登場!難波のナナミ(自称)4
「ほな、案内したろか。
折角やし、西エリアからでもええけど。
バザール全部を巡る時間は無いからね。
要所だけ見てサラーっと回るか。
興味あるとこだけ集中して見るか。
ウチのオススメ場所行くんもええで」
「そっか、あと1時間と30分も無いもんね。
1回ホームに戻るとして、1時間くらいかなー」
「せやね。
ホームエリアの外に居る時、ナビ子が時間教えてくれるん知っとる?
普通ならログアウトまで15分と、5分のときや。
残り15分でイベント参加不可。
1分切ると強制的にホーム送りやから、気ぃつけやー」
「ホームの外では、ログアウトできないんだっけ?
そんな話、スズメさんから聞いてたような気がするかも」
「まぁ、一気に色んな情報が入ってくるからねー。
ちょっとずつ覚えていくしかないて」
スズメさんが教えてくれるアニガーの話。
新鮮で、面白くて。
全部覚えているつもりなんだけど。
やっぱり抜けはあるっていうか。
聞いた覚えはあるんだけど、はっきり覚えてないっていう。
それはつまり、まだ僕の知識になってないんだよね。
ナナミさんの言った通り、少しずつ覚えていくしかないんだけども。
ちょっとだけ、悔しいかも。
スズメさんに教えて貰った話なのに、覚えていられないなんてー!
「まぁ今はドコ行くかの話やんな。
ウィート君、何をしたいん?
何でも付き合うたるで?」
「今は、GPが一番欲しいかなー。
お花ももっと増やしたいし。
ツキノとスズメさんにも料理を作ってあげたいんだよね。
ゴリスチャンみたいに、オシャレな服も着せてあげたいんだー」
「せやんね。
始めたては、先立つもんが足りひんよなー。
ウチ、今でもお金足りてへんもん」
「ナナミさんも金欠なんだー。
…GPってさ、どうやって集めるのがいいいのかな?」
昨日は、ツキノとリフティングで遊んで楽しかったけど。
ボーナスポイント以外は、1GPしか稼げてないんだもん。
10分かそこらで、1GP。
慣れれば、もっと効率よくクリアできるんだろうけど。
特に、僕がサポートに集中すれば、ね。
「とりわけ、効率のいい稼ぎ方っちゅーのは無いねん。
北エリアの競技場で、トーナメントの大会で優勝するとGPウマウマって聞いてはいるけども。
個人競技よりチームスポーツのが報酬のGPが若干多いとも聞いとる。
…ただな。
このゲーム、スポーツ大好き人間も仰山おるのよ。
ウィート君が運動得意ならワンチャンあるけど…どや?」
「無理です」
「…ああ、うん。
大体わかったわ。
この話、やめとこね?」
本格的に運動するのは、ちょっとね。
苦手なものを放置するとか、克服のために努力してないとか。
僕の運動音痴って、そういう次元じゃないから。
「そしたら、東の娯楽場か、南の遊技場かやな。
どっちもある程度は体を動かすイベントが多くなるけどね。
勿論、今おる西エリアでもええんやで?」
「激しい運動とか、真剣にスポーツするんじゃないなら平気。
体を動かすことも嫌では無いんだよ?
ただ、真剣にやってる人が多い場所は、ちょっと…」
「例えば、東に行けばボーリングとかビリヤードとか。
ダーツなんかもGP稼ぎやすいね。
現実みたいに、遊ぶのにお金はかからんし」
「ボーリングなら僕でもできるね!
上手くはできないけど、転がすのはできる!
ダーツとかは、触ったこと無いなー」
「そうなん?
中学生じゃ無くて普通か?
言ってくれれば、いつでもお姉さんが連れてったるで!
当然、アニガーの中での話やけどな!
現実で中学生連れまわしたらお縄になってまうで!」
ボーリングは友達と行ったことがあるし、町内会の子供会の行事でも行ってる。
でも、ビリヤードとダーツって、大人の遊びってイメージじゃない?
どんな切っ掛けで始めるものなんだろう?
今日みたいに、大人の人に連れて行ってもらうのかな?
…知り合いの人じゃないと、危ないよねー?
「東は好感触やね!
続きましては南エリアやな。
ここを一言で表すと、ドでかい公園や!
だだっ広い原っぱがあるだけ!」
「わ、シンプルでわかりやすい!」
「せやろー?
でも、横着してるんちゃうねん。
イメージは、一番最初のホームエリアが近いかもね。
木とかベンチとか、池みたいな水溜まりが点在しとるけど。
あと、他のプレイヤーが沢山居るのも特徴やね。
建物が無いから、色んな人とペット達が沢山視界に入るんよ」
「聞いてるだけで気持ち良さそう!
バザールで建物が無いのは、南エリアだけ?」
「いいとこ、プレイヤーが屋台を出してるくらいやね。
ウィート君もお料理得意なら、ええ稼ぎになるかもしれんで?」
「なるほどー。
そういうGPの集め方もあるんだねー!」
これはいいこと聞いたかも!
アニガーでの僕のアドバンテージは、パン屋の息子とお料理クラブってこと。
多分この2つが、僕の『武器』になるんだよね。
お料理するのにも、屋台にも多分、初期投資が必要だけど。
これは、かなり勝算が見込めるんじゃないかな?
中学生のお料理じゃ、そんなに買ってもらえないかな?
「よしよし、調子出てきたで!
次はここ、西エリアや!
南とは逆で、建物ばっかりのエリアやね。
ウチらが居る公園なんかも、ちょいちょいはあるけど。
何でも室内で完結するエリアやんね」
「お料理ができる施設もあるんだよね?」
「あるでー!
最初の内は、食器揃えるのも大変やからね。
ここの設備使うて、お料理するんがええよ。
材料費はかかるけど、それ以外はタダや!
イベントで卵料理大会とかあったり。
クエストで焼きそば作って持って来いとか出たりするから。
それもこなせりゃGPも美味しいでー」
「ここで作って、屋台を出すのもアリ?」
「…アリや!」
あわわ。
見つけちゃったかもしれない。
僕の、GP稼ぎの入門ルートを!
やっぱり、持つべきは頼れる先輩だね!
一人で歩いてたら、屋台で商売なんて思いつかなかったもん。
ナナミさんと、スズメさんにも感謝だね!
「ありがとうナナミさん!
アクティビティ以外でもGPが稼げるって勉強できた!
GP集めにも、色々なやり方があるんだねー」
「ウチもまだまだ、全然知らんけどな。
お役に立てて何よりやわ。
んじゃ、残り時間は西エリアの案内にしよか?
それとも…アレ、見とく時間にする?」
「…悩ましい…」
僕たち、ずっと立ち話をしていたんだけど。
お互いの顔を見ることもせず、ただ一点に視線を集中。
見てる先は、もちろん…
仁王立ちのゴリスチャンに、ツキノが肩車をして貰っていて。
右肩にはピーナッツ。
左肩には愛ちゃんが乗っかってる。
お話でもしてるのかな?
きゅむ。ウホ。ワン。にゃん。
なにあれ。
可愛いの塔ができてるよ。
ブレーメンの音楽隊ってこんな感じだったっけ?
アレはちょっと怖めの話だったかな?
一方こっちのアニマルタワーは、ただただ可愛い!
ゴリスチャンの肩の上を軽やかに移動して。
ポジションチェンジするたび、ポーズ決めてウインクで星を飛ばしてる!
そりゃ目を離せないって!
なんだか、公園中の視線まで集めちゃってるみたいだし。
今回は僕が注目されてるんじゃないし、恥ずかしさはないけどさ。
こんな可愛いの塊が居たら、そりゃ見ちゃうよね。
なんか、ポーズの度に拍手まで貰ってるし。
…このゲーム、おひねりとか飛んで来ないよね…?
方言については、雰囲気でキャッチして頂けると幸いです。
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読んで貰えて、嬉しいです。
がんばります。




