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Animal Garden  作者: slowly
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17/57

I want money. 1

「こんにちは、ツキノ!スズメさん!」


「きゅまー!」


『こんにちは。

 おかえりなさい、ウィートさま。

 今日もお会いできて嬉しいです』



 今日もアニガーにログイン!


 ゲームの始めたてって、何をするのもワクワクドキドキして楽しくて仕方ないって思うけど、いまの僕がまさにそんな感じ!


 モッフモフでかわいいツキノ!


 優しくてかわいいスズメさん!


 僕たちのホーム、シュガーハウス!


 緑の匂いと温かな風が吹く、モフモフガーデン! 


 新しい家族、ひまわり!


 …昨日植えたばっかりだから、まだ土の下で成長中だけど。


 後は、まぁ。


 丸ごと僕のホームだって言われちゃった、この『星』もね。


 全部が全部、新鮮で刺激的!


 まだゲーム開始から3日目で、チュートリアルしか受けてない状態だけど。


 初体験の連続で、たった6時間とは思えないほど濃密な時間を過ごしてると思う。


 一番大きな要因は、ツキノとスズメさんとの出会いなのは間違いないけどね。


 ひまわりの種も、僕の手の平で産まれた子なんだから。


 インパクトって意味では、現在最強の子かも。



「ツキノ、水やりするところだったの?」


「きゅまーん」


「あれ?違ったかな?」



 昨日、ひまわりの種をみんなで埋めてあげた後。


 スズメさんから、ホームに関するチュートリアルが終わったご褒美に、かわいい空色のじょうろを貰って、ログアウト前にお水をかけてあげたんだ。


 そのじょうろをツキノが抱えているから、てっきり水やりをするところなんだと思ったんだけど。



『この子は、ウィートさまをお待ちしていたんですよ。

 ウィートさまと一緒に、ひまわりにお水をあげたかったみたいです』


「ホントにー?

 もう、もう!

 かわいいなあ、この子は!

 かわいい!かわいい!

 ありがとうの、なでなで~!」


「きゅまま~♪」



 なでなでモフモフ。


 なでなでモフモフ。


 かわいいったらもう、ウチの子は!ウチの子は!



「きゅま!きゅ~ま!きゅま!」


「ん。ごめんごめん。

 お水をあげるのが先だよね?」


「きゅーま」


「しっかりさんだなぁ。

 ツキノも、ひまわりに大きくなって欲しい?」


「きゅむ」


「そっかそっか。

 ツキノ、お兄ちゃんだもんね。

 おとー…後輩の面倒を見てくれるんだね?」


「きゅま~!」



 ひまわりの種は、ツキノにとっての弟分…妹分?


 まぁ後輩には当たるワケだから。


 お兄ちゃんとしての意識が芽生えてきたのかな?


 e-petsに雄雌の区別は無いらしいけど。


 ツキノはなんとなく男の子な感じだよね。


 スズメさんは、女の子。


 うん。


 完全に僕のイメージだけどね。



「こんにちは、ひまわり。

 お水だよ~」


「きゅまー」



 僕がツキノを抱えるようにして、一緒にじょうろでお水をかける。


 しっかしまぁ。


 一生懸命にじょうろを傾ける、ウチの子グマさんはプリティでキュートで。


 じょうろを抱えたツキノを正面から見た時、胴体が隠れちゃってたし。


 持ち手の部分は普通のじょうろだけど、ペットたちが持てるように、何かしらの工夫がされているんだろうね。


 右手で持ち手を、左手で底を支えて。


 しっかりと水やりができてる。

 


「ツキノ、水やりが上手だね」


「きゅむ」



 きゅむきゅむとひまわりに話しかけているツキノから、何とも楽しそうな感情が伝わってくるようで。


 この子は、きっと。


 面倒見のいい、優しいお兄ちゃんになってくれるんだろうって思う。


 僕の願望だから、この子に押し付けちゃダメかもだけど。


 でも、ツキノとふれあっていれば。


 きっと優しい子になってくれるって、そう思えるよ。



『今朝も、ツキノが水やりをしてあげたんです。

 その後も、ひまわりの傍で話しかけてあげていましたから。

 すっかり仲良くなったようですよ』


「そうなの?

 えらいね~、ツキノ~」


「きゅむー♪」


「ねえねえ、ひまわりと何のお話してたの?」


「…きゅーむん」


「えー?秘密ー?

 教えてよー、ツキノくーん」


「きゅーむん」


「教えてくれないとー…くすぐっちゃうぞーっ!

 こちょこちょこちょー」


「きゅまっ!?きゅむむ!きゅまま~♪」


「こしょこしょこしょー」


「きゅまま!きゅままま~♪」



 …なんか、めっちゃ癒された。




 ~~~~~~~~~~~~~~~




『ホーム内で必要なチュートリアルは一段落つきました。

 以降は、Animal Gardenを自由にお楽しみください。

 ホームで、e-petsとe-plantsと過ごされるのも。

 ホームの外、world's fieldsで、新しい体験をされるのも。

 イベントをこなして、GPを集められるのも。

 Animal Gardenは、ウィートさまの望むままに、です。

 …もちろん、常識やマナーは守って頂きますが。

 いつでもお手伝いいたしますので、ご安心ください』


「うん、そうだね。

 この世界のルールについては、お手伝いお願いします、スズメさん」


『はい。お任せください』


「やりたいこと、か。

 正直、一番の願いはもう叶ってるんだよね。

 ツキノと、スズメさんと。

 ここで家族になれたから、もう満足はしてるんだー」


「きゅま~♪」


『私も嬉しく思います』



 モフモフなペットが欲しい。


 その願いは、もう叶ってる。


 しかも、最高の形で叶ってる。


 これ以上、申し分ないんだよね。


 ペットが増えるのは輪をかけて嬉しいことだけど。


 それは来月にならないと無理な話みたいで。


 なら、いま僕が一番に望むことって言うと。



「GPが欲しいなあ」



 昨日もチラっと考えたけど、ぼく、一文無しなんだよね。


 ひまわりの仲間を増やすのにもGPが要るし。


 空色のじょうろも、ツキノには大きすぎるから。


 ツキノ用に、小さなじょうろが欲しいところ。


 ひまわりには、じょうろでお水をあげることが嗜好品に当たるらしくて。


 あ、肥料とか栄養剤とかも喜ぶらしいんだけどね。


 それでいうと、ツキノとスズメさんと、僕にも。


 嗜好品って必要だと思うんだよね。


 ごはんとか、お菓子とか。


 アニガーでは、動物でも人と同じ食事が楽しめるらしいんだ。


 アレルギーを持っているプレイヤーは、見た目でショックを起こす可能性があるから、対象の食品はシステムがNGを出すらしいけど。


 もちろん、ゲームの中で味覚や嗅覚を刺激するだけだから、実際にアレルギー源を体内に取り込むんじゃ無い。


 でも、思い込みだけでも、アレルギー反応が出ちゃう人も居るらしいんだよ。


 あと、ゲームで食べられたんだから、現実でも大丈夫だって。


 滅茶苦茶な理屈をつけて現実で倒れられると、運営が困るって。


 内緒ですよって、スズメさんが教えてくれたんだー。

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