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異世界臨時公務員始めました(ゲートあります)  作者: 仲田野 寿


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―――佐藤さんが攫われたってDM来てるんだが、ええ……!? ちょ!!? まじ?


 慌てて配信をつけるとコメントがとんでもないことになっているけれど、ミケはいた。アヴィラさんが守っているようだった。

 アヴィラさんが臨戦態勢になってるようだから、これまじだ。


 すぐ佐久間さんに電話する。


「佐久間さん? 佐藤さんが攫われたようです。配信見てた人たちが教えてくれて、なんか異次元ゲートから来た人族が人質を盾にして佐藤さんを連れてったって言ってます。

 俺、Uターンして家に帰ります、それと警察の後藤さんか誰かと来てくれますか?

 車運転しますので、後藤さんに通報頼みます」


 俺が行かないとアミーラ族の場所に出れないからな。急ぐぞ。

 信号待ちの時にちょっとだけSNSに書き込む。DMくれた人たちが心配するからな。


【田川@ミケ:見た感謝今車すぐ助け行く】



―――ばたばたと家につくともう後藤さんと佐久間さんが来ていた。なんであっちのが早いんだよ!? ああ、パトランプつけてきたのかな。

 家に入ってすぐミケたちを確認する。怪我はないようだ。


「アヴィラさん、ミケを守ってくれてありがとう。これからこの人たちと佐藤さんを助けにいってくるから、隠れててね。アヴィラさん、またミケを頼む」


 ミケとアヴィラさんをひとなでしてミケを安心させてから、みんなで手を繋いで異次元ゲートに入る。うん、しっかりアミーラ族の場所に出れたね。


 うわ……血だらけというかあれ、人死んでる……? あ、動いてる。死んではないのね。


「うぇっ、イゴラフさん、だいじょうぶですか? 怪我は……」

「田川殿、すまぬ。おなごの方が人族に連れて行かれた。行商の方が人質に取られておった」


 ―――聞いたところ、イゴラフさんが人質に躊躇した隙に異次元ゲートに入っていって、なぜか行商人さんを人質に佐藤さんが捕まっちゃって、んで、イゴラフさんが犯人を三人倒しつつ行商人さんを助けるには成功したけれど、その間に佐藤さんが連れて行かれちゃったと……。

 佐藤さん魔力酔いしちゃって動けなくなってたみたい。


 しかもイゴラフさんは一瞬で三人は倒したんだけど、行商人さんを抱えてたから後は追えなかったらしい。ただ一人にはナイフを投げたからそんな遠くには行けてないだろうと言ってる。行商人さんの護衛さんとルトミスさんが追っているらしい。


 なんでか佐久間さんが青い顔をしている。

 どうしかしたのか? と聞くと、

 なんかギルドの受付で異世界の話をした時に、こちらの世界と違うところはどんなとこですかー? と聞かれたときに、こちらは電気という科学……魔法みたいなものがあるということと、あとは女性も普通に歩いています。みたいな会話をしたらしい。それのせいだったらどうしようと考えちゃったらしい。

 

 いやまさか。そんなことで……? そんなことある??


「あれはたぶん聖王国のやつらやな。少し北なまりが聞こえましてん。やつらは人族至上主義や。人族の女性を攫うのは自分らの血を残すので当然やと思っとる」


 人質にとられてた行商人さんが苦々しく吐き捨てた。


「異世界のにいちゃんら、えらいすんません。わしが人質にとられてもうたからこんなことに……。あのかわいらしいおなごはん大丈夫やろか」

「ルトミスさんも護衛さんも追いかけてくださってるみたいですし、……大丈夫だと思いたいですね。佐久間さん俺達も探します? え、後藤さん?」


 あー、後藤さん魔力酔いだ。


「私たちは土地勘もないですし行っても邪魔ではないでしょうか? ああ、後藤さん……。やはり魔力酔いに慣れないとだめそうですね……」

「……すみ……ません……」


 ―――んーー? てかなんか、なんとなーくだけど佐藤さんがここにいそうみたいなのがわかる。この感覚、前のミケのキャップ探した時にもなったな。………。ううーーん。でも邪魔かなあ?


 念のためイゴラフさんに言ってみる。

 そっちには魔力感じないが、うーん。と迷ってくれた。


 と、そこに俺に短剣をくれた護衛さんたちが戻ってきた。周囲の惨状を見て、驚いている。


「……これは何があったんです?」

「おう、来てくれたんか。聖王国のやつらにやられた。わしのせいでかわいらしいおなごの方が攫われてしもたわ」

「今、ルトミスさんと護衛さんが追いかけていってくださってます」


「あのー、俺も探したいです。俺、勘がいいんでたぶんこっちに佐藤さんいるとおもうんですけど、ついてきてもらえませんか?」


 短剣の護衛さんにお願いしてみた。


「ああ、わしはカイルがおれば大丈夫や。なにかしたいんやろ。付いて行ってや」


 行商人さんにお礼を言って、俺も探しに行くことにする。

 佐久間さんは後藤さんについててもらった。


 森の中の街と反対の方に歩いていってみる。こっちっぽいんだよなー? 「こっちにいるんかー?」などと言いながら短剣の護衛さんが着いてきてくれてる。


 十二、三分くらい歩いただろうか? ええー、やっぱりいないかなぁ? と不安になり始めた時、佐藤さんがいた。というか倒れていた。


「あ、いた」

「まじか」


 で、いたけど。近くにはナイフ刺さったままの重症者一名がいた。え、この人仲間においてかれた? 逃げたのか? 


 あー、佐藤さんまだ魔力酔いしてて動けないのか。心配してるだろうしイゴラフさんとこに帰りたいんだけど。うん。

 おんぶするか。

 よっと…………いや、重かった。俺には無理。

 いや、いやいやいや、ぐったりしてる成人女性運ぶの無理すぎだろ。俺一般人。

 

 短剣の護衛さんにお願いしよう。


「俺が触れて良いのだろうか……?」

「え、イゴラフさんのとこに運ぶの、重くて俺無理なので、運べるようならお願いしますよー」


 と言ったら、もうほんと宝物に触れるようにお姫様抱っこしてた。カチコチに緊張してる。

 ええー。重くないの? すごい。


「ていうか、やっぱり佐藤さんここにいましたね。いるっぽいなっていうこの感覚なんなんだろ。もしかして魔法?? えー俺すごい」


 佐藤さんも見つけたし、ざっとみたところケガもなさそうだし、と少し機嫌がよくなってたら声がした。


 えっ? 誰もいなくね?



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