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異世界臨時公務員始めました(ゲートあります)  作者: 仲田野 寿


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―――さっそく日帰り検査の公式出張が申請されて、会社側も許可を出した。そりゃそうだよなー。


 ていうか仕事が早い。三上さんだっけ? が突き上げたんだろうなーという感じがする。

 ちなみに三上さんは女性だった。

 ……俺のイメージはすでに白衣を着てフラスコ? だっけ? を振っているマッドサイエンティストのイメージになってる。


 明日の予定は、まずサンクさんは俺が朝会社に連れてきて、そして終わった後の帰りは佐藤さんが迎えに来るとのことだった。


 ちゃんと佐藤さんに経緯を説明して来てもらうことにしたよ。……なぜかその時に佐藤さんの先輩かな? 女性の方にも同じ説明をすることになったのが謎すぎるけど、まあ、いいとしよう。


 それから、俺自身の準備としては、夜八時以降の飲食は禁止だそうだ。

 ……ああー、胃の中身まで見るんだろうか……? バリウム飲む前の日の準備段階っぽくていやすぎる。


 あと、異次元パスポート受付用の仮設住宅と俺の家をつなげる工事の日程もついでみたいに詰めてくれてた。明後日らしい。……急すぎない? 明日明後日、出張扱いで会社は行かないということだね。

 万が一俺の検査が長引いてもいいようにしたのかもしれない。まあ、もしバリウム飲むとかなら休みの方がありがたい気もするね。


 あ、SNSには報告しておくか。


【田川@ミケ:明日、俺の身体を検査することになりました。もし万が一、帰ってこなかったらミケのこと頼みます……。ちなみに日帰りにしてもらっています。


 GoTubeで異次元ゲート垂れ流ししております URL #猫#異次元ゲート 】



 今日は挨拶だけして配信は切ることにした。

 んでサンクさんは俺の家に泊まっている。妖精たちにはいてもいいけど、危ないかもだから外には出ないように! と厳命しておいた。


 もし万が一、変態さんとかいて捕まったら後味の悪いことになるからねえ。さすがにね!

 この子たちはかわいいからね。



―――さて、次の日、サンクさんを会社に送ってから佐久間さんに言われた場所に行く。


 ……なんか、普通の健康診断する場所だった。え、ほんとに普通の検査なのかもしれない。


 身長体重、尿検査、血液検査。既往病があるかなどの問診、いつもの会社の健康診断と同じように進む。貧血検査や視力検査、眼圧検査などもした。


 違うところを言ったほうがいいかな。……違うところは、車酔いや3D酔いはしやすいかどうかなどを問診で聞かれたことと、MRIやCTにも入ったことかな。胃はバリウムは飲まないで胃カメラを入れられた。鼻からだった。俺、胃カメラ初めてだったんだけど、なんかけっこうするすると入ったなー。バリウムよりめっちゃいい。けど、会社は集団検診だから無理なんだろうなー。


 そこまで検査してからは別室に通された。


 あ、たぶんこの人が三上さんだな……。


 白衣にメガネをかけて髪はひっつめ、たぶん俺よりは若いんだろうけど年齢不詳。研究に身命をささげていますという眼光で、俺を鋭くというか……、わっくわくで俺のことをモルモットか何かのようにじーーーっと見てる人がいた。

 手には、あの、立ったまま書類に文字を書くときの板? を持っている。書類を挟むやつね。あれ、名前、なんていうんだろ? なんもわからん。


「三上です。こんにちは! 田川さんですね! 今日はありがとうございます! 早速ですが、これを探してください!」


「あ、挨拶できるんだ」


 あ、心の声がリアルに出てしまった。


「出来ますよ!! 失礼な!! 昨日佐久間さんにすごくすっごく怒られてちゃんと名乗って挨拶しないと会わせないと言われたので、手に! 挨拶と名乗る! ってメモってましたよ!!」


 メモったのか。なるほど、やっぱりなー。


「なるほど。……田川です。三上さん、今日はよろしくお願いします。……で、何を探すのですか?」

「これですこれこれ!」


 テンション高いなー……。

 これこれ!! と言いながら写真をみせてくれた。


「この部屋のどっかにあるので、探してください!」


 ああー。なるほど、身体検査とこういう魔法系の検査と一緒に済ませるのね。ちゃっちゃとできれば早く終わるのかもしれないな。


「……やってみます。勘かもなので、見つからないときはすみません」


 んっと、この写真の物どこにあるかなー? と集中する。……たぶん、なんとなーく? ある感じなんだけど、んんん? なんか、なんか二か所? っていう感じがする。 なんだろこれ? まあ一か所ずつ探してみる。


 一か所は、テーブルの下にくっついていた同じ写真。


「えっと、これですね? あと……」


 あとは、やっぱりこれかな? と伝えることにする。


「もう一つは三上さんのポケットの中にありますね。……セクハラになりかねないので指摘だけにします」


 みるみるうちに三上さんの顔が輝いた。おや、笑顔になるとかわいらしい。


「すごいです!!! 当たりました! まさか……本当に……!!? なんでわかったのです?? どうして?」


「え……。なんとなく……ですね?」

「ああああああ、全然わからない!!! 気になる気になる!!! 気になる木!!!」

「……木……??」


 木……?? 

 変な人でおもしろいな。


 ―――それからは三上さんからの問診になった。問診というか質問攻めだった。


「田川さんは!! 魔力酔いをしない?」

「最初はしたのかもだけど、記憶にない。今はしない」

「なぜ!? しなくなった?」

「わからない」

「わかんない!!!? ああああ憶測でも良いからなにかない?」

「んー。食べ物だと思います。異世界は食べ物にも魔力が入っているから、それを食べてるから魔力が増えてるのかも? たしかうちのアヴィラさんも魔力のために魔物の肉を食べさせてって言われた気がする。俺も一緒に食べてた。ミケの味見で食べたし、俺の分も持ってきてくれるし普通に美味しいし」

「世持つへ食い!!!??? 魔物の肉うう!!?」

「はい」

「なるほど!!! 今度、食べてみたい!!」

「……機会があれば」

「機会はつくる!! あとあと魔力酔いに効く薬はある?」

「あー。どうだろう? 聞いたことはないですね。異世界の人は魔力酔いする人はいないみたいなので。あ、でも車酔いの薬は佐久間さんに上げたけど、あれはどうなんだろう? 馬車に乗ったときだから、魔力酔いではないかも? そこは佐久間さんにきいてくださいね」

「佐久間さん!!! 車酔いが魔力酔いに効くならすばら!! なら! 最初の人も楽かも!! 研究したい!! 何かわかることがあれば教えて!」

「ああ。異世界に最初に行く人のためなのか。なるほど。それはたしかに、いい考えですね」


 なるほどね。異次元パスポートで異世界に渡航する人用に、魔力酔いの緩和が出来ればとても人助けにはなる。

 マッドサイエンティストなんて思ってしまってごめんね三上さん。


 研究も好きなんだろうけど、ちゃんと人のこと考えてるいい人だったや。見直した。

 協力できることは協力しようか。


「うーん、では、三上さんも異世界に一緒に行って魔力酔いを自分で体験した方がいいかもですね。もしかしたら魔力酔いしない体質だとしたら、自身を検査とかも出来るわけですし。魔力酔いしたらしたで何かわかるかもだし」


「やってみたい!!」


 やっぱり乗り気になった



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