表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Animal Garden  作者: slowly
PR
24/57

◇息抜きは体育の時間に

佐藤麦。ウィ-ト。

五十嵐宏太。野球児。

佐藤奏。本の虫。

御堂日向。剣道女子。

安藤実優。料理好き。

「ヒャッハーッ!

 体育だぜーっ!!!」


「こうちゃんうるさい」


「コウ、うるさい」


「宏太、うるさい」


「コウちゃんうるさい」


「…怒られても気にしない!

 何故なら今は屋外だから!

 さらば机!

 さらば椅子!

 さらば勉強!」



 お昼前、3年生の本日最後の授業は外体育。


 入学試験が控えてるみんなは、自由参加で。


 希望者は図書室で勉強していてもいいんだけど。


 2学期くらいから部活も引退して、ずうっと勉強ばっかりだったから。


 運動するのもストレス発散になるってことで、クラスの9割は参加してる。


 ウチの学校は、同学年の2クラスが合同で体育の授業を受けるから。


 学校のグラウンドには、男女合わせて60人位の生徒がわいわいと騒いでる。



「他のクラスは授業中だからなー!

 好きに体を動かしていいが、騒ぎ過ぎるなよー!」



 先生も、準備体操以外は生徒の好きにさせてくれるスタンス。


 3年生の3学期は、1学期と2学期の成績で評価するらしくて。


 テストどころか、授業への出席すら評価されないんだ。



「おーっし!

 勉強から解き放たれたこの時間!

 フルに動きまくってやるぜ!」


「程々にしなさいよ、コウ。

 怪我でもしたら目も当てらんないわ」


「大丈夫だぜ!

 骨折でもしなきゃ、怪我の内に入らねーぜ!」


「集中力が続かなくなるでしょーが」


「怪我しようがしまいが、別に変わらないぜ!」


「…アホだわ…」



 こうちゃんみたいに、テンションが上がり過ぎちゃう生徒を保護かんしするためなのかな。


 何をして過ごすのかは、大まかに3グループになって決めることになってる。


 体育の時間は、先生が2人で指導してくれてるから。


 2つの運動好きなグループに1人ずつつ居てくれて、残りのグループはゆっくり過ごしたい生徒が自主的に体を動かしたりする感じ。


 今日だったら、サッカー組・バスケット組・のんびり組、みたいな感じ。



「こうちゃんとひなちゃんはバスケット組?」


「ホントは野球がやりたいけどな!」


「道具が無いじゃないの」


「野球部から持ってくるけどな!」


「部活動の備品持ち出しはアウトでしょーが」


「野球だけにか?」


「…剣道にしてもいいのよ?」


「いやいや、竹刀がねーぜ」


「バットでいいわ」


「……」



 この二人は野球と剣道が専門だけど。


 そもそもの運動神経がとても良い。


 それはもう、僕なんかとは比べ物にならないほどに。


 …ちょっとくらい、分けて貰えないものだろうか。



「二人とも、突き指とか気を付けてね!」


「調子に乗って騒ぎ過ぎるなよ、宏太」


「奏、それは約束できねーぜ!」


「ヒナちゃん、コウちゃんの面倒見てあげてね?」


「私に任せなさい、ミウ」



 やいのやいの騒ぎながら、二人はバスケット組の方に歩いていったけど。


 早くもバスケ担当の先生が、厳しい目つきになってる気がする。


 …ひなちゃん、がんばっ!



「麦と実優はのんびり組か?」


「うん。僕は準備体操くらいで十分だよ」


「わたしも。ムっくんと一緒に居る」


「そうか。なら俺も二人と一緒にゆっくり過ごすとしようか」


「かなちゃんは、勉強時間よりも休憩時間の取り方が大事だもんね」


「カナちゃん、すっごく難しい勉強してるから…」



 マンガの月刊誌くらいに分厚い問題集と睨めっこしてるんだから、体育の時間位はゆっくりと過ごして欲しいよね。


 でも、かなちゃんは運動もしっかりできちゃう人だから。


 球技組のどっちに交ざっても、気持ちよく参加できちゃうんだけど。


 …一緒に過ごしてくれるんなら、1つお願いしちゃおうかな?



「かなちゃん、1つお願いがあるんだけどね」


「うん?運動のことでか?」


「えっとね、リフティングのコツとか、教えて欲しいなーって」


「リフティング…サッカーのか?」



 そう。アニガーでツキノにあっさり追い抜かされちゃったリフティング記録だけど、僕もちょっぴり悔しい気持ちが無きにしも非ずって感じで。


 自分が運動音痴なのは百も二百も承知してるんだけど。


 それでも、愛するペットの前で。


 もう少し良い恰好がしたいって思うのは、仕方がないよね?



「ムっくん、アニガーのお話?」


「みーちゃん、そんなにすぐわかっちゃう?」


「だって、ムっくんが自分からリフティングの話を振るなんて。

 今まで、一回もなかったことだもん。

 それなら原因は、いま夢中になってることでしょう?」


「あわぁ。

 もう、お見事です。

 みーちゃんの推理、100%的中です」


「ふふん。ムっくん、私に隠し事なんて無理だよ?

 一番の幼馴染は、何でもわかっちゃうんだから」



 さすがに産まれた時からの長い付き合い。


 理由を説明する前に、秒で見抜かれちゃった。



「ああ、アニガーの話か。

 別に構わないが、サッカーでも始めたのか?」


「うーん。サッカーというか。

 ミニゲームでね、リフティングとか、縄跳びとか。

 上手くできると、ポイントが貰えるんだよ」


「ムっくん、運動ばっかりで辛くないの?」


「ううん。運動しなくて済むのもあるんだけど。

 最初から挑戦できるミニゲームって、道具を使わないものが多いんだ。

 それか、ボールくらいの小さいサイズの道具とか。

 あやとりなんかも、費用がかからず遊べるって」


「お料理とか、できたらいいのにね?」


「食材とか火元とか、用意するものが多いみたいでね?

 僕もお料理機能は楽しみにしてるんだけど…

 ゆくゆくはって感じかな」



 ツキノと、スズメさんと。


 一緒に美味しいものを食べてみたいからね。


 用意するものは多いんだけど。


 50GPもあれば簡単な料理くらいはできそうだったのは確認済み。


 そのためにも、ちょっとでもリフティングが上手くなりたいんだ。



「成程、ゲームのポイント稼ぎか。

 現実で練習ができるのは、フルダイブならではだな。

 で、目標は何回連続なんだ?」


「えっとね、合計10回成功できればポイントが貰えるんだ。

 だから、最低でも何回連続っていうのはなくって。

 もちろん、多ければ多いだけいいんだけど」


「へえ。それなら私にもできそうなルールだね」


「コツコツと回数で稼げるのなら、麦には向いているな。

 まぁ効率化を考えれば、連続で続けるに越したことはないか」


「あー、うん。

 効率の良さっていうのも、あるんだけどね。

 ペットの子に、負けちゃってさ」


「…ああ。面子の話か」


「…ムっくん、ドンマイっ!」



 …うん。


 相手が電子体のペットとはいえ。


 僕も、生後3日の子グマさんに負けるとは思わなかったよ。



「体育の教科書に載ってることくらいしか教えられないぞ?

 後は、感覚的な話になってしまうが」


「それが助かるんだよー。

 僕一人じゃ、途方に暮れて終わっちゃうだろうからさー」


「私もお願いしていいかな?

 折角だし、ムっくんと一緒に練習したいの」


「ああ、わかった。

 俺のコーチングでいいなら、二人に付き合おう」


「ありがとう、かなちゃん!」


「よろしくお願いします、カナちゃん!」



 よーし、先生役をゲットできたよ!


 これで、実のある練習ができそうだ!


 …とはいえ、僕の身体能力は、嫌ってほど理解してるからね。


 一回や二回の練習で、急に上手くなったりはしないんだけど。


 何もしなければ、何も変わらないからね。


 下手っぴは下手っぴなりに、頑張ってみるよ!


 アニガーの家族に、格好いい姿を見せるためにね!

ブックマーク登録ありがとうございます。

いいねも沢山頂いてます。

読んで貰えて、嬉しいです。

がんばります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ