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―――それじゃ、アミーラさんのところに行くかー。イゴラフさんと向かう……やはりここの代理はルトミスさんだった。
ライメットさんが翡翠ちゃんにいるからなぁ、すまないのぅ。
アミーラさんの待機所に着くと、アミーラさんと、あとちょうど行商人さんがいた。
あとは護衛の人が一人増えているな。サンクさんの代わりに入ったのかな。
「アミーラさん、デラドガルさんでしたっけ? アミーラさんの執事さん、行商人さん、あと護衛のみなさま、こんにちはー。初めましての方もいらっしゃいますね、はじめまして、田川と申します。
先日は、たいへんお世話になりました! ほんと助かりましたよー。
あ、今サンクさんは、俺の家に住んでて、同じ会社、ん-と仕事場で頑張っていますよ。佐藤さんとも仲良しのようで、のろけられて俺もうらやましいです」
社会人的に無難な挨拶をしてお辞儀をすると、みなさんにこやかに返事してくれた。
「俺はそちらの用事が終わりましたらで構いませんので、外にいますね」
俺が外に出ようとすると、行商人さんが慌てて呼び留めてきた。俺にも用事があるらしいな。
「おや、田川はんやないですか。今日はこちらにご用事で? ちょうどよかったわー! あの、田川はんがギルドで出したビー玉とかいう綺麗な玉っころ、わてにも卸して欲しいんですわー! ギルドで出さんと、わて仲介にしてくれたらよろしかったのにほんま田川はんかなんわー」
「ビー玉? 人気なんですか? まあ今度買ってきますよ」
「おおきになー! 貴族の方にせっつかれてなーわてもう困ってもうてな。アミーラ様にもこうして頼んどったところなんどすわ」
行商人さんがアミーラさんにぺこぺこしている。そういやお姫様なんだもんな。
「田川様にもちょうどお会いできましたし、よかったですわね」
「アミーラ様、ほんまおおきに、ありがとうおますわー! わても貴族の方に目えつけられたらかなんよってからに、安心しましたわ……。田川はん、物が準備できるのはいつくらいでっしゃろ?」
「急いだほうがいい感じです?」
「手元には持っておきたいとこやんなー」
「あー、じゃあ明日か明後日くらいには仕入れてきますよ」
「ほんまか! おおきに! 田川はん、おおきにな!」
アミーラさんはそれを聞いて、頷きながら「では、それまでここでの滞在を許可します」と答えていた。
あ、許可制なのか。
「ありがとうおます! じゃあ滞在の準備せなあかんな。わてらは外に準備するぞ」
行商人さんは護衛の方々を引き連れて外に行った。……外でテントなの?
護衛の、たぶんカイルさんが目で俺にお辞儀してくれたから俺もお辞儀しておいた。
「他の部族の者も行商が来るとやって来ますので、外でいいのですよ。夜に来る者もおりますしね」
俺が行商人さんを見ていたのを見て、アミーラさんが付け加えてくれた。
「なるほどー、他の方々も買いにくるのか。おっと、そうだアミーラさん。一週間後に行けるそうですよ」
と伝えると嬉しそうに準備すると言っていた。
アミーラさんが喜ぶところに行けるといいけれど。寿司屋か……? 先生が計画してるみたいだけど、警備の観点もあるから佐久間さんに伝えたほうがいいと思うんだよな。
先生にも一週間後にって言わないとだし、そのとき確認しておくか。
―――あとアミーラさんに、錬金術をやってみたいから薬草を変えた秘薬の作る手順というか、薬草の分量を少し細かく教えて欲しいとお願いしてみた。
そしてグラム測る器具と持ってきた地球産の薬草や野菜を出して、あとメモ用紙と記録用のビデオも出して「一応すぐ教えていただく準備はしてきました! だめそうならまた今度で大丈夫です」と伝えると、グラム秤を見たアミーラさんの執事のデラドガルさんが興味津々で見ている。
普通のキッチン用秤なんだけどね、デジタルのではなく重さで測るちょっと前にあるやつだね。
使い方を教えると欲しいとデラドガルさんが大騒ぎしだした。
「アデリヤ様。田川殿にわたしが教えます。それで、田川殿、こちらの秤を秘薬担当に使わせていただいてもいいだろうか?」
デラドガルさんが教えてくれるみたいだ。執事だけじゃなく調合担当もしているのかな。
「このグラム秤さしあげますし、あとビー玉仕入するときに新しいのも二つ三つ買ってきます。……ですので、持ってきた薬草で秘薬に似てるというか秘薬まではいかないけど代用できるものを見てもらうことはできますか?」
と聞いたら了承してくれた。
―――部屋を移して、作業室のような場所にデラドガルさんと移動する。イゴラフさんは行商人の方々を見てくるらしい。
さっきライメットさんからもらったヨモギや春の七草、と呼ばれる七種類の薬草、大根とかは葉っぱついてる状態で持ってきたし、あとはドクダミを見せる。裏山にあったり買えたのはこのくらいだけど、代用できるのあるといいな。
デラドガルさんが鑑定してくれた。すごいな。
するとアミール族の秘薬よりはかなり効能が弱くなるけれども効果はある薬草だということがわかった。
スズナスズシロ以外の薬草とヨモギとドクダミを混ぜると出来る確率があがる……かもしれない? とデラドガルさんが自信なさそうに言ってた。
で、俺が作りたいのは増毛なので、怪我を治すよりはちょっと難しいらしい。
怪我の周囲の生きている箇所に働きかける方が楽なようで、毛根に働きかけるのは、たぶん細胞活性化というよりは細胞の再生にもつながるからなのかもな。
ああー、ぐぬぬぬ。しかもそこらが錬金術特有な感じで難しいらしい。
あと飲むのは何に作用するかわからないので、やめたほうがいいかもしれません。と言われた。それはそう、怖いしなー。塗り薬だけにしておくよ。
しかもこれらの薬草、異世界で栽培したら魔力も入って効能良くなるかも? とのことだった。ただし、こちらで根が張るには時間かかるかも? 魔力に馴染むまで個体差があるからとのことだった。草にもあるんだな。
こちらでも育ててみていいですか? と聞いてくれたので、お願いしておいた。
―――ここまで座学みたいなもんで、これからが実践も交えて教えてくれるそうなので、ビデオで記録させてもらうことにした。
「では、まず先程選別した効能の薬草七種を乾燥させます。これは火属性または水属性の方にお願いすると楽です。その属性の方がいない場合は、時間を掛けて干して乾燥でも構いません。
今回は、秘薬の薬草とそれぞれ似た効能を持つ草を同じくらいの分量で混ぜ合わせてみます。
それから魔石を火魔法で熱し氷魔法で冷やし土魔法で砕き風魔法で粉々にする。こちらは準備してあったものを使用します。
そして先ほど乾燥させ粉々にした薬草と混ぜあわせ、水魔法で出した魔力水ととろけるくらいまで混ぜ合わせます。
……とろみが出るまで混ぜることがかなり大変なのですが、 錬金術はその工程をかなり簡単に出来るようです。ただ、工程をきちんとやれば錬金術を使えなくても出来はします」
なるほどなー。そういうのもあって難儀な属性なのか。
「この混ぜるところを錬金術でやるときは、たぶん魔力を込めながらやると思うのですが、魔力の込め方は私どもアミール族には錬金術の属性はいないのでここはお教えできないです」
デラドガルさんが作ってくれたものは、アミール族の秘薬に比べてかなり弱いけれどほんの少しの再生が期待できる薬のようだった。
じゃあ、その分量でブラッシュアップライフさせていけばいいんじゃない? 別に毛根にだけ効くもの作りたいわけじゃないからなー。
ということで、俺なりにやってみよう。
「おお……! ありがとうございました。記録もしたのであとで見返しながら練習してみますが、……一度見てもらってもいいですか? どんなものが出来るのか見てほしいです。錬金術もちょっと適当にやってみます」
で、だ。同じように作ってみたけど錬金術全くわからなかった。混ぜるのはできたけど、魔力を混ぜ込むということがいまいちわからなかった。
なんか前のときはフレヤさんにきっかけもらった気がするから、あとでフレヤさんに聞いてみよう。
鑑定してもらったところ、デラドガルさんの作った軟膏よりはかなり効能が弱いけれど、一応出来ていた。
ちなみに鑑定は魔法なのかな? と思ったら、鑑定レンズ(薬草用)(薬用)というアイテムらしかった。
それ欲しいなー。
薬草用とあるように、すべてが見えるわけではなく、レンズごとに草とか鉱物とかが百科事典みたいに登録してある感じらしい。専用電子辞書見たいなものか。
なるほど。
地球の薬草は似ているということで検索で出たぽいな。だから地球ではあまり使えないと思いますといわれた、まあそれでも欲しいけどね!
フレヤさんに行くことにして、お礼を言って帰ることにした。
あと混ぜるの大変っていってたから今度は生クリームとか混ぜる器具持ってきてみようかな。お礼がてら。




