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―――薬草の資料と酔い止めの薬茶と肉をもらって家に戻ってきた。
……ライメットさんがドラゴンさんの話を聞きたいとずっと騒ぐので、イゴラフさんに三上さんのこと言うの忘れてしまったわ……。
まあもういいか。ミケとアヴィラさんにもらったお肉を出したり、俺も肉を料理しないといけないしな。
なんかすげー疲れたな。
てかミケチェックがすごい。狼さんの匂いでもするのかな? アヴィラさんもふんすふんすしてる。
「ああ、この匂いね。ミケにアヴィラさん、異次元ゲートのあちら側の警護に狼獣人さんが増員になってね。ディルス族のライメット・ディルスさんという方だから……」
「グアゥッ」
「ああ、んー? 会っておきたいの? そうか、なら今度こちらにも挨拶に来てもらおうね。そだね、こっちにも来るかもだしねー。ま、明日三上さんの魔力酔い検査に行ったときに伝えておくね。さ、じゃあ、お肉だすね。ごはんにしよう」
二人のごはんを出して、俺の飯の前に、薬草の資料をパソコンとスマホに移して……っと、俺も飯にしようか。
この時期は山菜も美味いしな。あ、近所のおばさんが作ってくれたやつだね。ちなみに獣医の先生にも山菜おすそ分けしてある。
うおービールビール! これももちろん飲むぞー! 今日は配信はいいや。挨拶だけしてやめといた。
あと、サンクさんはちょっと遅めに帰ってきた。ごはんを佐藤さんと、佐藤さんの先輩の方々と食べてきたらしい。
女性陣ばかりだったのでガッチガチに緊張してたらしい。
佐藤さんがちょっと不機嫌だったからなんかあったのか聞いてみたら、
「田川さーん! 聞いてくださいよー! サンクさんったら先輩方を見て、『こんな天女のような方々とご一緒できるなんて……、俺は死ぬのだろうか』とか言い出してー! 先輩方がきゃっきゃして大変でしたよー! わ、た、し、の、サンクさんなんですー!」
なんだやきもちか。どうでもいいな。
まあサンクさんもにこにこ幸せそうだしよかったね。なんなのまじで。
あと明日は俺会社に送ったらもう家にいないといけないから、また佐藤さんに迎えに行ってもらってねって伝えといた。さすがにバスに乗って帰ってこいとはまだ言えないしな。
あと佐藤さんがサンクさんにスマホを渡していた。
文字まだ読めないけど大丈夫か? 通話ならいける? あ、ソウデスカ。はいはい。よかったね!
幸せオーラに充てられた感じがする。
一緒に住めよもう!
……あー、異次元ゲートの周囲に異世界人用の家あってもいいかもなー。ちょっと考えるか。
―――さて、翌日。今日は三上さんが魔力酔い体験をする。
……っていうか、まだ八時なのに、もう家の前に三上さんと佐久間さんがいるんだがどうなってんだ。
……さすがに早すぎだろ。佐久間さんなんか目が死んでるぞ。
仕方がないから家に通す。早すぎでしょ……? まだサンクさんも送ってないぞ。
しかも第一声がこうだ。
「おはようございます!! 田川さん! 私も異世界の街に行ってみたい。いっぱいよもつひらぐいしたい!!! 一緒に来て欲しい!!」
まあ挨拶はできてるね。進歩してる。それと、
「え、三上さんは女性で危ないから無理」
「あははー! 私なんて女に見られたことないから大丈夫」
「私なんてとか卑下しない。あとそんなこと言う人がおかしい、ありえない。どうみても女性ですし、しかも笑顔のかわいらしい女性です。危険すぎます。だめです」
「……。ぇ……」
なんか赤くなって黙ったんだけど、どうしたんだ。
まあ、街に行くのは絶対にだめ。
あー、アミーラさんのところなら、ワンチャンありかもな? ごはん食べるだけなら。……こちらからもなんかお土産みたいなの持って行って交換してもらう感じでならいけるかも?
そういや、獣医の先生のこともアミーラさんに伝えないといけなかったんだな。
んー。イゴラフさんに打診してもいいかもな。
「あのあの、でも、やっぱり魔力酔いなのか馬車酔いなのか、自分で体験してみないとわからないと思うんです……。今まで一番異世界に行ったり来たりしてるの田川さんですし、一番慣れてそうなので、一緒に来て欲しいんです」
なんか急に愁傷になってるな。なにがあった。
「……まだ、諦めてなかったのか。まあ、異世界行ったり来たりしてるのはたしかにそうかもだけども。てか、魔力酔いと馬車酔いの違いか……。うううーん、それはたしかに言われて見ればそうか……。違いがあるのか? ……しかし危険すぎる……気がする……。んーーー佐久間さんはどう思いますか?」
佐久間さんは三上さんと俺と忙しなく見つつ、考え込んだ。
「危険だとは思います。ただ魔力酔いと馬車酔いの違いと言われると、私もわからないので一理あるんですよね……うーん」
ぱぁっと笑顔になった三上さん「ですよねですよね!」と言いながら、にっこにこで俺にとっても得になることを思いついたようだ。
「出張手当と危険手当と私の手当てもボーナスというか全額お渡し出来ますし! あとあと私がができることがあればなんでもしますので、どうか!」
「……三上さん、いいですか? 女性がなんでもしますとか、軽々しく言ってはいけません。変態な人がいたらどうするんです? まあ、ボーナスは揺らぐ……ぐぬぬぬ。……ううーん、そうだね。一旦、アミール族のみなさんに聞いてみよう。護衛してくれる方がいれば、三上さんも行けるかもしれないし。
あと、まずはアミーラさんのところでごはんを交換してもらって三上さんも食べてみたらいいのでは」
「それでお願いします!」
三上さんがきらきらした期待するような尊敬するような目で俺を見てくるんだが、俺は別にイゴラフさんに聞いてみるだけだぞ。
「ああ、あともう一人、ミケの担当獣医さんが知り合いにいるんですけど、その人も一緒に食事食べられるようにしたいんですが、佐久間さんも三上さんも知らない人いても大丈夫ですか?」
「私は全然いいです!」
「私も構いませんよ。ミケちゃんを田川さんが良くない医者に連れていくはずもないですし。ただの知り合いではないんでしょ?」
「中学時代の先輩ですね。近所でとてもお世話になってるんですよね。で、頼まれごとされてましてね、いい機会なので」
「てか、ちょっとサンクさんを会社に送ってくるので、待っててもらえますか? さすがにもっと遅いと思ってたので、これから行ってきます。九時には戻れると思います」
「ほんとすみません」
佐久間さんが小さくなって謝ってる。三上さんに連れられたんですよねー? わかりますよ。
ミケとアヴィラさんに昨日言ってたこちらが三上さんね。ちょっとサンクさん送ってくるから、お留守番しててと伝えて家を出た。
三上さんはペタンと座ったままミケとアヴィラさんにふんすふんすと匂いをかがせていた。
―――さてさて、サンクさんも送ったし、異次元ゲートをくぐるぞー。魔力酔いは個人個人で違うみたいだからどうなるかな。




