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異世界臨時公務員始めました(ゲートあります)  作者: 仲田野 寿


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 ―――次の休みの日に三上さんが来ることになった。

 連絡してくる行動が早すぎるな。あの人は研究好きだからなぁ。


 さて俺はアミーラさんに襲撃の原因を教えがてら、行商人さんと魔石とビー玉交換してもらいに行くか。


 異次元ゲートからギルド前ハウスに出る。


 今日はイゴラフさんがすぐに待機していた。行商人さんもいる。

 イゴラフさんはこの頃はギルドが始動したこともあって、ギルドではなく異次元ゲートを守るこちらにいるらしい。


「イゴラフさん、行商人さん。おはようございます。先日はアミーラさんを大変な目に合わせてしまって申し訳ない」


「田川殿、おはよう。アミーラ殿から聞いておったが、あのくらいはよくあること。気にするな。とても楽し気であったぞ。

 海という塩辛い水の生物たちのこと、クラゲだったか? それの話やその塩辛い水の話などずっとしておるし、傘など家の中でも持ち歩いて陽の光に透かして見たりしておるようだ」


 アミーラさんのほのぼのした話題を教えてもらえた。

 俺も嬉しいし、先生に教えてあげないとな、と考えた。


 その話を聞いていた行商人さんがずいっと俺の方に身体を向けてきた。揉み手のような感じなんだけどどうした?


「田川はーん、お願いや。買い付けに行くのわても連れてってほしいのや。魔石に色を付けたのでどうかどうか、これからも魔石持ってくるで! わても異世界見たいねん」


「田川殿、……なんとかならんか? アミーラ殿に話を聞かせられていてな。それからずっと言っておるのだ」


 ええー、あんまりこっちの世界の物持って行くとだめなんだけど?

 てか、イゴラフさんずっと言われててめんどそうだし、連れていくか?

 ビー玉だけって決めて見せるならいいかもな? 観光はさすがに無理だけど、百均だけならまあいいかなぁ?



―――行商人さんを連れてきた。行くのは百均だけね。


 そこにちょうど近所のおばさん―――栄養士の人、名前は山辺さん―――がお弁当を持ってきてくれた。

 日曜日以外は作ってくれるようにしてくれたのだ、ほんと助かる。


「おはよう田川君、今日はお弁当一個でよかったんだった? 間違えて二人分作ってきちゃったけど」


 行商人さんが跪いてる。……? これ見たことある……まさか。


「女神よ。どうかお慈悲を」

「……は?」

「え、えぇ?」


 行商人さんが山辺さんに一目ぼれしたらしい。跪いて手を握って口説いてる。

 異世界の人たちの表現半端ないな……? 女神って。

 

 ……行商人さんがすごい勢いで口説いている。山辺さんが押されてるけどなんか楽しそう。


 そして山辺さんもなぜか一緒にビー玉を買いに行くことになった。さすが押しが強いな……。

 俺は大人しく車を出してあげますかね。


 ……んー、山辺さんてたしか離婚して戻ってきてたきがするけど、もし嫌なら断ってもいいからね? と一応口出ししておく。


 そんな悪い感じではないな。てかまんざらでもなさそうな。

 山辺さんがこの世界のこと教えてくれてるし、行商人さんが大きめのリアクションで話聞いてるからかやっぱり楽しそうだ。え、なんかよさそう。


 俺のところで、……俺以外がどんどんカップルに……俺ってキューピットかなんかかな? 俺にはミケが……ミケにはアヴィラさんがいるんだ。ぐぬぬぬ。


 結局、山辺さんがビー玉こっちで買い付けしてくれて、行商人さんが異世界で魔石買い付けしてくれるって。


 ごく普通に山辺さんとの交友関係とついでに仕事のことも交渉してて、行商人さんの有能感がなんかすごいな。



―――休みの日、サンクさんは佐藤さんとデートに行った。仲良しでよかったねぇ。

 入れ替わりに三上さんが牙と角を持ってやってきた。


 牙と角は見たいって言ってた人がいたから配信をつける。


「おはようございます。今日は三上さんが牙と角を返しに来てくれたので、一瞬配信しますね。たしか牙と角見たいって言ってた人がいたような気がしたんですよね」


「田川さんこれ見てくださいよ! エアガンのBB弾に魔石を使って魔力コーティングしてみたんですよー!!」


【エアガン?】

【牙と角ニキ言ってた気がするけど今来てるかなぁ?】

【魔力コーティング!!?】

【本物の銃って異世界の人には効かないんじゃないっけ?】

【人はわからん、魔物は効かないって聞いた】

【それ地球じゃなくて異世界じゃないっけ?】

【田川さんの顔ガチだな】

【エアガンたしか好きだった気がする】

【ギャップ萌え】

【東京マロイのエアガン持ってないっけ?】


 三上さんが試作品の魔石弾? 作ってた。

 酔い止めはどうした。


「酔い止めはいいの?」

「あれはこちらの〇〇製薬さんの酔い止めでいけるらしいので、必要ないかなーと思ってやめました。

 魔石の話を聞いたので、ちょっとこちらを作ってみました。ただ、まだ試運転というか試してはないんですよねー。田川さんの裏山とかでやってみませんか?」


 ふむ、裏山か。面白そうだから見てもいいな。

 と、三上さんからパソコンから離れたところによばれ、こっそり耳打ちされた。


「ミケちゃんが再生した件ですが、錬金術の薬作ったじゃないですか、あれの人用の化粧品や、猫用の少しの魔力活性化を推進するのを作ったらどうですか? ミケちゃんの寿命も少し伸びるかもしれませんよ?」


 ミケを実験に使うのは絶対にいやだが。寿命が伸びるかもと言われ揺らぐ。ぐぬぬぬ。


 猫の補助食品ができればいいのかなー? んー魔物の肉にほんの少し再生用の成分いれたらいいかもな。おやつみたいな感じで。


 ……ここらは少し先生に聞いてみよう。


 手の施しようがない子が病院に来た時に一か八かで投与できるとかそういう感じのがあってもいいかもしれない。


「ちょっと裏山に行ってくるのと、先生にミケの件で聞きに行くのでここから垂れ流しにしますね。行ってきます」


【エアガンの試し撃ち見たいよーー!】

【試し撃ちの画像少しでいいから撮っておいて欲しい】

【先生の髪どうなったか見たい!】

【画像頼む】


 そうそう、この実験で先生と所長の二人の髪の毛が見てわかるくらいふさふさになってる。

 他の会社の人とか取引業者の人が俺も実験してくれ!! と言い出すくらい目に見えるようになってる。


「ああ、そういやそうですね。先生の頭撮ってきてSNSに上げときます。試し撃ちはやってみて出せそうならって感じですね。やってみないとわからないですしね。

 あとはそろそろ製品化してくれるところ探さないとなぁ。じゃあ行ってきますね」


―――先生のところに向かう。今日は休日だから先生もいると思う。


「先生、おはようございます」


「虎太郎君、三上さん。おはよう」


「先生、おはようございます。先日はアミーラさんのところでお世話になりました! 先生はアミーラさんとその後進展ありましたかー?

 あ、それはいいんですけど今日は田川さんの増毛のクリームの成分を猫用とかペット用に作り替えたらミケちゃんの寿命伸びないかなと思ってそれの相談に来たんです前ミケちゃん再生したとか言ってましたしそれは異世界のアミーラさんたちの治療ではあったみたいですけどあの田川さんのクリームの成分でも出来ると思うんですよねどう思いますか?」


「三上君、落ち着いて」


 三上さん研究したくてたまらないんだな。

 ということはエアガンの魔力コーティングはもうほぼ出来てるのかもな……?


「……しかし寿命が延びる可能性あるのは獣医としてかなり興味がありますねぇ」


「そうなんですよ。それでですね、魔物の肉に増毛ではなく再生を強くさせる感じにして、それを混ぜたら猫のウェットおやつみたいにならないかなーと思いましてね。


「あぁ、おやつか~! なるほど。うーん、まあそれならいいかもしれないねぇ。どのくらいの負担になるかわからないから慎重にしたいとこなんだよねえ」


「田川さん、わたしの研究室なら実験できますし使ってもらっていいですよ!」


「あとは手の施しようがない子が病院に来た時に一か八かで投与できるとかそういう感じのはどうですか?」


「そうだね、それならたしかに使えるねぇ。……あとは育児放棄された子猫ちゃんとかの栄養になる感じならば少し使ってみてもいいかな? 虎太郎君、作ってくれたらボクのところに持ってきてほしい」


「わかりました。あとは三上さんのところでも少し実験出来そうならしてほしい」


 てことで、俺は魔物の肉と再生の軟膏を食べられるように混ぜておやつにする方を作ってミケの寿命が延びるようにやってみよう!


 増毛の方は先生の画像も撮ったし、先生が動物にも使える手荒れ用のクリームを下ろしてもらってるという繋がりで紹介してもらって、もうそこから顧問料みたいな感じでもらえればそれでいいかな。


 ちなみに先生に紹介してもらった会社は、同じ県の日本海側にある天然ハーブ研究化粧品という天然の素材を使った会社と、あとは隣の県に温泉成分を使った化粧品会社だった。

 そこに売り込みかけることにした。

 メールしとこ。


 頭に塗ると毛根再生で、化粧品に混ぜるとアンチエイジングの効果があるっぽいからどっちも行けそうなんだよな。

 ただ、人間の肌は色々個人差があるから難しい気がするんだけど、まあそれはそれでそこの開発さんに投げるのもありかもな。



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