表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【2章開始】男女比が壊れた世界に転生(夢)した俺は、チョロインを弄びながら高嶺の花を狂わせることにした  作者: 歩く魚
夢の世界と月の女神

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/57

17.うっっっっっっっっそだろお前!!!!!

 九重以外が俺に何かしてくるとは思わなかった。

 俺の腕を引いたのは彼女ではなく、別の美少女。


 歳は俺と同じか、一つ二つくらい下だろうか。

 ピンク色の長い髪をツインテールにしている。少しだけ吊り上がった目、薄くてピンク色の唇。

 どこからどう見てもメスガキである。


(このタイミングで新ヒロイン投入とは、今回の夢はサービス精神の塊だな)


 まだまだ起きたいと思わせないぞという気概を感じる。

 しかし、夢の神――俺かもしれないが――に一つ言っておきたい。


 メスガキに変な味付けはいらない。


 テンプレートでいい。気を衒わなくていい。

 まだ世界はそこまで成熟していない。

 記念すべき第一声は、俺を小馬鹿にしていないといけない。もちろん可愛い声で。


 そこのところ、夢の神は理解しているのか?

 さぁメスガキが口を開こうとしているぞ。

 ゾーンに入ったスポーツ選手のように、俺はスローモーションで分析しつつ、彼女の言葉を一音たりとも取り逃がさないように集中する。


「――おにーさん、男の人がひとりでうろちょろしてはったら、危ないんと違いますー?」

「………………う」

「う……?」


 うっっっっっっっっっっっっそだろお前!

 

 メスガキ関西弁!? いや、どちらかというと京都弁か!?

 いやまて、俺の意識を元に世界を作っているのならエセか!

 ならエセ京都弁というか!? なんちゃって関西弁!?


 どうなんだこれは! さすがにイロモノにし過ぎじゃないか!?

 メスガキは煽るのが仕事だと、どっかの宗教の聖典にも書いてあった気がする。

 それなのに、方言だなんて余計な色をつけやがって――待てよ?


 俺は京都人に悪い感情は一切持っていないが、あくまで一般……0.3般論では京都人には煽りの要素が入っている。

 皮肉の使い方が上手いらしい。


 で、あるならば。むしろメスガキとのシナジーは大きいのではないか?


「聞いてはりますー? 大丈夫ですよぉ、うちはぜーんぜん怖ないですからぁ。安心してな?」


 私ではなく「うち」なのか、タメ口なのか敬語なのか、疑問が生まれては俺の全身を駆け巡っている。

 だが、これだけは理解した。


 ――京都メスガキ、アリです!!!!!


 アリじゃない。大アリだ。

 地球を守る軍が出動するぐらいデカいアリだ。

 新時代の幕開け。俺はあたらしい世界に行くよ、母さん。


「ごめんね。友達がレジに並んである間にシールを見てみたくて」

「ははーん、シール帳の話を聞きはったんですね? ラフトは品揃えええけど、そのぶん倍率も高いからなぁ」


 耳元で囁かれたら脳が溶けるであろうアニメ声。

 メスガキ純度が高すぎる。


「そうなんだ……そろそろ友達が戻ってくるだろうし、今日は諦めるよ」


 そう言うと彼女はくすっと、こちらを小馬鹿にしたかのように笑う。


「そんなおにーさんに、これプレゼントしたげます」


 身長は百四十程しかないであろう、彼女の手もまた小さかった。

 そして、その手が差し出してくれたのは一枚のシート。


「これが、もしかして……」

「シールですよぉ。ここで買うたんやないけど、けっこうレアなやつやから、大事にしてくださいねー」

 

「そんな貴重なもの、ただで貰えないよ。何かお返しできないかな?」

「お返しなんてええですよぉ。今日がうちとおにーさんの出会いやってことで、忘れんといてくれはったら、それで」


 彼女は名前すら告げずに片手をヒラヒラさせ、「ほな、またねぇ」と去っていった。


「――あ! いっくんいた!」


 メスガキが見えなくなった頃、いれ違うようにして九重が戻って来た。

 腕にはノートの入っているであろう袋をかけている。


「ごめん、今戻ろうと思ってたんだ」

「もう……アタシ心配したんだからね? なに、シール気になっちゃったってこと?」


 頷くと、彼女は「可愛いんだから」と何故か上機嫌になる。


「でも、この様子じゃ別のところにしたほうがいいよね……っていっくん、何持ってるの?」

「これは……さっき女の子がくれたんだ。お返しをしたかったんだけど、そのままどっか行っちゃった」

「ふぅん……って、これイカブーのシールじゃん!」


 九重に言われて俺もシールを見てみると、そこには可愛らしくデフォルメされたイカのキャラクターがいた。

 なかなか憎めない顔をしていて、人気があるのも納得できる。


「でも……今度からはアタシに一言言ってよね?」

「そうするよ。まだMINEを見る習慣がつかなくて……」


 夢の世界とはいえ長い時間を過ごしてきた。

 仕事の連絡を確認するという癖はもちろんあったが、抜けてしまったようだ。

 

 ……これ、起きたとき大丈夫だよな?

 それは起きた時に気にすれば良いか。


「なら、アタシがこれから、たーっくさんメッセージ送るから! ちゃんと返してね?」

「お、お手柔らかにお願いします……」


「もちろん! 次はさ、上の階に行ってみない? パーティゲームとか面白いのあるんだよね」


 彼女に従って、一番上の階から順に降りていくことにした。

 九重は可愛いし、新しい癖の扉を開いたことだし、デートは極めて順調である。


 ただ、メスガキの話をした時に一瞬だけ、九重の目から光が消えたように見えたんだが、あれは勘違いだろうか。

アリです。異論は認めません。

果たして再登場するまで続くのか。


評価ポイントをいただけるととても嬉しいので、お手数ですがよろしくお願いいたします!

作品作りにご協力いただけると幸いです!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ