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―――フレヤさんにきっかけをもらえたらなーと一抹の期待を胸に、急いで裏山に来た。
ここまで来たら作りたい……!
「フレヤさんいるかーい? ちょっと無属性で出来る錬金術で教えてほしいことがあるんだ。前、魔力活性化のときコツを教えてくれただろ?」
「錬金術のなーにー?? わたしすごいから知ってるよー!! ふふん!! すごいでしょー!!」
「お、やっぱり知ってるんだ? 助かるー!」
「今錬金術というか薬の作り方聞いてきたところなんだ。途中までやってみるから、そこから教えてほしい」
ライメットさんのゲルの中にお邪魔させてもらって、薬作りを始める。
まず薬草七種を乾燥させて風魔法で粉々にする。これはアヴィラさんにお願いしてやってもらってきた。
それから魔石を火魔法で熱し氷魔法で冷やし土魔法で砕き風魔法で粉々にする。こちらはライメットさんのディルス族にそれぞれの属性の方がいたのでお願いした。
その乾燥させ粉々にした薬草と混ぜあわせ、水魔法で出した魔力水―――これはノッサさんが出してくれた―――これを、とろけるくらいまで混ぜる。
そして混ぜるのは俺。
というか、ここからの錬金術のやり方を教えてもらいたいんだよなー。
……フレヤさんわかる?
フレヤさんは作っている薬の周囲をふわふわと飛びながら見てくれていた。
「えっとねー、ぎゅっ~~~~として、魔力をぽわぽわぽわぽわっぽわぽわぽわぽわってやってみて? んで、なんかいい感じにくるくるっくるくるっとすると出来る!」
「……はぁ……? ……さすがにそれではわからんけど……」
「こないだの古代竜にやったときよりも弱ーく弱ーく、けど長い感じでほそーーくやるんだよー!! ほそーーく!!」
ライメットさんが、「フレヤ殿、田川殿にご加護があるといってもそれではわかりませぬぞ」とか、「おねえさま!! それは無理では!?」とか言ってるけど、……ううーん、……あのときの魔力活性化より弱くて長く……?
まあやってみる。
えっと、ぎゅ~~~~~っとして、……これ圧縮かな??
で、ぽわぽわぽわぽわって、これ魔力活性かなんかかな?? あのときは魔力を感じてやったよな。んん? 弱く弱く……?
……なんか魔力がごわごわしてる? ごわごわが動かない……!
なるほど、これがきついのか……。ぐぬぬぬぬ、ごわごわごわごわ……、ぐぬぬぬぬ。
そういや前バターを生クリーム器でなめらかにしてるの見たことある。なめらかになっていくのがなんか気持ちよくて見ちゃったんだよな。
あんな感じかなー? ぽわぽわぽわぽわっと?
おっ!?
ごわごわがなくなってきたな……ってことはあってるのか。
ああ、クリームみたいなあんな感じでいいのか。
で、これをくるくるしてもっともっとなめらかにするのかなー?? ……たぶんあってるな。
で、いい感じになめらかにして、さっきはここでやらなかった魔力活性化をほそーく入れてみる。再生が活性化するように。
……ってなんかたぶんこう……かな?
「これで……どう?」
「タガワー!! さすがタガワ!! ほらぁーわたし教えるのできたもん!」
「おねえさま!? あれでなんでできるのです?」
「田川殿は、天才かなにかか?」
え、やっぱり? これもしかしてできたんじゃね?
鑑定レンズはさすがに持ってこれなかったからわからない。
ライメットさん鑑定レンズ持ってないよね?
「お、某は持ってないが、誰かあるか? 田川殿が鑑定をご所望だ」
ライメットさんがディルス族の方に聞いてくれた。
「薬専用なら私が持ってます!」
「助かります……お願いします! この薬見てもらえますか?」
虫メガネが大きくなったようなレンズで薬を見てくれた。
「『アミール族の薬に似ている治癒薬? 効能はアミール族の薬には及ばない。傷の再生を司る』ってなりました」
「やったー!! さっきよりもかなりいい感じのできたー! フレヤさんありがとう!! フレヤさん錬金術の師匠だー!!」
「わたしすごい!! わたし師匠!!」
「おねえさま! なんかかっこいいですわ!!」
その場にいた全員で喜んだ。
翡翠ちゃんも飛んできて嬉しそうでかわいい。撫でながら、お母さんに乳歯の件報告してきたからね、これ新しく作ってもらったネックレスだよって見せといた。
鑑定してくれたディルス族の方がひれ伏してるのなんなんだ。
というか、これ、増毛できるか実験したい!
髪の薄い人っているかな……? ああ、先生と、あと所長が薄いや。
よし先生に電話しよう。
―――みんなにお礼を言ってそのまま電話する。
先生と所長が実験体になってくれたから助かるなー。
「あ、先生? こんにちは」
『虎太郎くんかい? 何かあったのかい?』
「アミーラさんのお出かけ、一週間後になりましたので予定を入れておいてください」
『おお!! アミーラちゃんのお出かけ決まったのかい!』
「あと、行く場所を護衛の方々に伝えたほうがいいと思うので、早めに決めて欲しいです。それと用事あるので今から行ってもいいですか? 診察終わるまで待ちます」
『ボクの考えた最強のお出かけスポットを一緒に見てほしいからちょうどよかったよ! すぐに来てくれ!』
テンション爆上がりの先生に呼ばれたので向かう。
俺も実験できそうでテンション上がってます……!
「ではみなさま、ちゃんとなってるか実験してもらってきますので、これでお暇しますね! どうもありがとうございました! もしうまくいけばどこかに売り込みかけるので、そのときはまた魔石砕きとかでディルス族のみなさんを雇わせていただきたいかもです、まあどうなるかはわからないのですが……。では失礼しますね」
―――そのまま先生のところに移動した。
まだ診察してもらいたい猫ちゃんやわんちゃんがいるから大人しく診察終わるまで待つ。
飼い主さんにずっと文句言ってる猫ちゃんとか、注射でもされたのか、ずっと泣いて慰められてるハスキー君とかいてかわいすぎる。
「虎太郎君どうぞー」
直接呼ばれた。
「あ、はい。先生こんにちは」
「はい、虎太郎君、こんにちは。それでね! 行くところだけど!「あ、先生、長くなりそうなのでその前に……これ、この軟膏、錬金術で作ってみたんですけど、たぶん増毛というか毛根再生すると思うんです。ちょっとこの薄い頭に塗ってみていいですか?」
「……虎太郎君、薄い頭ってさ~? その言い方……その話題はかなりセンシティブだけどもさぁ~。まあ、いい。錬金術? というか増毛? ……ふむ。まずは塗ってみたまえ」
「ありがとうございます!! じゃあちょっと画像撮って、……こちらが塗る前、で、後でまた撮らせてください」
先生の頭に持ってきた薬、というか軟膏を塗る。
「錬金術とか色々聞きたいところだけど、長くなりそうだしまあいいやぁ~。そんなことより! 行くところだけど! まずはね! 山に行こうかな~と、ほら、神域の!」
「ああ、三山ですね。……なるほど、たしかに異世界の方々にはどう見えるのか面白そうですねー、それならそのまま海側に行ってお寿司とかもいいですしね」
「うんうん、そこからお昼は地元のお寿司で、あとは五重塔とか千年杉あるところとか、クラゲの水族館とか、海に赤い橋がかかっている海岸とか、そこから近いところに保護猫カフェもあるみたいだったし、そういうのはどうだろう?
海近くの道の駅で魚食べながら岩場に降りて、とかも考えたんだけども。
それか街中がいいならば公園周辺を主体にとも思ったんだが、街中ならば東京まで行くのが一番だろうし、……それだと移動が新幹線だろう?
護衛が大変になりかねないと思ってね、ならいっそパワースポットと言われるところが異世界の方々にどう見えるかという観点と、魚が好きという観点から海かな、と。どう思う?」
「そうですねー。東京はおいおいでいいんじゃないですかね? たぶんアミーラさんはお寿司食べたいんだと思うんです、だからやっぱり魚関係で、海はいいと思います」
「虎太郎君! だよねぇ! じゃあ、今のルートを佐久間君にも伝えてもらえるかな?」
「わかりました」




