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異世界臨時公務員始めました(ゲートあります)  作者: 仲田野 寿


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―――一応イゴラフさんに薬草のことを聞きに行こうかと思いつつ、もうやっぱり今日は疲れたからやめよう。

 

 裏山でひさびさの山菜採りをしたから、けっこう足腰がやばい。山菜採りは斜面登ったりするからかなり疲れるんだよなぁ。まあ、あんまり斜面はない山ではあるんだけどね、俺のとこの山は。


 今日は配信でも見ながらビール飲んでゆっくりするかーもう。会社も出張扱いで休みだし、一応サンクさんへの言伝はイゴラフさんにお願いしてあるしなー。サンクさんもこっち来たらそのうち異次元ゲートから来てくれるんじゃないかな?


 そうそう、配信といえば先日ね、獣の道筋、通称獣道っていう格闘ゲームする人にとっては、かなり大きなイベントっていうか試合があったんだけどさ。それ見て感動したよね……。

 俺四十じゃん、でもその俺よりも年上の、むかーしからその業界を引っ張ってきた人が、あそこまで頑張れるというか、その姿が見れるのが感動したと言うか。涙腺が弱くなったのもあるけど、泣いたよなー。

 

 でだ、同年代のその人が頑張っているその姿を見て、全然関係はないけれど俺も、もし錬金術が出来るようならそれで頑張ってみてハゲの人用の薬というか、増毛? の薬とか作れたらなーなんて、さっき思ったわけだ。まあさっきなんだけどな!


 ……なんで増毛かっていうとね、……親父がね、死ぬ前なんだけど薬の副作用で髪抜けるのけっこう気にしてね。やっぱり年取っても、髪抜けるのは気になるよなー、って思ってたんだよな。もし自分が助けられるならなんとか頑張りたいよな。まあ、金のためでもあるけどね! 俺は独り身だから、なんかあったときに頼るのは金になるからなー。


 あああ、そういやさっきSNSであとで説明するって言っちゃったなー。あとたぶんだけど、経緯と詳細ニキがスパチャ50,000とかくれてたのが見えた気がする。……赤い文字だったから、たぶんそう。


 ううむ。

 獣道の後日談とか配信見たいけど、さっきもスパチャけっこう貰ってたし、配信するかー。翡翠ちゃんは今、山だけど、まあいいか。


 そうだ! 竜鱗の守りのネックレスも自慢したいしなー!

 よし、ビール持ってこよう。



―――ポテチもってきたりして配信準備してっと、あれ? そういや、妖精たちはどこいったんだ? 帰ってきたときには静かだったから気にしなかったけど、帰ったかな?


 周囲を見回してみる。あ、……ミケのベッドで寝てる。毛だらけじゃねーかよ! ミケにこれ怒られないかー? まあミケが気付かないわけないから、許可取ったんだよな。全く、なにやってんだか。



―――ま、じゃあ配信に挨拶するか。


「みなさま、先程はうるさくてすみません。田川です。経緯と詳細ニキが赤文字スパチャとかくれたの見えてました、ありがとうございます! 今日は疲れたのであんまり長くはいませんが、少し経緯と詳細をお伝えしたいです」 


【待ってた】

【きたあああああ】

¥3,000

【経緯と詳細ニキに感謝】

【さっきの妖精ちゃんは?】

【サンクさんはどうなったのー?】

【ミケたんは】

【やはりビールは必需品か】

¥1,500

【ビール代】


「えっと、どこからの経緯と詳細なんだっけな……? まじで色々ありすぎてわけがわからん……」


【イゴラフさんに用事あるって】

【妖精連れて帰ってきた】

【ドラゴンいたような?】

【サンクさんにも用事あるみたいなこと言ってなかった?】

【忙しそうだったな】


「ああ、そうか。えっとですね、イゴラフさんに、ギルド設置のときにうち側にも受付要因で誰か獣人の方が入れるようにしてほしいと伝えに行ったんですよ。そしたら、ああ、今の状態だと俺がいないとこっちから誰も入れないし、それだと佐藤さんとか他の方に何かあったときみたいに、緊急ではいけなくなるからねー。

で、今はルトミスさんにもここにいてほしいとお願いしたんだよね。受付だけじゃなく魔法も使えるからある程度護衛になれるからね」


【ああ、なるほど】

【サトウさんのときはびびったもんな】

【それめっちゃ大事だよな】

【それをいいに言ったのか】

【交渉役までするのか】

【国はどうした】


「ミケもいるしね、ミケの安全のためにもね。アヴィラさんは最終的にミケしか守らないと思うんだよねー。なので、仕事としてやってくれる方を頼みたいなと思ってね」


【なるほど】

【いいね】

【アヴィラ君わろた】

¥2,000

【ミケたんへの愛】

¥100

【アヴィラ君のことも信じて】


「あと、そのうち受付業務もしてもらいたいから、読み書きできるように日本語学校ができればいいなーというのとか、あとはサンクさんにうちの会社に就職しませんか? とスカウトに行こうかなーとか、そういう用件を言いに行ったんですよ」


【日本語学校いいね】

【雇用も生まれそう】

【そういうのは国がやるのでは?】

【たぶん業務が多すぎて手が回ってないと思うぞ】

【事件は現場で起きるからな】

【当事者でないとわからないのもあるしな】


「うんうん、ですよねー! 国主体でやってもらうのが一番いいんですがねー。お役所仕事とかで遅くなりすぎるとね、ほら、聖王国とかが攻めてきた! とかなったら一番最初に死ぬの俺なんでねー。まあ打診して個人的にやってるのを移行してもらうのでもいいわけでね、イゴラフさんからアミーラさんのお祖母さんにお願いしたというわけですよ」


【一番に死ぬのとかやめてね】

【ミケたんを守る会】

【聖王国やばいよな】

【そこ要塞化したほうが良くね?】


「で、ギルド予定地に行ったところ、妖精たちに引っ張られて、あ、この妖精ですね。ほら、あそこのミケのベッドで寝てますね。はしゃぎすぎて疲れたのかも。静かだし、このまま寝かせておきますね。んっと、こっちの金髪の子がフレヤさんで、こっちの青色の髪の子がノッサさん」


【はああああああああくぁいいいいい】

【これが尊みというものか】

【赤ちゃんかな?】

【はしゃいでたもんなあ】

【あれは疲れるだろなー】

【知り合いだったの?】


「ああ、妖精さんたちと出会ったのは、佐藤さんを助けに行ったときに話しかけられたからですね。変なおじさんって最初言われましたよー。それだけはやめてって田川って呼んでって名乗ったら知り合い認定された感じですかねー?」


【変なおじさん認定はやばい】

【チョロインかな?】

【知らない人についてっちゃだめって】

【フレヤたんが騙されそう】

【俺も異世界行きてーなー】

【引っ張られて??】


「あ、そうですね、妖精たちに引っ張られて連れて行かれたら、そこにドラゴンがいたんですよー! びっくりですよね! イゴラフさんも一緒に行ってもらったんですけど、俺の前に出て守ってくれようとしたんですよ!! イゴラフさんかっこよかったですねー」


【でででたー! ドラゴン】

【ここでさっきの子か】

【イゴラフさん漢】

【イゴラフたん萌え】

【いや、イゴラフさん守ろうとしたってことはデカいんじゃね?】


「じゃじゃーーん!! そしてですねー!! なんと!! 竜の鱗の守りのネックレスを貰っちゃいました!! かっこいいですよねー!!」


【ぎやああああほしいいい】

【ドラゴンの鱗キターー】

【守りの……だと!?】

【それはそうなる】

【自慢げでかわいいやんけ】

¥20,000

【なぜそうなったのか経緯と詳細を……】


「あ、自慢したすぎてもろもろすっとばしてしまいました」


【そういうとこやぞ】

【そこはかとなく漂うポンコツ】



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