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異世界臨時公務員始めました(ゲートあります)  作者: 仲田野 寿


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―――会社毎回早退やら出張やらでなんか申し訳ないなぁ……。

 まあ早退して裏山に業者さんを案内、平坦なところがいいから、やはり裏山のふもとに作ってもらうことになった。


「狼獣人さんたちが山の上の方に住んでいますので、上には行かないようにお願いしますね。俺はもう少ししたら工事が始まることを伝えてきますので、準備でき次第工事お願いします」

「狼獣人……? はい、わかりました。上には行かないので大丈夫です」


 業者の方にお願いしつつ、俺は山に登る。んな高い山ではないからすぐに到着した。


「加護の方!」

「こんにちは、ライメットさんいらっしゃいますか?」


 翡翠ちゃんのところに行くと、もう周辺にはゲル―――布の家のことね、がこじんまりと建ってあった。

 へぇー、ディルス族はあんまり大きくなくてもいいのか。


 女性が来ていないから雑魚寝でもいいのかもな?


「田川殿、どうされました?」


「ライメットさん、こんにちは。山の下の方で今度工事が始まりますので、みなさんも住める家を建ててもらうことにしました。……あとですねー、一応場所を貸しているので家賃をいただこうかなと……」


「や、家賃……。……そうでござった。たしか人族のところに住んでいる一族の者は、寝るところに金子を渡したり、家の持ち主に物を渡すとかしておりましたな。……わかり申した、気が利かず申し訳無い。

 こちらの価値がわからぬのだが、いかがしたらよいだろうか?」


「それでですね、今度俺の会社に入ってもらって、そしてここの警備でもできればと思っているのですが、まあそれはお金、あ、こちらのお金が貯まってからでいいです。

 今のところは、こないだ伝えた薬草とか、あとは異世界で獲ってくれた肉とか魔石とかを分けてくださればそれで。

 あと、もしかしたら魔法で魔石を砕く仕事とかを今度お願いするかもしれません。そのときはこちらも依頼料をお支払いしますので、よろしくお願いします」


 家賃とかあんまり言いたくなかったけど、アパート無償で入れるわけにもいかないからなぁ。今からちゃんとしとこうと思ってね、申し訳無いけれど伝えさせてもらった。

 サンクさんは佐藤さんが言われたみたいで、実はお金入れてくれたんだよね。


―――と、翡翠ちゃんがぱたぱたと飛んできた。妖精さんたちと一緒だ。仲良しでよかったねえ。


「翡翠ちゃん、フレヤさん、ノッサさん、こんにちは。お散歩でもしてるの?」

『キュキュッ』

「うん? 体調は良いの? 『キュッ』そかそか、よかったねえ」

「タガワだー!」

「おねえさま!! まずはご挨拶でしょう!! タガワ、こんにちはですわ」

「タガワー! コニチハー!」

「うんうん、二人とも元気だねえ。お散歩してるのかい? ここはどうだい?」

「こことってもいいところー! 元気元気ー!!」

「ご心配いただきありがとうですわ。古代竜のお子もずいぶん良くなりましたし、薬草も豊富で私たちも楽しいですわ」

『キュッ! キュキュ!!』


 おっと、翡翠ちゃんどうした? 腕の中に飛び込んできた翡翠ちゃんを撫でる。妖精さんとばかり話したから拗ねちゃった?


 ん? なんだこれ。牙?

「どした? なに? 牙とれたの? あ、乳歯とれたの? イーってしてみ? もう新しいの生えた? 今は痛くない?『キュッ!』そかそか、よかった。ちょっと成長できたのかー、うんうん、いいねー! よかったよ。ん? これ? これ俺にくれるの? 『キュキュッ』ありがとう、もらっとくね」


 翡翠ちゃんの乳歯もらったな。あとでドラゴンのお母さんにも見せてあげないとな、成長してるみたいだよって教えたら安心してくれるだろうし。


「わたしもー! タガワー! これあげる! ハイ!」

「お、お、お、おねえさま!? な、な、な、な……」


 今度は何だ? 鱗粉? 鱗粉をくれるっていうか頭から掛けられたみたいなんだけど? え? ノッサさんが動揺してるけど大丈夫なんだろか?


「えっと、ありがとう? キラキラでかわいいね? 見えなくなったけど、うん、ありがとうね。……あ、もしかしてこれ家賃か? ……あー、そうか、しまったな。翡翠ちゃんはドラゴンのお母さんから鱗と加護もらって頼まれたからいいんだよ。フレヤさんとノッサさんは、いま鱗粉貰ったし、家に住むわけじゃないしな。「ヤチン渡したいー!!」あ、そうなの? んー、じゃあそうだな、じゃあ今度、薬草使って錬金術やってみようと思ってるから、そのとき手伝ってもらえたらいいかな? どう?」


「わかったー!! やったー!! ヤチン渡したー! 人間みたーい!!」

「そんなお手伝いなんて簡単簡単ですわー!」


 妙に嬉しそうな二人と一匹? をニコニコしながらふと横にいるライメットさんを見たら、恐れ慄いた顔で俺を見てるんだけどどうした?


「田川殿……、申し訳ない……。古代竜の牙やら妖精族の鱗粉のような、同じくらいの価値の魔物の肉となると、……我らすべての種族とアミール族や兎獣人鳥獣人すべての者に協力を頼んで動員したとしても持ってこれるかどうか……かなりの準備が必要になるし、犠牲も多々でるだろう。しかし必ずや「あっ、いやいやいや。犠牲が出るような狩りはしないでください。普通の肉でいいですし、ほんとやめてください」……田川殿、すまない」


「いやほんと、本当に普通の肉でいいんです。遠慮してるわけじゃなくてですね? ……あっ、じゃあ、異世界の木の実とか蜂蜜とか使うクッキーとかは作れますか? それだと売り出そうというか、えっと、警察の方とかに食べてもらうつもりなので家賃になりますよ?」


「ふむ、そんなのでいいのか? 我らにも手先が器用なのがおるのでな、そのくらいは作れるが、ほんとにそんなものでいいのか?」

「もちろん、異世界の食べ物で作ってくれると助かります」


「かしこまった。ではクッキーと肉と薬草を準備させてもらう。納める時には田川殿の家まで行くのでな。肉を狩りに行く場合はアヴィラ殿に伝えてお邪魔させてもらう」

「わかりました、お願いしますね」



 ―――山の用事はすんだので、ライメットさんからヨモギ、春の七草の薬草をもらって御暇することにした。


 あとは時間あるからイゴラフさんにお願いして秘薬を作る方を紹介してもらうかね。

 一週間後にアミーラさんをこちらの世界に連れていけるって伝えないとだしな。


 おっと、SNSのトレンドのお礼しとかないと。いつも忘れてしまうな。


【田川@ミケ:遅くなりましたが異世界の様子を撮っておいたビデオを昨日配信にて見せることが出来ました。切り抜きの方が頑張ってくれて、早速たくさんの方々が見てくださっていてありがたいです。

 トレンドにもなっているようで、ほんとうにありがとうございます。

GoTubeで異次元ゲート垂れ流ししております URL #猫#異次元ゲート 】




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