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声がしたんだけど……?
え? え? どっから……?
「おじさんなんか変だね!! ねえねえ!! 何してるの?」
「なんか変とは急に失礼だな。って誰だ!? どこだ!?」
―――俺の頭上に、それはいた。
金色の髪にちいさな身体、青い蝶々のような羽、羽に尻尾がついてるの感じ。そして上半身が葉っぱの服、スカートが花びらで出来ていて淡い光を放っている、うん、妖精のイメージまんまの妖精が浮いていた。
「……なにこれ、妖精? ……え、うわぁ、イメージまんま、妖精にしかみえない。いや、もしかすると……これが黒幕か……?」
「なっ……!!?」
短剣の護衛さんもお姫様抱っこしながら挙動不審になってるー!!
あと俺は昔のゲームのせいで、妖精が黒幕にしか見えない呪いにかかっているので無駄に疑ってしまう。
かわいいキャラクターに魔法少女になってよ! と契約させられたらえらいことになったとかよくあるもんな……。俺は騙されないぞ。
「くろ……? なにいってるかわかんないけど!! おじさんって今いっぱい出来てる罅から来た人ーー?? まわりの魔力がどんどんおじさんに入って行ってて面白いのー!」
「おねえさま!! あぶないのだぞ!!! 知らない人について言ってはダメといわれているのだぞ!!」
「うわ、もう一匹増えた」
今度は青い色の髪に同じような服装。羽の色だけ違っていて、こちらは赤っぽいアゲハ蝶の羽だ。うっすら光っている。羽の尻尾はこの子にはないな。
「もう一匹ってなんなのだぞ! 失礼なのだぞ! 我らは誇り高き妖精族の一員なのだぞ! フレヤおねえさまと妾はノッサだぞ! お前のような者に一匹などと言われる筋合いはないのだぞ!」
「あ、たしかに失礼だったな。フレヤさんにノッサさん、ごめんね」
「ぬ? 素直なのは良い美徳なのだぞ! 許すぞ!」
「ねえねえーー!! ノッサとばっかり話しててずるくなーーい!? フレヤとも話してよーー!! おじさん罅から来た人でしょーー!! ねえねええーー!!」
緑髪のフレヤさんに髪を引っ張られている。えええー。
「……うるせえな!!!? こちとら気持ち悪くて寝てたのに!!」
「うわぁーー!!?」
「ふわっわあわ!!?」
「うぉっ!!」
「うおわ!? ……あ、佐藤さんが起きた。おはよう」
妖精の二人が俺の髪の間に逃げた。
……なんでそこなんだ。
「あ、田川さん? おはようございます。じゃねええよ!! あああああああ怖かったあああああ!! なんか異次元ゲートから急に人質が、ライオンの人が犯人殺したけど、あ、人質、あの人大丈夫でした? 「行商人さんなら無事だよ、佐藤さんのこと心配していたよ」あ、よかった。
一般人巻き込んだと思って始末書がよぎったんですけど……、始末書書かなくてすんだ……。
んで、なんか車酔いみたいになって気持ち悪かったけどどうにかしないとと思ってたら犯人が重症者置いていく置いていかないでもめて騒いでて、その間にやつら背負い投げしたら逃げてってー、でも気持ち悪いのは治らないから仕方ないから寝てたんですううう、よくここがわかりましたねー助かりましたよおおお」
佐藤さん一息で言った。すげえ。
しかも犯人倒してるな。え、強くね!? さすが警察官!!! 日本の警察官は優秀なのだー!!
「おおー!! 佐藤さん強いね!! すごい!! 無事でよかったよー!! あと重症者はあそこにそのまま。
ああ、俺はなんか佐藤さんの居場所がたぶん勘? でわかったから迎えに来てみた。でも重くて運べなかったから短剣の護衛さんにお願いして現在みたいな感じ」
「……重い……? って、ええ!? あわわわわ! マッチョな人にお姫様抱っこされてるーー!! ええー! すごーい!」
重いって言った瞬間、すっとハイライトがない目で一瞬見られて冷や汗が出た……。
「いやっ、違うくてね。えっと、いや? あー……そうだ! 俺の力がなさ過ぎて運べなかったんだ」
言い訳してるその間も妖精の二人は俺の髪の中にいるんだけど、これどうすんの。
「こわーい!!!」
「こわいですわ!」
俺の頭の中で二人でこそこそ話してるんだが?
「フレヤさんにノッサさん。ごめんね、今ちょっとバタバタしてて急いでるんだ。このお姉さんも体調が悪くてね。あっちの異次元ゲートのところでみんな待ってるからいかないとなんだ。また今度用事あったらお話しよう。それでいいかい?」
「ふーん。いいよー!! また今度きくー!!」
「おねえさま!!? いいのですか!?」
「いいのー!! またねー!! 変なおじさん!!」
えっ!? 変なおじさん認識するのはやめて欲しい……。
「あ、俺の名前は田川だよ! 田川って呼んでほしいかな」
「タガワ! タガワ!」
「タガワさん!! わかりましたわ!」
よし、認識を変えることに成功した。危ない危ない……。
じゃあねー!! といいながらどこかに飛んでいった妖精二人をみてると、フリーズしていた短剣の護衛さんにこう言われた。
「田川殿、は、変わっておられますね。妖精と話をつけられる人間を初めてみました……」
なんか敬語になってる。なに? 妖精ってなんかレア種なの? 俺知らないからなー。
「妖精種は精霊に直接仕えていると言われるほど、極めて精霊に近い種族なのです。俺も初めて見ました。ここらへんにいるのですね」
「ちっさくてかーわいいね! レア種なんだねー!! わたしも見れてよかったー! ああー、画像撮ってSNS上げたかったなーバズりたかった!」
「……佐藤さん……。しゅがしゅがあっとみおんさん? 許可なく画像を取ったら盗撮ですよ? だめです」
「げ、……すみませんっした」
佐藤さんのテンションが上がって下がった。おもしろいな。
そだそだ、魔力酔い冷めたなら、歩けるなら歩いても良いのに。
って言ったらいやーとぎゅっと短剣の護衛さんに抱きついてた。
まあお姫様抱っこしてもらえるとか普通はないだろうし、俺の家から攫われちゃったしなー。
別に俺は重くないし、なんだかんだ短剣の護衛さんも真っ赤になりながらうれしそうだし、まあいいか。
―――さて、イゴラフさんのとこに帰ろっか。




