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Animal Garden  作者: slowly
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37/57

Hello, world. 2

 話の流れから、何となくわかっていたけれど。


 ツキノが思い出したのは、この子が植えたお花の事だった。


 …うん。


 綺麗なお花が咲いてるね。


 鮮やかな赤色の、気品を感じる美しさ。


 選んだのはツキノとスズメさんだけど。


 ショッピングの電子パネルは一緒に見てるからね。


 最初に見た10種類の中に、このお花もあったはず。


 僕の記憶が確かなら…ガーベラ。



「きゅま!」


「ツキノ、ガーベラを選んでたんだ」


『この花は、ガーベラモデル・プチキャメロンタイプです』


「きゅーまま!」


「綺麗なお花を咲かせてる。

 ツキノがお世話を頑張ってたからだね」


「きゅまっふ」


『花言葉は[希望]、[前進]。赤い色のガーベラは、[神秘の愛]という意味を込めて、親しい人へ愛情を伝える贈り物とされる様です。

 ツキノが花を決める切っ掛けとなった花言葉ですよ』


「希望に前進かー。

 これから広がるモフモフガーデンにぴったりな花言葉だね。

 神秘の愛っていうのも、僕たち家族にぴったり合う」


「まっふ」



 さっきのひまわり畑も、このガーベラも。


 毎日ツキノがお世話をしてくれている。 


 だから。


 どっちが大事、なんて話では無くて。


 どっちも大事なのは、僕もツキノも一緒なのは間違いない。


 それでも、ひまわりの発芽を先に教えてくれたのは。


 ただ単に、ツキノの優しさなんだと思う。


 ひまわりが成長するのを、僕が凄く楽しみにしているのを知っていたし。


 咲いてみるまで、何のお花かわからないっていうサプライズも考えてだけど。


 ツキノのお花に対しては、僕はあんまり関わっていかなかったから。 


 もちろん、楽しみにしてたんだよ?


 どんなお花を選んだのかな。


 どんなお花が咲くのかな。


 ツキノの好みって、どんな感じなんだろう。


 上手く育てられたら、きっと大はしゃぎするんだろうな。 


 そんな風に、ワクワクしながら待っていたんだ。


 ツキノが水やりするのも見守っていたしね。


 目の前の赤いガーベラにも愛情を感じているのは、確かに言えることなんだ。


 僕なりに、この子が咲くのも楽しみにしてんだけど。


 思っていたより、感情がフラットな感じでいられる理由は…



「でも、一瞬だけ忘れちゃってたよね?」



 ツキノのうっかりで、力が抜けちゃったからかな。


 さっき、散々泣いちゃったし。


 いったん気持ちが落ち着いたのもあるんだろうけど。


 …ああ、もしかして。


 僕が泣いていたから、ツキノも忘れちゃったのかもしれないね。


 びっくりしたのかな。


 当クマも、…まっ!って言っていたし。


 お目々もお口もまん丸で、おもしろ…可愛いお顔が堪能できたけど。


 でも、ひまわりが発芽した事をみんなで大喜びして。


 お花が開花した事を忘れちゃうだなんてさ。


 そんなお茶目さんには、にっこりしちゃうって!



「…まふっ」

 


 てへっ!…みたいに、ちょっと照れてる子グマさん。


 ペロッと出た舌が、赤くて小っこい!


 軽く内股になってるし!


 右手を後頭部にまわしてるけど…


 手が短くて、絶妙に届いてない…っ! 


 なんという、あざとさ…!


 …かわいいっ!


 僕のにっこりが、ニマニマーっと変わってしまう…っ!



「…ウインクしながら、もう一回っ」


「まふ☆」


「可愛いのポーズ・星!

 ツキノくん、決め!」


「まふっ☆」


「…かわいい!

 ウチの子が、かわいすぎるっ!

 スズメさん、スクショ撮りたい!

 スクショ!」


『ご安心ください。

 常に録画しています。

 保存も、抜かりなく』


「ひゅーっ!

 さっすがスズメさん!

 頼りになるねっ!

 ひゅーひゅーっ!」


『お任せください』


「…まふ?」




 ~~~~~~~~~~~~~~~




 一頻りみんなで大騒ぎをして。


 ちょっとクールダウンしてから、改めてガーベラに向き合う。


 中心部分が白い、白目のガーベラ。


 八重咲きの花弁はなびらは、鮮やかな赤色。


 存在を強調するような、強烈な赤ではなくて。


 艶やかに紅葉したモミジを、木の真下から、お日様を透かすように見た時を思い出す。


 透けるような、透明感のある赤い色。


 匂いは控えめなのかな?


 顔を近づけると、いい匂いがする…気がする。



『ガーベラは匂いの少ない花です。

 Animal Gardenでは、現実より少し香りが強くなっていますが。

 匂いの少なさも長所であり、多くの人に愛されている花です』


「鼻がスッと通るような、すっきりとした感じ。

 甘ーい匂いじゃないんだね」


『ハーブティーにして楽しむと、より強くその感覚が味わえると思いますよ』


「ハーブティー…興味はあるけど。

 ツキノのお花を摘んじゃうつもりは無いかなぁ」


「きゅま?」



 当クマは、なんで?って小首を傾げて見ているけれど。


 流石に君のお花を摘んで、飲んじゃったりはしないって!


 …ん?


 そういえば、アニガーのお花って、枯れちゃったりもするのかな?


 育ち切ったe-plantsは、GPに替えることができるって聞いたけど。


 逆に、GPに替えない場合はどうなるんだろう?


 種を残してくれたりする? 



『では、開花したe-plantsの説明をしましょう。

 大型の樹木を育てると、果実が収穫できるとお話ししましたね?

 小型・中型のe-plantsを開花するまで育て切った場合も、収穫が可能です。

 小型のe-plantsは、1日に1度、自らの複製体を作り出せる様になり。

 中型のe-plantsは、1日に少量の果肉を生み出すか。

 あるいは花や葉の複製体を生成する事が可能になります』


「収穫って、食べ物だけじゃなかったんだね。

 栗とか、梨とか。

 作物のことだと思ってたよ」


『ハーブティーにするのなら、食用にも当たりますね。

 他にも、ドライフラワーにして小物作りに使用したり。

 永続はしませんが、生け花としても楽しむことができます。

 ひまわりが開花すれば、種や油が収穫可能になりますよ』


「あわっ!

 ひまわり油は料理に使いたいっ!」


『ひまわりの成長が、一層楽しみになりましたね。

 尚、e-plantsは害虫や病気にかかりません。

 正確には、Animal Gardenに存在しないと言うべきでしょうか。

 全てのe-plantsが無農薬ですので、食用としても安心して頂けます。

 現実でも試される場合は、十分にご確認の上でお楽しみ下さい』



 アニガーの中で、農薬まで再現する必要はないもんね。


 害虫が居ないのも、喜ぶプレイヤーが圧倒的に多いだろうし。


 青虫と格闘しなくて済むなら、ガーデニングの敷居がぐっと下がる。


 ムカデとかも、結構怖いから…


 無農薬野菜が取れるのも、料理好きにはたまらないね!


 モフモフガーデンの家庭菜園も充実させなきゃ!



「ちなみに、種が収穫できるならさ。

 そこからひまわりを増やせたりするのかな?」


『いいえ。全ての収穫物は、seedやe-plantsとは見なされません。

 種も花も、使用可能な所有物として扱われることになります』



 …うん。


 まぁそうだよね。


 そんなにうまい話はないよねー。




※花言葉には、一般的だと言えるか否かはあれど、これが正解だという明確な決まりは無いそうです。

 同じ花でも、色によって違い。国によって違い。お花屋さんによって違い。出版社によって違い。個人によっても差異があるそうです。

 拙作では。私が調べた範囲でおおまかに合致する花言葉や、特に気に入った花言葉。私が昔から持っているイメージの花言葉を載せたいと思います。

可愛いのポーズ・星!は、『マイホーム、マイガーデン 6』が初出です。

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読んで貰えて、嬉しいです。

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