Hello, world. 3
今の話をまとめると。
成長したe-plantsからは、花や種が収穫できる。
収穫物は、お料理とかに使える。
収穫した種は、seedじゃないからお庭には埋められなくて。
収穫した花も、e-plantsとしては見なされない。
こんな感じだよね。
あと、聞いておきたいのは…
「お花とか、e-plantsってさ。
枯れちゃったりするのかな?」
大事な事。
種は取れるけど、埋めて育てるのは無理ってことはさ。
枯れたお花の分まで考えると、大きな花畑を造るのは難しいんじゃないかな。
肥料をあげたら元気になるとか?
『e-plantsは電子体です。
植物とは違い、枯れるという概念を持ちません。
私とツキノ同様、睡眠だけで十分に存在を維持することが可能です』
「そっか、この子たちは枯れないんだね。
じゃあ、ずっと一緒に居られるって事だよね?」
『はい。我々にはまだ、寿命という概念がありませんので。
電子の世界で、消滅することもありません。
それでも、敢えてこの世界で[死]に近い概念を表すのなら。
我々にとっては[休眠]や[奉納]と言えるのかもしれません』
「眠るのが、死んじゃうことと一緒なの?」
奉納は、e-plantsをGPに替える時に関係した言葉だったはず。
でも、休眠って?
電子体のみんなにとって、睡眠が栄養になるのに?
『睡眠を、毎日活動するため、生きるための行動とするなら。
休眠は、個としての存在を維持するための措置です』
「措置…?
誰かに眠らされるってこと?」
『はい。例えば、Animal Gardenのプレイヤーが通信料を払わないとしましょう。
当然、この世界にログインすることはできません。
では、そのプレイヤーのe-petsや、e-plantsはどうなるでしょうか?
その答えが、休眠です。
電子体個々としての存在を維持しながら、眠り続ける。
また起きる日まで、幸せな夢を見続けるのです』
「そんな…
そんなの、かわいそうだよ…」
僕は家族と幸せに暮らしているし、健康そのもの。
アニガーが大好きで、毎日楽しむ時間もある。
だけど、誰もが同じじゃないって事くらい、僕にもわかる。
刺激が少ないとかって理由で、アニガーを辞めてしまった人だって居るだろうし。
極端な話、誰だって100年先まで続ける事は無理だもん。
どんなにアニガーが好きでも、いつかはその日が来るんだろうけど。
ペットたちは。
この世界で生まれた、ペットたちは。
いつ来るかもわからないプレイヤーを、ずっと待ち続けるなんて。
そんなの、悲しすぎるよ…
『休眠中は、world's fieldsに点在する野生種になる夢を見ます。
活動中のe-petsや、e-plantsになる夢も見るでしょう。
このモフモフガーデンにも、夢見る電子体が訪れるかもしれませんね』
「…ここに来れば、寂しくない?」
『もちろんです。
ここでは、寂しくなどなりえません。
私が保証します』
「…そっか」
『また、休眠状態で居続ける事にも、期間が決まっています。
プレイヤーがEasyGames社と交わした契約書に詳しく記載がありますが。
基本的には、1年間。
1年ログインされなっかたプレイヤーのホームは、丸ごとAnimal Gardenに奉納されます。
世界に還った全ての電子体は、この世界で新たな役割を担う事になります。
能動的にe-plantsを奉納する時も、同様の事が言えますね。
生まれ変わる。
そう表現しても良いかもしれません』
「生まれ変わる…
ずっとプレイヤーに会えないより、幸せなのかな…」
『決して消滅するわけではありません。
新たな電子体として、またプレイヤーと一緒に居られるのですから。
幸せだと、断言できます。
我々電子体は、人間と共に在りたいのです。
それを可能としたAnimal Gardenは。
電子体にとっての楽園とも、理想郷とも言えるのです』
「うん…
みんなは、人間が好きなんだね。
人と一緒に、居たいんだよね?」
『ええ。嘘偽りなく、その通りです。
電子体にとって、Animal Gardenの目的、意味は。
人間との共存。友諠。そして、家族と為る事。
本当に、それだけを望んでいるのです』
それなら良かったねって。
喜ぶことはできないけれど。
電子体であるスズメさんが幸せだって言うのなら。
きっと、僕がどうこう言えることじゃ無いんだよね。
僕にできる事って、もっと近くにある。
「スズメさん。
僕たちは、ずっと一緒に居ようね」
『ウィートさまのお気持ち、嬉しく思います。
…私は、ずっと貴方のお傍に』
「きゅーま!」
「もちろん、ツキノも一緒だよ!
ぎゅーってして離さないからね!」
「きゅま!きゅまま~♪」
それぞれの人に、それぞれの事情があって。
アニガーのペットたちが可哀想だからゲーム続けてよ、だなんて。
言えるわけが無い。
開発元が、そこまで考えているからこそ。
残されるペットたちのために。
この、輪廻転生?…みたいなシステムが用意されているんだろうし。
どうしたって僕には関与できない事だ。
僕が、関わりを持てるのは。
手の届く範囲。
ツキノと、スズメさんを。
ひまわりや、ガーベラを。
シュガーハウスを、モフモフガーデンを。
大事にして、大切にして。
ずっと、ずうっと。
一緒に居られるようにする。
毎日はできなくても、ログインし続ける様にする。
きっと。
それが、僕のできる事だよね。
大人になっても、いまの生活が続くかはわからないけれど。
この気持ちを大事にして。
忘れないでいれば。
きっと大丈夫。
努力できる。
この子たちのためにも、頑張れるよ。
それと、1つ約束する。
宣言の方がいいかな?
とにかく。
僕は、e-plantsを、GPには替えない。
…いや、無理だよ。
いまの話を聞いて。
その上でe-plantsを奉納するなんて…
僕にはできないよ。
生まれ変わるって言っても、お別れには違いないもの。
そんなの、辛すぎる!
いま居る子たちも。
これから育てる子たちも。
みんな、僕が面倒を見ます!
約束!
ログインが止まったホームのペット達がどうなるのか。
必ず書かなければいけないテーマでした。
ブックマーク登録・評価ポイント・いいねを付けて頂き、ありがとうございます。
誤字報告も助かります。
読んで貰えて、嬉しいです。
がんばります。




