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Animal Garden  作者: slowly
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23/57

I want money. 7

「いいこと思いついた!」


「きゅーま?」



 自分の選んだお花を見せようと、僕の手を掴んで歩き出そうとしていたツキノが

不思議そうにこっちを見上げてくる。


 ちゃんと選んだよって言われてるみたいで、少しだけ罪悪感。


 でも、本当にグッドアイディアだと思うからさ。


 ちょっとだけ、僕の話を聞いてみて、ね?



「あのね、ツキノ。

 ツキノが選んだお花は、僕に内緒にして欲しいんだよ」


「きゅまま?」


「そう、内緒。

 それでね、スズメさんにお願いして、種を買って貰って?

 スズメさん、こーゆーのってできるかな?」


『はい。ウィートさまの許可の元であれば、問題無く』


「大丈夫だって!

 ほら、どれを選んでもいいから、買っておいで?」


「きゅまー…」


「いいのいいの。

 ツキノが頑張ったポイントで、ツキノが好きなお花を買ってみて?

 そのお花も頑張って育ててみて。

 綺麗に咲いたら、僕に見せて欲しいんだ」


「…きゅま!きゅままー!」



 最初はちょっと遠慮してるようで、モジモジしてたツキノだったけど。


 話してる内にやる気になってくれたみたい。


 スズメさんと一緒に、一生懸命にきゅむきゅむと相談しているみたいだから。


 僕はちょっと離れて、後ろを向いていようかな。


 さっきのアイディアっていうのは、いま話してた通り。


 秘密の買い物をして貰おうってことなんだ!


 ツキノに自分で得たGPでお買い物をして貰おうっていうのは、最初から考えていたんだけど。


 ふと思いついちゃったんだよね、サプライズ!


 僕の知らないseedを買って貰って、ツキノに育ててもらう。


 お花が咲いてから、どんな花を選んだのか、ツキノに教えてもらうってこと!


 僕にとってもサプライズになるし、急に言われたツキノにとってもサプライズだったかもしれないね!


 急な思い付きだったけど、きっと素敵なサプライズイベントになるよ!



「きゅーま!」


「良いお花が選べた?」


「きゅま♪」


「そっか。良かったね、ツキノ。

 僕も今から楽しみだよ」


「きゅまま~♪」


『それではウィートさま。

 内容はお伝えしませんが、1GP必要となります。

 よろしいですか?』


「うん。お願いスズメさん」


『畏まりました。

 ツキノ、両手を前に。

 手の平を上に向けて』


「きゅま」



 流石、スズメさんはわかってくれてる!


 普通のシステム化されてるゲームなら、買った商品は全てプレイヤーが受け取るのが当然で、特に変化も無いのが普通かもしれないけど。


 今回は、『ツキノに』お買い物をして貰うのが僕の目的だったわけだから。


 そこまで汲み取って、ツキノにseedを渡してくれるスズメさんは、最高に頼りになるよね!


 優しいし、気が利くし。


 いつも一緒に居てくれる。


 …なんていうか、もう。


 大好きだなぁ。



「きゅまー」


『電子生成、完了しました。

 ツキノ、大事にするのですよ』


「きゅま!」



 スズメさんに見とれてたら、いつの間にかseedがツキノの手の上に!


 目の端でキラキラしてたのは認識してたけど、殆ど見てなかった!


 ちょっとぼーっとし過ぎてたなぁ。


 ツキノにとって、初めての買い物なんだから、しっかりしなきゃ!


 そんな僕の可愛い子グマさんは、小さなお目々をキラキラさせて。


 大事そうに両手で掲げた手の上の、新しいseedにクギ付けになってる。


 本当なら、もうちょっと余韻に浸らせてあげたいんだけど…今日のログイン時間が結構ギリギリになってる。


 何も、今日の内に植えてあげなきゃいけないことはないんだけど。


 それも、ツキノに聞いてみないとね。



「ねえツキノ。

 その種、もうちょっと抱えていたい?」


「きゅま?」


「今すぐお庭に植えなくてもさ。

 明日になるまで、ツキノが持っててもいいんだよ?」


「きゅ、むー…?」


「大丈夫だよね、スズメさん?

 お花の成長に悪かったりしないよね?」


『はい。問題ありません』


「きゅまん。きゅままー」


「ツキノ?もういいの?」


「きゅーま」



 うーん。


 宝物みたいに大事に抱えていたから、少しでも自分で持っていたいかと思ったんだけど。 


 当のツキノは、結構あっさりと決めたみたいで。


 ひまわりの種が埋まっている場所を指差して、埋めたいってアピールしてる!



「植物の種だし、土に埋めてあげるのが一番かもしれないね。

 場所は…シュガーハウスの右側にしようか!

 玄関を正面に見て、右手側!」


「きゅまー!」



 ツキノは、ひまわりと並べて埋めたかったかもだけど。


 ひまわり畑は、シュガーハウスの正面一面に大きく広げるのが僕の目標だから。


 我が家の新しいe-plantsは。


 お家の右側の、ひまわり畑に近いところに植えてあげよう。



「よし、ちょっと浅めに土を掘ってあげようね。

 あんまり深く掘っちゃうと、芽が出しづらくなっちゃうからね」


「きゅま」



 両手で土を掻き分ける様にして、地面を軽く掘ってみる。


 ツキノも、楽しそうに両手を動かしてる。


 この子は、本当に土いじりが好きなんだね。


 ひまわりのお世話も、張り切ってるって教えて貰ったし。


 これから先、お庭がもっと色んな植物で充実しても。


 ツキノと一緒なら、楽しくお世話できそうな気がしてくるね!



「うん。これくらいでいいかな。

 ツキノ、種を置いてあげて」


「きゅま。きゅーまー」



 近くに置いてた種を、ツキノが優しく寝かせてあげて。


 今度は、掻き分けた土を、種の上に被せてあげる。


 元気に育てよーっ。


 きゅまきゅまーって、二人で声をかけながら。



「さて。

 ツキノが選んだ子は、どんな花が咲くのかなー?」


「きゅーむーむ」


「秘密?

 そうだね、楽しみにしておくね?」


「きゅま♪」



 にこにこと、いつにも増して楽しそうな雰囲気のツキノを見て。


 またしても、良い考えが頭に浮かんでくる!


 さっきのサプライズお買い物に続き、なんだか今日は冴えてるかも?


 ガーデニング好きなツキノにも、きっとぴったりの思いつき!



「ねぇ、ツキノ。

 この辺りは、ツキノ達のお花畑にしようか」


「きゅま?」


「ツキノ、お花のお世話をするのが好きでしょ?

 だから、この辺りはツキノと、スズメさんと。

 これから増える家族たちに、選んでもらったお花を植える場所」


「きゅまー…!きゅま?きゅままま?」



 ホントに?いいの?


 …みたいな感じのツキノだけど。


 今まで見た中でも、一番ってくらいに目が輝いてる!


 もう、全身から嬉しいオーラが湧き出ちゃってるよー!


 もちろん、最初からツキノたちに使って欲しくて言い出したことだけど。


 こんなに可愛い姿を見せられたら、ダメだなんて言えないよねー!



「うん。今度は、スズメさんにも選んでもらおうね。

 スズメさんの種は、僕たちで埋めてあげよう!」


「きゅま!きゅままーっ!」


『私もですか?

 ふふ。それは楽しみですね』



 僕たちのモフモフガーデンも、ちょっとずつ大きくなる形が見えてきたね!


 この後、ログアウトする前に。


 忘れずにひまわりの種を2つ買って、ひまわり畑に埋めてあげて。


 残りの10GPは…ふふ。


 電子パネルを見てから決めることになるけど。


 ツキノのために、買ってあげたい物があるんだ! 


 喜んでくれるといいんだけど…


 ていうか、GPが足りるといいんだけどね…

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