を潤ませているスタンプが来た。
九重とは健全デートです!
今のところ二章で完結する予定なので、九重をシバくところはやらないかなぁという感じです。
その代わり、童貞卒業がエピローグになると思うのでお楽しみに。樹の初体験はどうなるのか…
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