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自由学舎フォルティナ  作者: mashironotsuki
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3/9

地獄の徴税講座、開幕

今日の授業は、特別講師を招いた。

──徴税監査官。しかも、ギルド最強の切れ者、元密売担当・現監査役のシルク。

黒ずくめの服。ニヤリと笑う口元。

子供たち、ドン引き。


「え、なんか、怖い人きた……」

「これ、勉強なの……?」


教壇に立ったシルクは、チョークをカツンと黒板に叩きつけた。


「よーし、小僧ども!今日は"お金と税金"について、しっかり叩き込んでやるぜ!」


教鞭に舌を這いずり、ぐいっと笑う顔に、子供たちビビりまくり。

だが、シルクは容赦しなかった。


「まずな!オマエらが店でリンゴを一個買うとき、その金の一部は、ギルドや街に納められてんだ!」

「それを"税金"って言う!道が舗装されてるのも、兵隊が盗賊を追い払うのも、ぜーんぶ税金で成り立ってんだ!!」


ばばん!!

黒板に勢いよく絵を描く。リンゴ。道路。兵隊。

やたら絵が上手い。

子供たち、ぽかーん。


「えっ、リンゴ買うと兵隊さんも動けるの?」

「知らなかったー!」


シルクは、ニヤリと笑った。


「無知は罪だぞ、ガキども!」

「税金ってのは、この街を、国を、未来を、回すための"血液"みたいなもんだ!」

「血が止まったら……テメェら死ぬぞ?」


めっちゃ怖い口調。でも、言ってることはド正論。

アルも、一生懸命メモを取っていた。

──何しろ、アルも「徴税」の授業を受けるのは初めてだったから。

そのとき。一人のちびっ子が手を挙げた。


「じゃあ、お金いっぱい持ってる人が、いっぱい税金払うの?」


シルクは、満足げにニヤリと笑った。


「その通り!!持ってるヤツほど、責任が重くなる。それが"義務"ってやつだ!」

「逆に、持ってねぇヤツから、無理やりむしり取るのは……最低だな。」


その目は、ふっと陰った。

かつて、貧しい街で生きてきた、シルク自身の記憶が滲んでいた。


「だからオマエら──」

「ちゃんと働いて、ちゃんと生きて、堂々と税金払える人間になれよ。」

「誰かを泣かせるような金の使い方だけは、絶対すんな。」


教室が、しんと静まり返った。

怖いけど、あったかい。

重いけど、真っ直ぐな。

そんなシルクの言葉が、小さな胸に、ちゃんと届いていた。


「──はい!!!」


子供たちが、一斉に、大声で返事をした。

シルクは、「……ま、合格だな」とぼそっと呟いて、くるりと教壇から降りた。

アルは、きらきらの目でノートを見つめながら、そっと言った。


「……税金って、命懸けなんだな。」


ちいさな学び。ちいさな成長。

フォルティナの教室に、また一つ、未来の種が蒔かれた。


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