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―――短剣の護衛さんにお姫様抱っこされた佐藤さんを連れ帰った。
あ、重症者は応急処置をして引っ張ってきたよ。連れ帰るだけでもありがたいらしいね、魔物が出る可能性あるときに犯罪者を連れ帰るのはリスクがあるから普通は置いていくらしいよ。
後藤さんにとても感謝された。うんうん。よかった。
まだ後藤さんの顔色が悪いな。魔力酔いってすぐ治らないのか、体質もあるのかなー?
後藤さんが上司っぽく佐藤さんに聞いてる。これもしかして大問題になるかもなー。ううむ、困ったな。
「佐藤、何があったか言えるか?」
「はい、後藤さん。異次元ゲートより一般人を拉致したナイフを持った犯人が現れました。一緒に来いと手を取られ、異次元ゲートに引きずり込まれたところ、車酔い? して動けなくなりました。一般人の方はライオンの人が助けてくれたようですが、その間に犯人三名に囚われました。
犯人一名が怪我をしているらしく、わたしを背負い、かつ、重症者も背負ってだと魔物が出たときに対応できない。重症者は置いていく、置いていかないと犯人二名が口論になっておりました。
そのすきに少し回復しておりましたので、犯人一名を背負投げ、もう一名を回し蹴りで対応しました。ちょうど誰かの気配がしたようでそのまま逃げたようです。
わたしはまた車酔い? がぶり返し、体調が回復しないため重症者一名ととも待機しておりましたところ、田川さんが来てくださいました」
「よし、佐藤。よくやった。……で、まだ降りないのか? 体調は回復しないのか?」
「……よろしければ、私がこのままお送りいたします。タガワさんよろしいでしょうか?」
え、俺?
「いや佐藤さんがいいなら全然いいけど?」
佐藤さんもにっこにこで頷いてる。うれしそうだなー。
佐久間さんと後藤さんは少し呆れている。顔に出てるぞ。
イゴラフさんにここを任せて帰ろうと思ったけど、一応「イゴラフさんの管理がお一人だけだと大変ではない? ブラックでない?」と聞くと、ギルドができたら護衛兼受付管理業を獣人種族、今のところ狼猫兎鳥族で分担するという段取りになってはいたのだ、と教えてくれた。
ただ、今日のようなことが起きると大変なので、すぐ来てもらえるように通達するとのことだった。
聖王国があいつらを派遣するのは時間的に早すぎるから、個人的に来たとは思うが情報を吐き出させると言っていた。
その方が安全だしありがたいね。うんうん。
じゃあ、俺達はみんな心配してるから戻ろうか。こっちから入るのは俺の家に出るんだけどなー。
あっちから来れるのは今のところ俺だけ……? ん? 犯人が佐藤さんを引きずり込んだって言ってたから、異世界の人がアーミル族のここから俺の家にいったらそのままアーミル族のここに戻れてるな。
……そういや、ルトミスさんが相談事があると言ってたな。これならあれいけそうだ。
どうやらミケの側にいたいらしいのだが、護衛はアヴィラさんがしている、何か他に仕事はないかということだった。
じゃあ、受付業務してほしいな。ただ日本語の読み書きがまだできないみたいだけど、それができれば受付書類関係チェックも出来るようになるし、任せたいところだな……。
それが出来たら俺がいなくても異世界に渡らせることができるし、もしまた聖王国が魔法を使って人さらいに来たとしても対応できる。
よし、まず日本語の読み書きから覚えてもらおう……。
俺の家の受付管理出来る人が増えたら、家の異次元ゲートを獣人族の方々に管理してもらうことにしてもいいかもなー。
―――さてさて、家に帰ってきた。うおおーミケー! 疲れたよー! アヴィラさんもありがとうね。みんな無事だから大丈夫。
……うぇー、まじで疲れた。佐久間さんもどんよりしてる。うんうん、わかるわかる……疲れるよな。もう忘れないうちに牙とくるくる角を渡しておこう。はい。
あ、配信つけっぱ、っていうか、このおかげですぐ対応できたんだよねー! お礼伝えておかないとな、心配してくれてるだろうし。
「配信をご覧の皆様。戻りました……! 佐藤さんも、この通り無事です。怪我もなく帰ってこれました。ほんとうにありがとうございました! あと、この家の受付も少し獣人族の方に強化してもらおうと考えています。まああとで相談しますが」
【佐藤さんよかった】
【無事で良かった】
【まじでこわかった】
【ドラマみたいだった】
【そちらさまはどなた?】
【なんでお姫様抱っこ!!?】
¥50,000
【無事祝い】
【鎧に違和感ないのがかっこいい】
【怪我してないんだよね?】
【いぶし銀っぽい】
「あ、この方は異世界の人質になってた行商人の人の護衛の方ですね。佐藤さんには怪我はないのですが、異世界に行くと魔力酔いってあるようで、体質だと思うんですが、動けなくなる人いるんですよ。それで大事を取って運んでくれてますね」
「あ、短剣の護衛さん、もう下ろしてもいいと思いますよー」
【名前なんだって?】
【二つ名??】
【魔力酔いか、なんか前聞いたかも】
短剣の護衛さんは佐藤さんをそっと下ろした。
そして跪いた。
え?
「え?」
【え?】
【なんだ?】
「サトウサン、美しい方、……これからも貴方を守りたい。守らせてほしい。どうかこの剣を捧げさせてくれないだろうか?」
短剣の護衛さんが佐藤さんに跪いて、剣を抜き、誓いのようなものをしてる。うわー。かっこいいっていうかすげー。
……ていうか、さっき会ったばっかりだよなあ?? ええ?
「え」
【ぎええええええええええ】
【うおおおおおおおおおおおお】
【プロポーズ来たああ!!!】
【剣の誓い!!!】
【いやああああああかっこいいいいいいいい!!!】
【これだから!!配信】
【見ててよかった】
「あわわわわ、どどど、どうぞよろしくおねがいします!」
佐藤さんオッケーしててすごい。この子の心臓強すぎだろ。すげえな……。さすが犯人倒してるだけあるな!
いやでもまじ? 展開が早すぎるよな……??
俺と佐久間さん後藤さんはぽかーんとしてる。いやだってさ、さっき会ったばっかりだよな??(二回目)
【おい!美緒やりやがったなてめえ!!】
【抜け駆けがよおおおお】
【心配してたのにいいいやああああ】
【なんか阿鼻叫喚になってる人いる】
【もしかして:佐藤さんの知り合い】
【もしかして:警察の人たち】
【うちらもそこ勤務希望だそう】
え、まじでこれどうなるの??




