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自由学舎フォルティナ  作者: mashironotsuki
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6/10

全力で、楽しめ!!

空は、どこまでも高く青かった。

自由学舎フォルティナ、記念すべき──

第1回大運動会!

中庭に、即席で作られた白線。手作りの旗。ワクワクで目を輝かせる子供たち。

開会式で、でっかい校長──グレゴルが、ぶっきらぼうに宣言した。


「ルールは一つ。」

「……全力で、楽しめ!!」


おおおおおお!!!子供たち、大歓声。

アルは、めっちゃ嬉しそうに、手作りのプログラムを配って回った。

【本日の種目!】

1. ガチ徒競走(ただしコースがでこぼこ)

2. 巨大玉ころがし(玉はなぜか鍛冶屋の火消し玉)

3. 倒れたら負け!相撲大会(参加自由)

4. 宝探し競争(景品:手作りお菓子!)

5. チーム対抗綱引き!(最終決戦)

そして、超目玉は──

グレゴル校長とアルのスペシャルリレー!!!


最初の徒競走。

ヨーイ、ドン!!

子供たち、わーっと走り出す!

……が、コースに仕込まれた泥だまりと、ぬるぬる石畳に、次々と転倒者続出!


「きゃああ!」

「泥だらけだー!!」


でも、誰も泣かない。すぐ立ち上がって、笑いながら、また走る。


「へへっ、負けないぞー!」

「どろまみれでも楽しい!」


子供たちの声が、空に弾けた。


次の巨大玉ころがし。

どすん!どすん!

超重量の火消し玉が、ごろごろと転がる。

ちびっこたち、押して押して押しまくる。


「がんばれー!!」

「玉に押しつぶされるなー!!」


応援するアルも、なぜか途中から参加して、全身泥だらけに。

校長グレゴルは、腕を組んでにやにや眺めていた。


「……いい顔してやがる。」


誇り高い声で、ぽつりと呟いた。


宝探し競争では、宝箱の中にアル特製の超マズい手作りクッキーが混じってて、引き当てた子供たちが大騒ぎ。

なお、本当に当たりはちゃんと美味しいお菓子もある。by 神父シンプソン


「ぎゃー!!これ毒だー!!」

「食うな、爆発する!!」


腹を抱えて笑うちびっこたち。それを見て、グレゴル校長も腹を揺らして大笑い。


そして、最終種目──

グレゴル校長VSアル、スペシャルリレー!


「いっくぞー!!!」

「おう、負けねぇぞ、チビ!」


でっかい熊みたいな男と、ちっちゃな冒険者少年が、校庭を全力疾走!!

子供たちの応援が、空に響く。

結果?

──引き分け。

アルが最後、グレゴルの服にしがみついて、一緒にゴールに転がり込んだ。


「……はぁ……はぁ……たのしかったぁぁぁぁ!!」


アルは、顔じゅう泥だらけで、満面の笑みだった。

その隣で、グレゴル校長も、いつになく柔らかい顔で空を仰いだ。

──これだ。

──オレが、守りたかったのは。

子供たちの笑顔。無垢な未来。

たったそれだけ。だけど、世界で一番大事なものだった。


運動会の最後。全員で、手をつないで大声で歌った。

歌詞は、みんなで考えた即興ソング。


「みんなともだち、みんなかぞく、

  あしたへと、いっしょにいこう!」


空に、太陽に、響き渡った。

自由学舎フォルティナ。ちいさな、でも誰にも負けない、未来への一歩だった。

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