23
―――ビデオカメラを回しながら馬車に乗る。馬は普通の馬っぽい。よく競馬で見るような馬、サラブレッドとかではなく、比較的ばんえい馬?みたいな馬車を引く力があるような馬だった。
カメラで撮りながら行きたいから御者席に乗りたいんだけど、どうだろ? ちょっと交渉してみよっかな。
「すみません、馬車に乗るの珍しいので御者席に乗ってみてもいいですか? 邪魔しないので」
「あ? ああ、狭いがどうぞ」
「おぉー! けっこう高いんだなー。ちょっと怖いですね」
「おお、そうか? あまり気にしたことがないな。うーん、子供が最初に馬に乗る時は怖がるが、馬車は怖がったりしないな。……馬には乗ったことないのか?」
「はい。異世界はあまり馬が日常にはいないのです。なのでとても珍しい体験をしています」
「ふむ。それは移動に時間がかかるな」
「ん? いや、うーん。まあいいか」
移動は馬だけじゃないんだけど、なんて説明したらいいのかわからないし、まあこのまま景色とっておこう。
空を撮ったり、道端を撮ったりしてたけど、かなり揺れるので幌の中に戻ることにした。
「これ酔い止め必須ですね。持ってきててよかった。……常備薬のときにヅラッグストアの人におすすめされたんだけど助かった」
佐久間さんはこれ持ってきてなかったんだな。かわいそうだからあげよう。飲まないよりましだろ。
「ありがとう……ございます」
よろよろしながら佐久間さんはそれを受け取って飲んでた。
呆れたようにそんな俺達を見ている護衛の人たちがいた。異世界人弱いとか思われてそうだな!
―――休憩時間、外に降りてビデオカメラを回す。見慣れない虫や植物などを撮ったり、火起こししてるところや食べ物を記録した。
周辺が森ばっかりだから、あんまり撮るところないのさ。
そうだ、護衛の人たちから武器とか見せてもらいたいな!! 聞いてみようっと。
「あの、すみません。どういう武器とか持っているのか見せてもらって良いですか?」
「……は?」
「腰に刺しているのは剣ですか?? 何本か挿しているんですねー、予備とかですか? 重くないのですか? いやー形状がかっこいいですね!!」
見てたらテンション上がってしまった。男はやっぱり武器とか好きだと思う。だって佐久間さんも興味津々だもんな。
「ああ、これか。ふふん、かっこいいだろ? これは普通の剣より細身でな?「うんうん、ほほーー!!」 業物なんだよ。「業物!! うおーかっこいい!!」斬るより突くほうが得意な武器でな「おおおー!! 突く!! かっこいい」そうだろそうだろ。でな、こっちは投げれるように何本か持ってて、「おお!! 投擲ナイフってやつですか!?」そうそうそう、よく知ってるじゃないか。でな! これは魔法をそのあまま使えるナイフなんだ! なかなかないぞ「魔法!! すごい!!」うんうん、そうだろそうだろ。よし!! せっかくだから、こっちの予備の予備の投擲ナイフをやるよ! 男なら武器の一本くらい持っててもいいぞ」
「えええ!! いいんですか!? やったー! ありがとうございます!」
聞かれた護衛の人も、最初は胡散臭そうに見ていたけど、あまりにも俺がきゃっきゃして褒めてたからか、まんざらでもなさそうに説明してくれた。しかも最後に投擲ナイフの予備の予備をくれた。いい人だなー!
―――休憩も終わって馬車がまた走り出した。
「今日はもう少し行ったところに行商用の宿泊所があるのでそこに泊まります」
「はい、わかりました」
今日は着かないのか。馬も休まないといけないし、そうだよな。ていうかどのくらいで着くんだろ?
「明日には着く感じですか?」
「今のように順調にいけば明日には着きますよ」
「そうなのですね、ありがとうございます」
―――宿泊所についた。カメラを回しながら入る。うん、山小屋すぎる。あーさすがに寝袋とか持ってきてないぞ。どうやって寝るんだ?
ごはんは、というかイゴラフさんが持たせてくれた保存食を食べると、みんなマントにくるまったり毛布というか布をしいて板の間にまんま寝た。 あっ、このまま寝るのか。一応カメラで記憶してから持ってきた布を敷いて、カメラの充電をして俺達も寝ることにする。
護衛の人は一人起きているみたい。あとで交代するのかも、ありがとうございます。
―――こんなところで寝れるわけないと思ったけど疲れてたのか寝たっぽい。念のため自分のリュックは前に腕を通してぎゅっとして寝た。
護衛の人の交代とか全く気付かなかった。これ悪意あったりしたら日本人みんな死ぬかもしれないな。
街につくところをカメラに収めたいから今日も御者席に載せてもらう。
―――お? あれ? あれかな?? ズームしながら行くとレンガかなー? 壁みたいなのが見えてきた。城壁? 中世の壁みたいな感じ。おおおー!! 雰囲気あるなー。
てか今思ったけど、なんで言葉は通じるんだろな。文字は読めないのに。
こちらの人の着ている服とか、いろいろな時代の日本や世界の服とかだし、うちの世界の民族衣装もあるから、もしかすると神隠しとか言われてる現象の何割かは、こっちの世界に来てたりして文化が混ざってるのとかもあるのかもな? 知らんけど。
考察していくとおもしろいな。
―――街に入った。行商人の人が門番さんになにかを見せていて、あとルトミスさんもなにかを見せていた。俺達のことでも書いてあるのかな? ちらちら見られてたし。
―――カメラを回しながら街を見渡して、なんか違和感があると思ったら、ほんと男しかいない。
ほんとに女性が少ないんだなー。ほえー。なんというかこう、花がなさすぎる。やはり女性がいるだけで華やぐもんな。
―――行商人さんたちにお礼を言って、冒険者ギルドに行くことになった。やっぱり最初に交渉しておきたいもんね。佐久間さんこれ緊張してそう。大丈夫なんとかなるだろ。
ギルドに到着した。で、佐久間さんとルトミスさんはなんか受付の人とお話してる。俺はウロウロとカメラを回しつつそこらを見ておこっと。
掲示板にはりつけてある依頼書を撮って、これはテンション上がった! あとは併設されてる酒場も撮った。これもテンション上がった!
うおおおあの飲んでるのってビールかな!? 飲んでみたいんだけど、お金ないな。ぐぬぬぬぬぬ!!!
ビールが飲みたい。
なんかないかな。
ビールまじで飲みたい。
ビー玉で行けない?




