ちびっこ任侠街道まっしぐら!
昼下がり。自由学舎フォルティナの中庭では、子供たちが遊んでいた。
──いや、遊んでいた……はず、だった。
「おい、オマエ!そこの縄持ってこいやァァ!」
「了解でぇぇぇす、アニキィィ!!」
「次のダンナのために道あけろぃ!」
「ヒィィィ!すんません!!」
校庭の片隅に──完全に、
ちっこい任侠組織ができあがっていた。
本気で、竹の棒を肩にかつぐちびっこ。土管の上で組み体操するちびっこ。親分(?)格を争って肩で風切って歩くちびっこ。
どっからどう見ても、
街の縮小版ギャング。
教頭、神父シンプソンさん、顔を手で覆いながら呟いた。
「……あぁ、ついに、こうなってしまったか。」
その隣で、グレゴル校長は、腕組みして満足げだった。
「──立派になったなァ。」
「いやいやいやいや、校長先生!?!?」
シンプソン教頭、顔面蒼白。
「教育方針、間違ってますよね!?!?!?」
だが、当のちびっこたちは、めちゃくちゃ楽しそうだった。
「オレ、鉄火場担当な!」
「アタシ、帳簿管理するから!」
「うっす、兄貴ィ!」
それを見て、アルは大爆笑。
「……ま、いっか。」
「楽しいなら、いいじゃん!」
グレゴル校長も、鼻を鳴らして言った。
「道理と仁義を教えたら、 後は自分で育つもんよ。」
「"仁義"の使い方間違ってます!!」
シンプソン、即ツッコミ。
でも、広場には、どこまでも明るい笑い声が広がっていた。
──家族って、自然と似るんだ。
言葉も。癖も。笑い方も。
でも、それでいい。
それが、家族だ。
フォルティナ学舎、ちっこい任侠街道まっしぐら。
未来は……まあ、たぶん、大丈夫だろう。
きっと、たぶん、なんとか。




