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―――さて、異次元ゲートをくぐった。
三上さんは大丈夫かな? っと。
……おっと、倒れ掛かってきた三上さんを抱きとめて、……あーやっぱり後藤さんみたいになってるな。
魔力酔いってこういう感じが普通なんだな。
しかしセクハラになると悪いから佐久間さんにお任せしたいんだけどな。佐久間さんはここまでならなかった気がするけど、って佐久間さんを見ると顔が青い。
あれっ? あー、こないだの馬車酔いだと思ってたのってやっぱり魔力酔いだったのかもしれない。
それに、佐久間さんは雷属性持ってるらしかったから、まだましだったのかもしれないなー。
三上さんは椅子に座っててもらおうか。
「三上さんごめんね。ここに座っていてね」
「すみ……ません……ここまで……ひどいと……おぇっ……思ってな……メモを……」
すごい執念でメモを書こうとしている。自分の現在の気持ちの悪さと地球での車酔いをしたときの差異を書いているように見える。……ほんと研究が好きなんだな。
「佐久間さんは、こないだの馬車のも魔力酔いだったのかもしれないですね。だとしたら車酔いの薬少しは効いたのかも? ……休んでて構わないので、ちょっと三上さんのこと見ていてくださいね」
イゴラフさんに挨拶しないと。三上さんのこと言ってなかったしな……。
「イゴラフさーん、おはようございます、いらっしゃいますか?」
「田川殿、どうされた? おや。新しい方ですね」
「田川殿! おはようございます! 今日は何用ですか!? 古代竜様のところに行くのであれば某が護衛いたす!」
ああ、ライメットさん元気がいいな……!
「今日はドラゴンさんには行かないですねー」
……ていうか懐かれたっぽい気がする。懐くと言っていいのかわからないけれど、尻尾振って歓迎してくれてるのはとてもかわいい。
このもふもふを邪険にすることはできないな……。
今度地球に連れてって翡翠ちゃんに挨拶してもらったほうがいいかねぇ? ……うちの周囲を守れる人は多い方がいいしなー、うん、何かあった時用にやっぱりうちも案内しておこうか。
少しライメットさんを見ながら考え込んでいたら、イゴラフさんに呼ばれた。
「田川殿?」
「あ、はい。新しい方は、研究者の方です。三上さんと言います。
もう少ししたら異次元ゲートから地球人がたくさん来るかもしれないのですが、そのときに魔力酔いをする可能性があると言うことで、その対策、酔い止めなどがあればなということで、自ら魔力酔いを体験しに来ています。
これから先ほどいただいた薬茶を飲ませてみたりする予定です。
それと、俺は魔力酔いしてないのですが、まあ三日くらい寝込んでいたらしいので覚えてないのもあるのかもなんですけど、その看病されていた時のことをアミーラさんに聞ければなーと思ってて。
アミーラさんにお会いする約束をとれたりしますか?」
「ああ、アヴィラが田川殿に粗相をしたときのことか。……アミーラ殿に確認する。ライメット殿。ここは頼む」
「ありがとうございます。あ、あとライメットさんも地球に連れてって、うちの案内と、ミケとアヴィラさんにも顔合わせをしていただきたいです。アヴィラさんが気にしていましたので。あとは翡翠ちゃんに挨拶してもらったほうがいいかな? とも思っています。……少しでもうちの周囲を守れる人は多い方がいいな、と思いまして。いかがですか?」
「ぜひ! 行きたいです!」
「……ふむ。顔合わせはたしかに必要だな。守りも多いほうが良い……。あいわかった。アミーラ殿のところから戻り次第、交代するのでな、田川殿に着いていくがよい」
イゴラフさんがアミーラさんに向かってくれたので、俺は三上さんに薬茶の準備をし、持ってきていた地球産の車酔い用の酔い止めも持って行く。
「三上さん、このお茶はイゴラフさんに頂いた酔い止めの薬茶です。こちらの世界の馬車酔い用に人族に卸している薬茶だそうです。これは地球から持ってきた酔い止めです。飲んでみて、違いを記録したらどうですか?」
「……あああ、……田川さん……神……おぇぇ……ありが……と…ござ……ま……」
「そういえば苦いって言ってたかも? 飲みますか? あ」
「……ぉぅぇ……っ……ぎぇ……まずぅ……ぃ」
「だ、大丈夫ですか……?」
み、三上さん……、苦いと言ったのにひったくるように飲んじゃった。
俺の腹にミケが挨拶するように頭をぐりぐりしてきてるんだけど、なにやってんだ? 背中さすれってこと? え、だめでしょ。
「み、三上さん……??」
「気持ち……悪いぃぃ……にがい…よぅ……、背中……さすって……くだし……」
ええー!? 大丈夫なの?
と、佐久間さんを見たらさっきより青い顔で口を押えてえずいている……、ああ、こっちもか……まさか飲んじゃったの?
「ほら、佐久間さんも座って……。ああもう、無理して飲まないでいいのに」
二人の背中をさすりながら、「俺がメモりますかね……」三上さんの研究メモに書いていく。
『薬茶は地球人には早かったようだ。酔い止めの研究が必須』
『顔色が青いを通り越して白い。念のため二人と薬茶の画像を取っておく』
薬茶と二人の顔色を画像に残しておく。薬茶の匂いも確認してメモっとくか。
……うぉっ!? なにこれ……え……? うわっ……? え? すっぱい……へどろ? それなのにツンとくる匂いがする。……よくこんなの飲んだな……。罰ゲームどころじゃないぞ。あ、もしかしてもっと薄める感じ? やべ……。
どのくらいの水でお茶として出せるのか聞いておけばよかったな。まさかこれほどとは……。
『薬茶の匂いを嗅いでみたけど、生物兵器かもしれないという匂いだった。匂いで涙が出るすっぱさとへどろみたいな匂いとツンとくる匂いでかなり厳しい。もう少し量の多い水で飲むものだったのかもしれない。イゴラフさんに水の分量を要確認』
「……あぁーー……車酔いは飲んでみますか? もう少し休憩します? まあ一旦お水でも飲んで口直ししてください。匂いで涙出てくるとかびっくりしましたよ」
「ちょっと……いまは、……飲め…ない……感じ……です」
「私も無理そうです……」
「一旦、うちに戻ります? んで回復したら車酔いの薬飲んでもらうのでもいいかもですね」
と、イゴラフさんが戻ってきた。
「田川殿、アミーラ殿は今日は準備をするので明日でどうかだそうだ。よろしいか?」
「……ぜひ!」
「大丈夫……かな? 大丈夫だと思います。ありがとうございます」
「私は明日の休みは取ってないので、田川さんと三上が伺います。……田川さんは会社に出張申請しておきますので、心配なさらず」
ちらっと佐久間さんに確認したところ大丈夫そうだった。うん、俺より先に三上さんが食い気味に叫んだ。
「ああ、んじゃあもう一人、ミケの獣医の担当の先生も連れていきますね。聞いてないけど絶対来ると思います。あと、アミーラさんになにかお土産を渡したいのですが、何がいいですかねえ?」
「田川殿、先日の寿司という食べ物が良い。美味かったと自慢したらアミーラ殿が拗ねたのだ……」
「ははは! じゃあ、クーラーに保冷剤入れて持って行きますね。それと研究が進みそうにないのと部屋の工事があるので一旦戻ります。ライメットさんも一緒に来れそうでしたら行きますか? 案内しますが」
―――イゴラフさんが警護してくれるということで、ライメットさんもうちに来ることになった。
ライメットさんはイゴラフさん程大きくないから、異次元ゲート少しかがんだくらいで入れるね。ルトミスさんより少し大きいくらいかな?
んじゃちょっと戻るか。




