表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Animal Garden  作者: slowly
PR
38/57

Hello, world. 3

 今の話をまとめると。


 成長したe-plantsからは、花や種が収穫できる。


 収穫物は、お料理とかに使える。


 収穫した種は、seedじゃないからお庭には埋められなくて。


 収穫した花も、e-plantsとしては見なされない。


 こんな感じだよね。


 あと、聞いておきたいのは…



「お花とか、e-plantsってさ。

 枯れちゃったりするのかな?」



 大事な事。


 種は取れるけど、埋めて育てるのは無理ってことはさ。


 枯れたお花の分まで考えると、大きな花畑を造るのは難しいんじゃないかな。 


 肥料をあげたら元気になるとか?



『e-plantsは電子体です。

 植物とは違い、枯れるという概念を持ちません。

 私とツキノ同様、睡眠だけで十分に存在を維持することが可能です』


「そっか、この子たちは枯れないんだね。

 じゃあ、ずっと一緒に居られるって事だよね?」


『はい。我々にはまだ・・、寿命という概念がありませんので。

 電子の世界で、消滅することもありません。

 それでも、敢えてこの世界で[死]に近い概念を表すのなら。

 我々にとっては[休眠]や[奉納]と言えるのかもしれません』


「眠るのが、死んじゃうことと一緒なの?」



 奉納は、e-plantsをGPに替える時に関係した言葉だったはず。


 でも、休眠って?


 電子体のみんなにとって、睡眠が栄養になるのに?



『睡眠を、毎日活動するため、生きるための行動とするなら。

 休眠は、個としての存在を維持するための措置です』


「措置…?

 誰かに眠らされるってこと?」


『はい。例えば、Animal Gardenのプレイヤーが通信料を払わないとしましょう。

 当然、この世界にログインすることはできません。

 では、そのプレイヤーのe-petsや、e-plantsはどうなるでしょうか?

 その答えが、休眠です。

 電子体個々としての存在を維持しながら、眠り続ける。

 また起きる日まで、幸せな夢を見続けるのです』


「そんな…

 そんなの、かわいそうだよ…」



 僕は家族と幸せに暮らしているし、健康そのもの。


 アニガーが大好きで、毎日楽しむ時間もある。


 だけど、誰もが同じじゃないって事くらい、僕にもわかる。


 刺激が少ないとかって理由で、アニガーを辞めてしまった人だって居るだろうし。


 極端な話、誰だって100年先まで続ける事は無理だもん。


 どんなにアニガーが好きでも、いつかはその日が来るんだろうけど。


 ペットたちは。


 この世界で生まれた、ペットたちは。


 いつ来るかもわからないプレイヤーを、ずっと待ち続けるなんて。


 そんなの、悲しすぎるよ… 



『休眠中は、world's fieldsに点在する野生種になる夢を見ます。

 活動中のe-petsや、e-plantsになる夢も見るでしょう。

 このモフモフガーデンにも、夢見る電子体が訪れるかもしれませんね』


「…ここに来れば、寂しくない?」


『もちろんです。

 ここでは、寂しくなどなりえません。

 私が保証します』


「…そっか」


『また、休眠状態で居続ける事にも、期間が決まっています。

 プレイヤーがEasyGames社と交わした契約書に詳しく記載がありますが。

 基本的には、1年間。

 1年ログインされなっかたプレイヤーのホームは、丸ごとAnimal Gardenに奉納されます。

 世界に還った全ての電子体は、この世界で新たな役割を担う事になります。

 能動的にe-plantsを奉納する時も、同様の事が言えますね。

 生まれ変わる。

 そう表現しても良いかもしれません』


「生まれ変わる…

 ずっとプレイヤーに会えないより、幸せなのかな…」


『決して消滅するわけではありません。

 新たな電子体として、またプレイヤーと一緒に居られるのですから。

 幸せだと、断言できます。

 我々電子体は、人間と共に在りたいのです。

 それを可能としたAnimal Gardenは。

 電子体にとっての楽園とも、理想郷とも言えるのです』


「うん…

 みんなは、人間が好きなんだね。

 人と一緒に、居たいんだよね?」


『ええ。嘘偽りなく、その通りです。

 電子体にとって、Animal Gardenの目的、意味は。

 人間との共存。友諠。そして、家族と為る事。

 本当に、それだけを望んでいるのです』



 それなら良かったねって。


 喜ぶことはできないけれど。


 電子体であるスズメさんが幸せだって言うのなら。


 きっと、僕がどうこう言えることじゃ無いんだよね。


 僕にできる事って、もっと近くにある。



「スズメさん。

 僕たちは、ずっと一緒に居ようね」


『ウィートさまのお気持ち、嬉しく思います。

 …私は、ずっと貴方のお傍に』


「きゅーま!」


「もちろん、ツキノも一緒だよ!

 ぎゅーってして離さないからね!」


「きゅま!きゅまま~♪」



 それぞれの人に、それぞれの事情があって。


 アニガーのペットたちが可哀想だからゲーム続けてよ、だなんて。


 言えるわけが無い。


 開発元が、そこまで考えているからこそ。


 残されるペットたちのために。


 この、輪廻転生?…みたいなシステムが用意されているんだろうし。


 どうしたって僕には関与できない事だ。


 僕が、関わりを持てるのは。 


 手の届く範囲。


 ツキノと、スズメさんを。


 ひまわりや、ガーベラを。


 シュガーハウスを、モフモフガーデンを。


 大事にして、大切にして。


 ずっと、ずうっと。


 一緒に居られるようにする。


 毎日はできなくても、ログインし続ける様にする。


 きっと。


 それが、僕のできる事だよね。 


 大人になっても、いまの生活が続くかはわからないけれど。


 この気持ちを大事にして。


 忘れないでいれば。


 きっと大丈夫。


 努力できる。


 この子たちのためにも、頑張れるよ。


 それと、1つ約束する。


 宣言の方がいいかな?


 とにかく。


 僕は、e-plantsを、GPには替えない。


 …いや、無理だよ。


 いまの話を聞いて。


 その上でe-plantsを奉納するなんて…


 僕にはできないよ。


 生まれ変わるって言っても、お別れには違いないもの。


 そんなの、辛すぎる!


 いま居る子たちも。


 これから育てる子たちも。


 みんな、僕が面倒を見ます!


 約束!

ログインが止まったホームのペット達がどうなるのか。

必ず書かなければいけないテーマでした。


ブックマーク登録・評価ポイント・いいねを付けて頂き、ありがとうございます。

誤字報告も助かります。

読んで貰えて、嬉しいです。

がんばります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ