I want money. 4
『ボールを使ったactivityは沢山ありますよ。
キャッチボールやリフティング、的あて等がわかりやすいでしょうか』
「あわぁ。
僕、リフティングは5回もできないよ…」
「きゅむきゅむきゅ?」
リフティングっていうか。
腿の上で偶然4~5回跳ねたって表現した方が正しいかもしれない。
真上にボールを上げたくても、前とか横とか。
思わぬところに飛んでいっちゃうんだ。
『activityは数多く用意されていますので、無理に苦手なことをする必要はありません。
ただ、リフティングであれば、累計10回の成功でGPが獲得できます。
最初の1タッチは回数に入りませんので、2回ボールを蹴り上げることを10回続ければ、GPが獲得できます』
「え、それなら僕にもできそう!
連続成功じゃなくてもポイントが貰えるんだね!」
『皆様に楽しんで頂けるように。
このコンセプトの元でactivityが設定されています。
GPを獲得する際に、プレイヤーに負担をかけようとは考えられていません。
ホーム内activityとは、e-petsと楽しく過ごしてもらうためのアクセントです』
運動が得意じゃないけど、ペットと一緒に野外で遊びたい!
そう考える人には、とても優しいゲーム設計だね。
もちろん、僕も嬉しいし。
正直、すごく助かります。
『一定数の連続成功や、最大連続成功数のBonus Points(BP)もありますので、運動を特に楽しみたい方にもご満足いただけるかと思います。
ただ、BP自体は特別多くのGPが得られるわけではありません。
あくまで、楽しんで頂くための、一つの目安だと考えて頂きたく思います。
逆に、BPが獲得できなくても、得られるGPに大きな差異は現れません。
各プレイヤーが、マイペースに。
adoptしたe-pets達と、楽しく遊んで頂ければ幸いです』
「そうだね、自分のペースで楽しまなきゃだよね。
ここには、僕の家族しかいないんだもん。
下手でもいいから、ゆっくり、色んなことに挑戦してみよう!」
「きゅまー!」
学校の体育で、リフティングの回数を、成績を決めるテスト自体にされちゃうと。
すんごくげんなりする。
友達と一緒にサッカーするのだって、楽しいし、嫌じゃないけど。
足手まといだなって感じちゃうことも、少なからずある。
僕が一人でナーバスになっちゃうだけで、一緒に遊んでるみんなはあんまり気にしていないとは思うんだけれど。
「ここなら、失敗を気にせずに遊べるもんね。
ツキノ、リフティングやってみる?」
「きゅま!きゅむきゅむきゅ!」
「おお、やる気マンマンだね!
じゃあスズメさん。
リフティングのアクティビティ、やってみるよ!」
『畏まりました。
目標累積成功数は、10回です。
連続成功ボーナスは、30回。
連続で100回成功するまで、ポイントが加算されます』
「よーっし!
まずは僕から!
ツキノ、見ててね!」
「きゅーま!」
もちもちボールを両手に持って。
腿の上で、ぽん。ぽん。ぽん。
「あわー、3回かー!
最初の1回がノーカウントなら、2回成功になるのかな?」
『そうですね。
現在、累積2回となります。
あと8回で、GP獲得になりますよ』
「きゅま!きゅまー!」
「はい、次はツキノの番ね」
両手でボールを持った子グマさんが、フンスと鼻息を荒くしてる!
ツキノの可愛さに、ブーストがかかっている…!
これが、鬼に金棒ってことなんだね…っ!
「きゅー…っま!」
落としたボールを勢いよく蹴り上げて…空振りっ!?
「きゅま?」
勢いあまって尻もち付いちゃってる!
…かわいいっ!
可愛いけど、笑っちゃいけない!
上手くできないときに、笑われるのは気分が良くない。
僕はそれを知ってるんだから、笑っちゃダメだっ!
…でも。
「あーっ!
もうっ!
ツキノはかわいいなぁっ!」
「きゅむむ」
顔が緩んじゃうのは、我慢できないって、こんなのっ!
抱き上げて起こしてあげて、頭をモフモフなでりこなでりこ。
ああ、あふれ出すα波。
なごむー。
「きゅーま」
「あ、僕の番?
ありがとう、ツキノ」
「きゅま」
良し、頑張って格好いい姿を見せないと!
このもちもちボール、程よい弾力と吸い付き感があって、なんだかリフティングがやりやすい様に感じたんだよね。
このボールなら、もう少し多く続けられる気がしてきた!
やるぞーっ!
「ほっ。ほい。ほい。ほい。ほっと、あー…」
『今のは3回ですね。
順調に回数が増えていますよ。
10回まで、あと半分です』
「きゅーま!きゅままー!」
「褒めてくれるの?
ありがとう、ツキノ」
「きゅまま~♪」
「はい、次はツキノの番だよ。
がんばろうね!」
「きゅま!」
心持ち精悍な顔をした子グマさんが、両手でボールを持つ。
決意に満ちた表情でボールを落として…スカっ。
「きゅま?」
「あー、残念。
ツキノ、ボールは上じゃなくて、地面だよ」
「きゅ…まーん…」
ああっ、ツキノが落ち込んでるっ!?
何とかして、僕が元気づけてあげないとっ!
「大丈夫だよ、ツキノ。
何回だって、上手くできるまで練習すればいいんだから」
「きゅままー…」
あわわ。
ちょっと涙目になってるかもっ!
スズメさんも一緒に励ましてーっ!
「大丈夫大丈夫!
初めてなんだし、上手くいかないのが当たり前だから!
サッカーの上手い人も、沢山練習したから上手くなれたんだよ?」
「きゅー…」
『ツキノ、こう考えるんです。
最初から上手くできたら、ウィートさまに教えて貰えなくなってしまうでしょう?
ウィートさまと過ごせる時間が、一つ多く得られたと考えましょう。
一緒に練習して、上手くできる様になってから。
ウィートさまのお役に立てば良いのです。
家族として過ごせる時間はこれから沢山あるのだから。
焦らなくてもいいのですよ、ツキノ』
「そうそう!
これからずーっと一緒に居るんだから。
急がなくていいんだよ、ツキノ。
ゆっくり成長していこうね」
「…きゅま…」
おおーっ!
なんか、完璧な慰め方だったね!
さすがスズメさん!
ツキノは…目に力が戻ってる!
なんだか、明るい雰囲気になったのが伝わってくるみたいだ!
…良かったー。
しょんぼりしたツキノも可愛かったけど。
それ以上に、びっくりしちゃったから。
やっぱり、元気で明るくて、可愛いツキノでいて欲しいよねっ!
何とか、間に合いました。
明日も、ギリギリの戦いになりそうです…
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