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―――サンクさんに合コンのこと聞いて少しワクワクした。同僚の人たちにも幸せが来るといいね。
さて、増毛の軟膏の結果持って配信するか。ビールビールっと。
「こんばんは、田川です。SNSでお伝えした通り、錬金術を練習しつつ増毛できる軟膏を作ってみました。
もう少し改良重ねたら、増毛の薬出してるところとか、地元でハーブ研究してるところあるみたいなので、そこに売り込みに行こうかなと考えています。
あと、作り方は教えること出来るんですが、あいにく錬金術出来るのが今のところ俺だけなので、そこら教えるのは無理かな? 異世界パスポート受付もうすぐかと思うので、それでギルド登録して無属性の人がいたら教えますが、今のところは難しいかもです」
【ビールでかんぱーい】
【ハゲの救世主きたーーー】
【うおおおおおおおお】
【ハゲ言うな】
【錬金術! 錬金術!】
【薄い人と言え】
【あの画像ってどのくらいの期間でああなったの?】
【そこな?】
【ただのスキンヘッドが時間経過で生えてきただけだったら悲しい】
【そんな……】
「ああ、そうですね。あーー、と、んじゃこれ……。えっと、去年のミケの注射してるところの写真です。ここに映ってる先生がこの頭の人ですね」
【ハゲきたーーー】
【まじの救世主やんけ】
【ハゲ言うな】
【薄い人と言え】
【材料は何なの?】
【危ないものは入ってない?】
【それはたしかに気になる】
「ただ少し効力が強いらしく、かゆみがあるようなので、そこを直したいのです。かぶれてしまうのかもしれないので、そこら改良したいんですよね。ちなみにSNSの画像、あれは塗布前塗布後の変化はたぶん1時間もかかっていません」
【かゆみかー】
【1時間!?】
【かゆみがでるってことは皮膚弱い人は厳しいかも】
【田川さん助けてくれ! 錬金術がんばってくれええ!】
【薄い人かな?】
「地球の薬草ですよ。あー、ただ買い占めとかなると困るので言わないでおきます。実験するのに金かかりすぎたら作れなくなるので」
【言わないでいい!】
¥30,000
【応援してる!!】
¥10,000
【がんばって!!!】
¥20,000
【メシアと呼ばせてもらおう】
「うお、高額スパチャありがとうございます!! あと、ミケの先生は俺の用事で異世界に少し行ったことあるのです、なのでたぶん他の人よりは魔力があるかと思います。
いまから写真だすのですが、こちらの頭が異世界に行ったことのない、えっと、少々髪が薄い方に実験してもらいました。それの塗布前塗布後がこちらです」
【こちらの頭わろた】
【生えてるな】
【すげえ……】
【普通の人でもいけるってことは俺でもいけるのか】
【薄い方かな?】
【メシアすぎる】
「ただやっぱりこの人もかゆかったらしいので、改良は必須ですねー。二人とも買い取るとか実験してくれと言ってくれたのでほんと助かります」
【希望が持てる】
【病気の人とかもよさそうだね】
【猫飼いにはだめなクリームとかあるからなぁ】
【独占を許すな】
【買取は断固断る】
「まあどんな薬にも個人個人で合う合わないはあるので、いま地球にある薬で生えてきてる人はそのままの方がいいと思います。
そうそう、動物飼ってる方とかで、使いたいのに使えない人も使えるような、そんな軟膏になればいいなとも思ってるんですよ。
俺の親父が病気で髪抜けちゃって悲しがってたんですけど、ミケの身体に悪くて使えなくてですね、それがきっかけなんですよね」
【しんみり】
【急に増毛とか言ってるからなんでだと思ってたら】
【俺も実験してほしい】
【薄い人足りなくなったら声かけて!】
【薄い人かな?】
「ははは、実験にそんなに人が足りなくなる前には軟膏改良したいとこですね! 今回はここらで配信終わりますね。今日はありがとうございました! また進展がありましたらSNSにでも書きますね、お疲れ様でした!」
【おつかれー】
【お疲れ様でした!】
【頼んだぞ!】
また明日から改良していくかぁ。まあ今日は寝よっと。ミケー! 寝るよー!
―――次の日、会社に来たのはいいんだが、俺の会社の役職が部長から顧問に変わってしまった。
部長の仕事出来てなかったから仕方ないんだけど、給料変更は役職手当が少し安くなったなぁ。ぐぬぬぬ。
でも現場からしたら会社にいないと困るだろうから仕方ないっちゃないよなぁ。
その代わり、人事紹介料とか警備紹介料が歩合で入ってくるみたいなことを言われた。もっと誰か紹介してってことと定期で入れる警備場所くれってことか。
これ、俺の家と裏山に、民間警備も入れることになったときに会社にしてもらったらかなりウィンウィンなんじゃないか? それ見越してかな?
そうなったら狼獣人さんたちディルス族を警備場所に入れることもできるし会社の人材になるし紹介料もがっぽりだな!?
サンクさんのパーティの人たちが合コンでカップルになったりしたら引き抜こう……。
というか所長の頭がうっすらもっと生えてきてる気がする。風呂はいらなかったとかはやめてくれよ?
ものすごく機嫌がいいから、ついでに会社の税理士の人を紹介してもらった。会社代金でやってもらえることになったし、全部丸投げできるな、よかった。
―――さて魔力水を増やしたり水の魔石の量を増やしたり、増毛軟膏をもっと滑らかなクリームにしたりと改良しながら、先生の頭に塗ったり所長の頭に塗ったり日々を過ごす。
その画像をSNSに出したりして(大反響だった)……そしてアミーラさんのお出かけの日になった。
朝から先生は俺の家待機だし―――やっぱり生えてきてるなー。ついでに前撮った時から一週間後の今の頭の写真を撮らせてもらった。
あとサンクさんも準備オッケー。
アミーラさんとデラドガルさん、あとルトミスさん。
裏山からはライメットさんも来た。
「タガワー!! わたしも行くー!! 師匠だから!!」と騒がしいフレヤさんと、「おねえさま!! いけません!」『キュッキュッ!』とノッサさん翡翠ちゃんが飛んできた。
というかフレヤさんと翡翠ちゃんが俺から離れないんだけど……。これは連れて行く流れのようだな……ほんとすみません。どうして……。
マイクロバス? なんだろこれ遊撃車だっけ? あれかな? ……に乗って出迎えに来てくれてた佐久間さんが絶句している。
護衛対象増えちゃったもんなぁ……。
「フレヤさんノッサさん、二人は俺のスーツのポケットに入ってるように。でないと連れていけない。いいね? 翡翠ちゃんはぬいぐるみみたいになって俺に抱っこされてること。いいね?」
「わかったー!!」
「かしこまりましたわ!」
『キュッ!』
三人? から敬礼されたんだけど、どこで覚えた……?
運転は警察の後藤さんがしてくれるようだ。あと自衛隊の方が二人ほど護衛についてくれるようだ。……なんか大事になっちゃって申し訳ないな。
とアミーラさんが丁寧に挨拶している。
俺も挨拶しておこう。今日はよろしくお願いします。




