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異世界臨時公務員始めました(ゲートあります)  作者: 仲田野 寿


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―――会社早退してアパート工事のことも説明したし、イゴラフさんのところに行くか。


 てか早く帰ってきたからミケの歓迎がすごい。


「ミケー! ただいまー。今日はね、裏山にアパート立てる件の土地の使用場所を教えに行ったから早退になったよー!! ミケに会えてうれしいよー! んーかわいいかわいい!」


 なでなでなでなで。ミケたんはいつもふわふわであったかいなぁー! などといいながら撫でてるとミケがころんと脚の前に転がってゴロゴロしてくれる。はー、かわいい。


「グルルゥ」

「アヴィラさんもただいまー! 今度ね、ライメットさんが肉を狩りに行ってくれることがあると思うから、そのときは家に入れてあげてねー!」


 アヴィラさんの顔もマッサージしながら撫でてやるとアヴィラさんもゴロゴロというかグルグルしてる。うんうん、君もおっきいのにかわいいね。



―――さて、イゴラフさんのとこに行ってくるか。


 アミーラさんのお出かけが一週間後にいけるようになったよ、と伝えねば。


 あと佐久間さんに言われてたお掃除スライムのこと、翡翠ちゃんの乳歯の件でライメットさんに聞くのすっかり忘れてたから、それも聞かないとな。


 ああ、あとドラゴンのお母さんにも翡翠ちゃん乳歯取れたよって見せないと。


 それと秘薬の作る手順を少し細かく聞きたいところだけどな、今日はイゴラフさん時間あるかなー? ライメットさんが翡翠ちゃんのとこにいるから、イゴラフさんまた一人なんだよなー、たぶんルトミスさんがまた代理してくれてる気がする。


 一応グラム測る器具と、あとメモ用紙と記録用のビデオも持ってきて準備万端ではある。


「イゴラフさーん、いらっしゃいますか?」

「田川殿、アミーラ殿の日程が決まったか?」

「はい、イゴラフさんこんにちは。一週間後に予定を組んだそうなので、そのことお伝えください。……そういや時間は言ってなかったけど、まあ朝から行けるように準備しておいたら完璧ですね。待ってる間うちで色々見てもいいですし」

「わかった。伝えておこう。すまないな」

「いえいえ、あとですね。ライメットさんが裏山に掃除用スライムを連れてきたんですけど、あれの安全性ってどうなってます? ライメットさんに聞き忘れてしまって、教えてほしいのです」


「ああ、あれらか。あれはな、分裂防止の魔法を掛けた網というか袋というか、そういうものがあるんだが、それに入れて使うのだ。そして三か月に一度はその袋を交換すると良い」

「そのままだと分裂するんですね。突然変異とかそういう心配はないのですか?」


「袋の中にいるスライムは突然変異しないようになっている。というか分裂する際に変異することがわかっておるのだ」

「そうなのですね! ありがとうございます、佐久間さんに伝えておきます」

「佐久間殿はほぼすべてのことを統括しないといけない大変な仕事をしておるのだな……」


「そうなんですよねー。部署増やしたら? って言っておきました。

 あ、あと翡翠ちゃんが乳歯生え変わったみたいで取れた牙くれたんです。家賃だって。で、ドラゴンのお母さんにちゃんと元気で成長してるよって教えてあげたいんですが、一緒行ってもらっていいですか?」

「ほぉ! 古代竜のお子が、回復し始めたのか。これは善きことよ」


―――ドラゴンさんのところに移動しながら、錬金術をやってみたいから薬草を変えた秘薬の作る手順を少し細かく聞きたいとお願いしてみた。


「ふむ。錬金術ということは田川殿は無属性が使えるのだな? また難儀な属性ではあるの。……使う薬草は持ってきておるか?」

「はい、一応持ってきてます。グラム測る機器もあります!」

「ほぉ? ではアミーラ殿への言伝もあるし、古代竜への報告が終わったら一緒に向かおう」

「ありがとうございます!」


 いやっほう! よし錬金術の訓練が出来そうだ。


「……あの、難儀な属性とはどういうことです?」

「おお、……そうだな。まず無属性を持つものが少ない。しかも出来ることが細々としたものが多く、ううむ、違うか? 無属性を持つものが少ないがゆえにそういう研究しかされておらぬ、といったところか? 引く手あまたとも言えず、かといってなくてはならないが目立たぬゆえに難儀だと。……ああ、スライムの分裂防止魔法も無属性のはずだ」


 ほほう……。言われたことを考察してみる。


「なるほどなー? 錬金術は他で代用ができるってことか? ……調合できたらいいのかな?

 あとは魔力活性化は治癒が出来る属性の人がいればいいのか……、ドラゴンのお母さんの場合は特殊だったぽいしなぁ。

 隷属魔法はあんまり使う人いないだろうしってことかなぁ。……もしかして器用貧乏系……? あーー、俺っぽい……」


「器用貧乏か……、なるほど言い得て妙だな」


 イゴラフさんとお互い顔を見合わせて笑いあった。


―――ドラゴンさんのところに行くと、ドラゴンさんは俺たちが近づいているのに気が付いていてこちらを見ていた。


 イゴラフさんが少し離れたところで周囲を見ていてくれている。


「ドラゴンさん、こんにちは。お加減はいかがですか?」

『ふむ。タガワか。我は調子が良いぞ。ところで今日はどうした? ……我が子の匂いがするが』

「さすがにわかるのですねー。じゃーん! こちら、翡翠ちゃんが調子よくなってきて成長して乳歯ぬけたようで、その牙をくれたものなんです。今は飛び回って妖精さんたちと日向ぼっことかしてました」


 翡翠ちゃんからもらった乳歯ドラゴンさんに見せた。


『なんと……! なんと善きことか……。そうか、飛び回れるほど回復しておるのだな。……妖精たちも側にいてくれておるのか。タガワのところは異世界であっても精霊がいるのかもしれないな』

「精霊? みたことはないですが、へぇー? いるのかなぁ? ああ、でもうちの地元、日本の中でも山岳信仰とかで山全体が神域になってる場所ありますね。それ系で山の力が強いとかかな?? よくわかんないけど、でも回復なってきてるならよかったですよね。で、この乳歯、お返ししますね」


『我が子がタガワに下賜したものだろうて。我は受け取れぬ。持っておくがよい。……われの鱗と共に貸してみよ』


 言われてネックレスを渡す。


 ドラゴンさんは指をネックレスに触れ、なにかすいっと魔法を使ったような気配がする。

 と、地中からそれこそ翡翠ちゃんの鱗のような色の石がふわっと出てきた。

 そして鎖―鱗―石―牙みたいな順番で加工? され、なんていうかかっこいいネックレスから綺麗なネックレスに進化した!


「おおー!! きれいになったー!」

『我の鱗に我が子の牙、それに我が子の呼び名はこの色の石のことじゃな? これでもっとそなたと我と我が子のきずなが深く繋がった。そなたを災いから守るであろ』

「おおー!! 災禍の守りのネックレス? になったー!! かっこいい!!! ドラゴンさんありがとうございます!!」


 もっとかっこよくなった災禍の守りのネックレスをイゴラフさんに自慢してから自分の首にかけた。


『ではな。我が子のことをたのむ』

「あ、魔力活性化しておきます?」

『……頼めるか?』

「やってみますね」


 まだ傷のあるドラゴンさんに魔力活性化というか、鱗に手を触れて流れるなにかを感じてそれをほわっとさせる。

 これほんとになんて言ったらいいのかわからんけれど、これでいいんだよなぁ? ほわっとなったと思うんだけど、いけた?


「……どうですー?」

『……ありがたい』

「あ、よかったです! んじゃ戻りますね。ネックレスありがとうございました。ゆっくり休んでてくださいね」



 ドラゴンさんのところから戻っていると、「田川殿は、やはり加護持ちになれるなにかがあるのだな」と、イゴラフさんになぜか感心された。



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