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―――今日はもう三上さんがテンション上がりすぎたのと、異世界に魔力酔いの体験をするために研究をお休みするから、その引継ぎを急遽するということで検査は終了になった。
そして次の日に来るって言ってた。早すぎだろ。
まあ俺も休みだし、出入り口の工事も立会できるしで予定的には完璧だけどね。
「サンプルとして佐久間さんにも来てもらいます!!」
って言ってた。うん。サンプルって言ってた。
SNSでちゃんと帰ってきたよという報告をしておこう。
【田川@ミケ:今日の俺の身体検査は無事終了しました! 普通の身体検査と勘? サーチ? 関係の実験と研究者の方との問診をして帰ってきました! ちなみに明日はその研究者の方が魔力酔いの体験をしたいということで、うちの異次元ゲートより異世界に行くことになりました。魔力酔いに効く薬ができるといいですよね。
GoTubeで異次元ゲート垂れ流ししております URL #猫#異次元ゲート 】
―――家に帰ってきたらミケがちょっと警戒してる。
これ、病院の臭いでもするのかなー? ミケの病院に行くときは自分からケージに入るんだけど、親父の病院に行ってきた帰りとかはいつも警戒してたからな。
そういやちゃんと伝えてなかったな。
「ミケ? 今日は俺の身体検査、んっと健康診断に行ってきただけだから。病院とかで入院はないから大丈夫だからね」
ミケは賢いからな。
少しの不安も感じさせたくないからなー、一応伝えないとね。
すりっと足に身体をくっつけてくれたから、お許しは出たみたい。ううーーん、かわいいちゃんだなぁ!!
「あ、あと明日は俺休みだけど、佐久間さんと、知らないお客さんが来てちょっと異世界に顔を出すとかあるから。あー、そうだ妖精さんたちは帰った? 知らないお客さんは研究者の方だから、念のため妖精さんは異世界に帰ってた方がいいかもしれないね。わかんないけどイメージね」
「グアァ」
アヴィラさんが異次元ゲートの方に顔を向けてうなったから、帰ったぽいね。
「あ、帰った? よかった。ああ、お肉は食べた? まだ? じゃあもらってくるか。……ああ、ついでに薬草のことも聞いてくるか。んじゃちょっと行ってくるね。サンクさんは佐藤さんが送ってきてくれるそうだけど、もし俺がいない時に来ても入れなくていいからね、待っててもらってね」
―――さて、
「イゴラフさーん、こんにちは。夕方だからもうこんばんはかな。いらっしゃいますか?」
「田川殿、どうなさった」
「先日は、ドラゴンさんのところでお世話になりました。今日はですね、薬草のことを教えていただきたくて来たのです。あとはお肉をいただきに……」
「……薬草とは、秘薬の薬草か?」
「んんーと、それもあるんですけど。まあ、こちらでは魔力酔い、んー、と馬車酔いとかになるときに飲むような薬はあります? ということを聞きに来たのと、あとは厳密に言うと、秘薬の薬草に似ている成分の物が地球にもあるようなら、こちらでも作れるのではないかなと思いましてね」
「馬車酔いの薬はあるぞ。人族用に卸しているものもある。それをお渡ししよう。それと秘薬の薬草は現物を渡すことはできないが、デラドガルが薬草を写生して細かな特徴を書いてまとめておった。それは田川殿用だったのでな、それをお渡ししよう。肉も持ってくるでな。少し待たれよ」
準備が良すぎるな!
さすがに有能だなーと周囲を見回すと、警戒している狼? 犬の獣人族の人がいた。
おっと!? 全然気付かなかった……イゴラフさんが戻ってきたら、初めましての挨拶したいな。
じっとみてるのもだめだな。ぐぬぬ、気になるうー! かなりもふもふだった! ……イゴラフさんまだかな。
「田川殿、こちらがその資料だ。これが酔い止めの薬だ。乾燥した薬草を煎じたものだ。薬茶だ。……しかしかなり苦いぞ。飲むときは心して飲んだほうが良い。あと肉はこちらに」
イゴラフさんから資料と、紙に包まれた薬をもらった。ああ、薬茶なのか。だと薬というかお茶で予防する感じなのかもな。
まあ三上さんが喜んで飲みそうだし任せよう。
「ありがとうございます、助かります! 地球の薬草で代用できるのがあったら教えたほうがいいですか? 「いや、そこらは任せる」……わかりました。ではありがたく頂きますね。……あと……」
ちらっと狼獣人さんを見たら狼さんもこちらに来てくれた。
「ああ、そうであったな。先ほどこちらに着いたのだ。某と共にここの警備をしてくれることになった、ディルス族のライメット殿だ。ライメット殿、こちらは田川殿だ。異世界側の自宅に罅が出たそうでな、その管理をしておられる。うちのアヴィラが従っているミケ殿という女性の保護者でな、アミール族の身内のようなものだ」
イゴラフさんが紹介してくれたというか、やっぱり俺身内判定なのか、……きちんと挨拶しておこう。
「田川と申します。異世界側とこちらの管理というか交渉を担っております。ライメットさんにはご苦労をおかけするかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします」
「ライメット・ディルスだ。罅が出来たのは我らも認識しておったのだが、少々ごたついておってな。すぐにこちらに来ることが出来ず、遅くなってしまった。……ところで、その、田川殿? の首にある鱗は、まさか」
ライメット・ディルスさんだね。やはり犬というよりも狼だねー。大きくて白系で、ハスキーに似てる感じ。もふもふだね! もっふもふだね!!
「ん? あ、これ、ドラゴンさんがケガしてたのを少しだけ回復することができたらお礼にと下さったんですよねー! 竜鱗の守りのネックレスです!! 魔法で鎖も作ってくれて職人みたいでしたよ!!」
「なんと!?」
「ああ、ディルス族はたしか古代竜を崇めておったな……? その古代竜の怪我を田川殿が癒したのだ。そして現在は古代竜のお子を異世界にてお世話しておるぞ。我もその場におったでな」
「なんと……。なんとありがたい……! 田川殿、ディルス族からもぜひお礼を……!」
なんかライメットさんが竜鱗の守りのネックレスを見て祈るようになったと思ったら、俺の頭の匂いを嗅いでわなわなと震えだしたんだけど……、ねえ……? それやめてよー? え、加齢臭……? 俺臭い?
腕とかクンクンしてみるけどわからん。
ライメットさんが天を仰いだ。
「古代竜の血の守りまで……!!!」
あ、加齢臭じゃないみたい。よかった……。




