マイホーム、マイガーデン 5
『ホームを設置したことで、ホームエリアでの庭園機能が制限解除されました。
以降、ホームエリアの植栽可能エリア全域を指して、ホームガーデンと呼称致します。
ウィートさま。まだお時間に余裕がありますので、ホームガーデンとe-plantsについてのチュートリアルを進めさせて頂いてもよろしいでしょうか?』
「わー!お願いします!
ついに植物とのふれあいタイムだね!
楽しみだねー、ツキノー」
「きゅまー♪」
『畏まりました。
まずは、シュガーハウスの外に出てみましょう』
ツキノと一緒に返事をして、手を繋いで『シュガーハウス』の外に出る。
手を繋いだ時は、にぎにぎして遊ぶって覚えちゃったみたいで。
ツキノがきゅむきゅむと楽しそう!
僕もすっごく幸せ気分なんだけど、お手々の感触と同じくらいにワクワクすることが今から始まるんだ!
僕が動物たちのモフモフと同じくらいに楽しみにしてたのが、アニガーの庭園機能!
夏休みの課題で、アサガオの観察日記をつけたくらいしか植物を育てたことがない初心者でも、簡単に草花を育てることができるんだって!
タンポポからバラの花。
桜の木から檜の木。
針葉樹林から多肉植物。
穀物類から南国フルーツの生る木まで。
Animal Gardenで育てられる植物は、本当に多いって聞いてるんだ!
この世界で僕のマイホームになったシュガーハウスの庭を、緑あふれるお庭にするのはロマンがあるよね。
…名前が名前だし、さとうきびとてん菜は栽培しなきゃいけない気がしてきたよ…
『では、ホームガーデンの説明に入ります、が。
まず一つ、問題を出しましょう。
先ほど、この草原はウィートさまのプライベートエリアだとお話ししましたが…どこからどこまでが、ホームエリアだと思いますか?』
「どこからどこまでって、それはー…
えっと、まさかだけど…まさかだよね?」
僕がアニガーにログインして、初めて感じたのがこの草原に吹く風だった。
お日様の暖かさを運んできてくれるような、緑の匂いがする優しい風。
初めてこの世界で目を開いたとき、見渡す限りに広がる草原に。
本当にびっくりして、心から感動したんだ。
…そう、今でこそシュガーハウスが建っているけれど。
元々ここには『見渡す限りに広がる草原』があったんだ。
「一応言ってみるけど、ここから見える範囲全部…とか?」
『そうですね。正解の範疇にある、といった回答でしょうか。
残念ですが、満点回答とはいきませんでしたね』
「やっぱり、そうだよねー。
流石に見える範囲全部ってわけじゃないよねーっ!
自分でも無いなーって思いながら言ってみたけど、やっぱりねーっ!
じゃあじゃあ、シュガーハウスから100mの範囲とかどう?
まだ広いかなー?」
いやー、自分でも信じられないまま言葉に出しちゃったけど、流石にねー。
だって、視界の端っこって、地平線だよ、あれ。
なんか、想像の中にあった地平線よりも、随分距離感が近く感じるけど。
それでも、走って行っても随分時間がかかりそう。
あんなトコまでホームですって言われても、正直持て余しちゃうよねー。
『あら。正解から遠のいてしまいましたよ。』
「…えー?いまの、答えから離れたの…?」
「きゅまー?」
『ふふ。いじわるな質問をしてしまいましたね。
申し訳ありません。
正解は、この星の全て、です。』
「…うえええっ!?
ほしって、星いいぃっっっ!?」
「きゅま~☆」
あわわっ。
そんな馬鹿な。
だって、星って!
草原って言うよりも、とんでもない規模だったーっ!?
…ツキノ、ウインクして☆飛ばすの可愛いけど、ちょっと待って!
今ちょっと混乱してるから、ちょっと待って!
…後でもう一回お願いしますっっっ!!
『はい。Animal Gardenでは、各プレイヤーに専用のプライベートエリアとして、ホームエリアを提供しています。
ここで指すホームエリアとは、球体の惑星を模して作られたものです。
内部構造など、惑星そのものという訳ではありませんが、表面上は小さな地球の様なものだとお考えください。
実際、星という言葉の印象ほどの大きさではありませんが、植栽をお楽しみ頂くには十分な広さだと自負しています。
e-plantsの特徴や色合いに合わせて植栽エリアを分けるのも、四季に合わせた庭園づくりを進めるのも、木・花・作物と分けてe-plantsを育てることも。
Animal Gardenの世界では、十分な広さと奥深さで以って、プレイヤーの創造性にお応えすることが可能となっています』
あわー。
マジかー。
見える範囲だけじゃなくて、見えないトコまでホームかー。
だって、星ってことはさ。
今立っている反対側にも地面があって。
それで、そこも僕のホームってことなわけで…。
「いやいやいや!
スズメさん、広すぎるって!
僕、どう考えてもそんなに管理できないよーっ!?」
「きゅまっ☆」
ひいーっ!
僕、ホントに植物初心者だから!
こんな、星を丸ごとくれるって言われても、持て余すから!
僕が考えてたのは、お庭で始める家庭菜園で。
こんな、森づくりみたいな…星作りがしたかったわけじゃなぁーいっっっ!!
…ツキノ、ウインク気に入ったの?
すごく可愛いけど。
敬礼ポーズも、すごくすごく可愛いけど。
…お願い、あとでもう一回…っ!
~~~~~~~~~~~~~~~
落ち着いてから、庭の名前を付けた。
「モフモフと庭!」
「きゅむーん」
「モフモフなお庭!」
「きゅむん」
「モフモフにわにわ!」
「きゅむ」
「モフモフ家庭菜園!」
「きゅ、むーん…?」
「モフモフグリーンランド!」
「きゅーむ」
「モフモフ&プランツ!モフプラ!」
「きゅむー」
「モフモフ&ベジタボゥ!モフベジ!」
「きゅ-むー」
「モフモフタコ部屋!」
「…きゅまっ!?きゅーむー…」
ん~、中々に辛口なツキノくん。
最後のは冗談だけど、他のはアリだと思って言ってみたんだけどー。
まぁダサいかイケてるかで言ったら、若干ダサい寄りだとは思ってるけど。
ここにモフモフって入れたいから、家にモフモフハウスって付けなかったんだもん!
どうしても、モフモフって入れたお庭にしたい!
「え~。じゃあ、モフモフガーデンは~?」
「むー…きゅー…きゅま」
おでこにシワを寄せながら、渋々って感じだけど。
ようやく子グマさんからのOKが出たので、お庭の命名決定!
モフモフな動物たちと、一緒に楽しく育てていく、僕たち家族のマイガーデン。
『モフモフガーデン』だよ!
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